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いわゆる隣保館は、必要なところは公民館にすべきでは

田中克美・鳥取県岩美町議

2007年5月26日(土曜日)
5月27日号(No.1020)
あらためて同和関連の予算を見る

http://www.tanaka-katsumi.net/modules/wordpress0/index.php?p=47

今年度当初予算=町1千2百万円余、県が1千万円余を支出

 同和行政、同和教育を一般行政に移行し特別の施策は終結する―この動きが各地の自治体で始まっています。

 すでに国の段階では特別法が廃止されています。しかし鳥取県では県、市町村ともさまざまな施策が続けられています。公正で平等な行政執行という点、財政運営の見直しという点から、住民の関心も高まっています。

 岩美町の同和行政の焦点として、固定資産税の減免問題および部落解放同盟への活動費補助金の問題をとりあげてきましたが、今週号は一般会計予算のなかで同和関連の予算を見てみたいと思います。

県の支出が46%を占める

 今年度の一般会計当初予算のなかで同和関連の予算は2千300万1千円ですが、そのうち町の一般財源の支出は1千241万2千円(54%)、県の支出は1千58万9千円9千円(46%)です。

 県の支出は3件(補助金、委託金、市町村交付金)で、①隣保館運営費補助金867万2千円、②人権啓発活性化委託金74万4千円、③市町村交付金の対象事業として生活相談員報酬の二分の一相当117万3千円が内訳です。

町外団体・組織への支出が7件

 同和関連の町外組織・団体に支出する負担金が7件あります。
①解放センター共通管理費負担金4万8千円、②部落解放・人権政策要求鳥取県実行委員会負担金3万6千円、③住宅新築資金等貸付事業鳥取県連絡会議負担金8千円、④県人権文化センター負担金16万円、⑤県隣保館連絡協議会負担金6万円、⑥東部地区隣保館連絡協議会負担金7千円、⑦県解放保育連絡会負担金2万8千円―合計34万7千円です。

 町内の団体への支出は2件(部落解放同盟恩志支部活動費補助金123万円、岩美町同和教育推進協議会活動費補助金199万円)です。

個人給付(含減免)は4事業

 個人を給付対象としている制度は減免措置も含めて次の4事業です。進学奨励給付金(返還しなくてよい)210万円、特定新規学卒者就職支度金5万円(一人2万5千円)、固定資産税減免(一律五〇%)、保育料減免(第一子につき三〇%減額)です。今年3月まで5年間あった同和地区中小企業特別融資制度は廃止されました(実績なし)。保育料減免措置は〇九年度で廃止します。進学奨励金について町は、5年後に廃止も含めて見直す方針で、地区にも説明しおおすじで了解をえていると聞いています。

同和教育は聖域か?

 同和対策から物的事業がほとんど無くなり、固定資産税減免など個人給付事業も見直しがすすむなかで、行政の腰がひけているのが同和教育の分野です。

 予算計上はない事業として「地区進出学習」があります。同和地区の小学生を対象に毎週火曜日、南小の教員が放課後に指導するものです。

 今年度の予算でみると、同和教育推進員報酬として221万3千円、同和教育推進費7万7千円7万7千円(教育委員会職員の旅費6万7千円、消耗品費1万円)、同和教育推進協議会活動費199万円、全国大会参加負担金1万円となっています。

 総務課所管ですが、同和問題の講演会や研修会などの人権啓発活性化事業81万円(うち県委託金が74万4千円)があります。

県補助が大きい隣保館運営費

 町は県から、隣保館運営費補助金として867万2千円を受け入れています。県交付金対象である生活相談員報酬を除いた町文化センターの運営費は、643万4千円です。  

 差額の223万8千円は、あらゆる差別をなくする審議会委員報酬9万円、一般同和対策費36万6千円、文化センター改修費491万円、あるいは生活相談員報酬、町外組織負担金などもふくめた同和対策事業の財源として消費されたと考えられます。


http://www.tanaka-katsumi.net/modules/wordpress0/index.php?p=50
同和地区の子ども対象の進出学習の廃止を求める

 田中議員は冒頭、「他市町村でやっている地区進出学習の実態から、岩美町の地区進出学習も、学校の補習授業で学力向上に取り組むことが、主たる内容だと思い込んでいた」と反省を述べ、事前に教育長に了解をとり、さらに議長にも教育長の了解を得た旨を伝え了解をいただき、通告と異なることをことわって、質問に入りました。

 〔通告のあとの聞き取りをおこなって誤解がわかりました。南小学校では教科のおくれを補充する学習「サクランボ教室」を木、金の二回、全校対象に実施。〕

「部落の子としての自覚」を育む特別の教育は必要ない

 南小では火曜日の放課後一時間、学習会を実施。地域の調査などもおこなっていますが、例えば学校の社会科で学ぶテーマより踏み込んで、部落の歴史や差別の歴史を教えていると聞きました。これは部落の子どもとしての「社会的立場の自覚」を子どもたちに指導するということだと思います。

 このことを指摘したうえで田中議員は、「部落の子だという自覚を指導することは、国民を『差別される部落民』と『差別する一般国民』とに仕分ける図式を教えることにつながると思う。」「社会的な実態として、この図式に合致する状況が存在していると考えているのか。私は、かつては存在したその状況は今では存在しないと思う。」「部落の子としての自覚を育む特別の同和学習は必要ない」とただしました。

残存しているかどうかではなく解消の流れに向っていることが大事

大黒教育長は、平成十七年の県の生活実態調査の数字を示して、生活環境は格差が縮小したが、大学進学率、就労など格差があること、差別意識も根強く、差別事象もある、直近五年間に差別された体験者が七百人余あったことなど紹介しました。

 田中議員は、差別意識や事象が残っているかどうかではなく、解消の流れが大きくすすんでいることを見ることが大事だとのべ、被差別体験でも、体験がある人が三割を切り、調査直近の五年間に体験した人は六・六%と、大きく減っていると指摘しました。また、就労をみると鳥取市の同和対策総合計画案でも、同和地区だけでなく全市的問題だと述べていることを紹介し、部落差別が理由の課題といえないと指摘。

「地区の子」と特定することは公教育がやってはいけない

 田中議員は、「地区の子」と特定することは、身分制の時代にはあったが今はない旧身分を、公教育が「現在の身分」とすることになり、身分差別を肯定することになる。さらに、部落問題を「血すじ」の問題としてしまい、解決可能な部落問題を将来にわたって解決不可能な問題にしてしまうと指摘し、公教育としてやってはいけないところに踏み込んでいると批判しました。

基本的人権尊重の精神を身につけることでどんな差別にも対処できる

 田中議員は、「地区の子も、地区外の子も、基本的人権尊重の精神を正しく身につけることによって、部落差別をふくめどんな差別の事態にも正しく対処できるようになる」とのべ、かさねて地区進出学習の廃止を求めました。

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