戸籍法改正案
戸籍謄抄本の交付を制限 改正案を閣議決定
政府は6日午前の閣議で、戸籍法改正案を決定した。 戸籍謄本・抄本の不正取得事件や婚姻、養子縁組を偽装する事件が相次いだことや、国民のプライバシー意識の高まりに応えるのが狙い。戸籍情報の公開を制限し不正取得に対する制裁を強化したほか、婚姻などを届け出る際の本人確認を義務付けた。今国会での成立を目指す。
改正案は、条件なしに謄抄本の交付を受けられる対象を、戸籍に記載されている本人と配偶者、直系の親族のみに限定。これまで不当な目的でなければ交付を受けることができた弁護士などの専門職や国、自治体に対し、請求理由を明らかにするよう義務付けた。
また虚偽申請など不正な手段で謄抄本を取得した者に対する制裁を強化。現行の「5万円以下の過料」から「30万円の罰金」に引き上げる。
婚姻や養子縁組などの届け出について、運転免許証などによる本人確認や、代理人が届け出た場合の本人通知制度も創設。
(共同)
(2007年03月06日
不正取得防止に条件厳格化、戸籍法改正案を閣議決定
政府は6日の閣議で、戸籍謄抄本の不正取得を防ぐため、交付条件を厳格にする戸籍法改正案を決定した。
不正取得の罰則についても、「過料5万円以下」から「罰金30万円以下」に引き上げる。今国会に提出し、成立を目指す。
現行法では、「何人でも、戸籍謄抄本の交付請求ができる」と定めており、戸籍謄抄本は公開が原則となっている。改正案では、弁護士、司法書士など第三者の交付請求を厳格にする。具体的には、<1>相続などの権利行使や義務履行などに戸籍確認が必要な場合<2>紛争解決などで業務遂行に必要がある場合――などに限り認め、具体的理由の明示を義務づける。
(2007年3月6日11時2分 読売新聞)
http://www.ks110.com/hm/2007/02/post_96.php
戸籍法の一部改正
■社長日記■
先週、今週と連ちゃんで東京出張となった。週の内に2~3日出張が入ると、その週は何となくあわただしく落ち着いた気分に慣れない。単に場所が変わるだけだが出張となると何となく気分が変わる。
ただ、私は汽車に乗ることは全く苦にならない。寧ろ楽しみである。汽車と言っても新幹線は今ひとつ情緒に欠けるが、それでもいっこうに苦にならない。コーヒーを飲みながら好きな本を読み、本に飽きると景色を楽しみ、眠気が来ると気兼ね無くうつらうつら・・、そんなに気儘にしていても汽車はキッチリ私を目的地に連れて行ってくれる。時間が倍に使えて何となく得をした気分になるからである。
出張の目的は、今国会に上程される「戸籍法の一部改正案」に関する陳情で、自民党の法務委員の先生方に「要望書」を持ってお願いにまわる為であった。衆・参議員会館の最上階(7階)から順番に各議員の部屋を訪問し、お願いする。代議士が在室であれば直接、不在時は秘書の方に「戸籍が非公開になった場合の弊害」を訴え、理解を求めようということである。
「結果はともかくとして遣れるだけの事はやろう」との思いである。社会的に相当厳しい目でみられれている調査業界の陳情などまともに聞いて貰えるとは考えていないが、この問題は国民の誰もが、「不振」や「疑問」を抱いたときに相談を受ける事が多い調査業者でしか知りえない事項が多くあり、「戸籍を非公開にした時の国民の損失」を、声を大にして訴えてきた。
以下は、今回の要望書の一部である。これに以前このブログでも紹介した「調査事例」を添付し上申した。
調査業界は、一般市民や企業からの依頼を受け、種々の調査を行い、結婚詐欺や取り込み詐欺などの被害を未然に防ぐなど、我が国の社会安全と秩序の維持並びに人権擁護にいささかなりとも貢献していると自負しております。私どもの調査活動の中で、戸籍は住民票とともに被調査者を特定できる事実上唯一の公的情報であるため、戸籍が原則非公開となると、調査活動に重大な支障をもたらし、依頼者に質の高い報告ができなくなり、延いては、我が国の誇る社会安全に重大な影響が出るものと懸念されます。
そのような背景から、1昨年から始まった今回の「戸籍法の見直し」の動きには特段の注意を払い、その審議の成り行きを見守ってきました。そして、昨年の8月には、見直しの「中間試案」に対するパブリックコメントも行なわれました。
このパブリックコメントの集計結果を踏まえて開かれた、法制審議会戸籍部会第11回会議(平成18年9月19日)の議事録には、「公開の制限」について意見が分かれており、それぞれの意見が紹介されています。私どもが指摘した戸籍公開の有用性についての具体的事例(添付資料をご参照下さい)も一部紹介されてはいるものの、それについて審議された様子は一切うかがえません。また、「戸籍を広く資料として使用することが真実の発見につながる」や「全く社会的な必要性というものを無視して、今回戸籍法の改正がなされるということについては非常な危機感を持っております」といった一部委員の正当な意見は、「戸籍の非公開」が今回の法改正の趣旨として、これら制限を緩める意見を一蹴しています。
一方、非公開制に賛成な意見の際だった特徴は、具体的に論証することはせず、ただ法改正の趣旨を錦の御旗にして、調査業者などによる戸籍の交付請求を「全て不正なもの」と決めつける偏向した意見に終始しております。
私どもは、その法改正の趣旨こそが大問題だと考えています。今回の法改正を実質的に推進しているのは、パブリックコメントにも組織的に多くの賛成意見を寄せた一部の人権擁護団体でありますが、その幹部が常識では考えられない不正を積み重ねてきた事実は、大阪市の飛鳥会事件、奈良市職員の給与不正受給や京都府清掃局の不祥事などから明らかになっています。ところが、戸籍部会における審議には、その組織の体質からでた重大な不祥事の影響を受けた形跡が一切見当たりません。特に、奈良市と京都府の事件はパブリックコメントが締め切られた後に発覚したものであるにもかかわらず、無視され続けています。この事件に対する地方自治体の対応ぶりを見ると、自治体職員が人権擁護を標榜する団体の恫喝に如何に弱いかがよく分かります。そのため、市町村長の判断で戸籍の公開が認められている現法体系下にあっても、弁護士等の有資格者以外の第三者からの戸籍交付請求には応じて貰えないのが現実です。
戸籍を非公開制にすれば、身元確認が容易にできないことを背景に、詐欺や詐称事件が蔓延する社会が到来し、インターネットの普及とともに進んできた匿名社会がさらに深刻なものとなり、世界に名だたる「醜い国、日本」になってしまいます。
審議会事務局によれば、次回の通常国会に改正案を提出するというスケジュールになっているとのことでありますが、私どもと致しましては、今回の性急な法改正は一旦留保し、 戸籍の公開制により確保されてきた社会安全や秩序の維持と非公開とする事によるメリット (漠然としたプライバシー保護)との得失を、できれば数量的に評価した上で、戸籍というすばらしい社会的財産をどのように活用すべきかの論議を慎重に進めていただきたいと切望しています。昨今の弊害の多い行き過ぎた情報非公開制の流れを見直すよい機会ではないでしょうか。そして、身分登録簿の公開制を堅持している英国やスエーデンなど、人権擁護についての先進諸外国の状況を参考にするとともに、弁護士や司法書士などの有資格者からの意見だけでなく、訴訟といった深刻な事態に陥る前に一般市民の被害を最小限に食い止めることに貢献している調査業界の意見も採り入れて頂きたいと願っております。
なお、私ども調査業界は、守秘義務とコンプライアンスの徹底を一層推し進め、一般市民がさらに安心して依頼できる組織づくりを目指しています。
ご多忙中の中、最後までお読み頂き有難うございました。
投稿者 ks110 : 2007年02月23日 14:43
2006年12月22日
戸籍法改正案に思う
■探偵のひとり言■
戸籍法の改正を叫ぶ人権団体の真の狙いは、戸籍法廃止にあると思われる。
http://www.ks110.com/hm/2006/12/post_89.php
理由は、戸籍が旧身分制度のもとで作られた経緯にあり、現在戸籍にその名残は全く無いが、戸籍は身分差別と密接なつながりがあるとの考え方が根拠にあると思われる。
その考えに一定の理解はできるが、戸籍は我が国において人の身分(階級的身分ではない)を公証する唯一の資料であり、これを廃止すれば社会の秩序は保てなくなる。
従って、戸籍制度が身分制度と根っこを同じくしているとして問題視するのであれば、新たな制度(戸籍に代わるもの)を作っても構わない。
私が主張したいのは、人の身分を公証する資料は公開でなければならないと言うことであって、生死・親子・兄弟・結婚・離婚くらいは、その気になれば誰でもが判るシステムにしておかなければ社会の安全や秩序の維持が保てないと思うからである。
次期国会で政府が戸籍法の一部改正を行おうとしている理由の一つに、
「戸籍の中には、摘出でない子や離婚歴など他人に知られたくないと思う事項が含まれている。従ってプライバシー保護の観点から公開制限を加える必要がある」と述べている。
最もな考え方のように思われるが果たしてそれでいいのだろうか。所謂、プライバシーの考え方を前面に出し、知られたくないと思う事項は全て隠すことが可能な社会を形成しようと考えているとしたら、これは大変な間違いである。あえて言うなら、犯罪を助長し擁護するシステムを作る為の改正とさえ言える。
美しい日本、平和な社会とは、人が人を信用することができ安心して暮らせる社会の事である。
ところが個人情報を完全に保護すると顔の見えない匿名社会となり、人と人との信頼関係は築けなくなる。
行き過ぎたプライバシーの保護はプライバシーの侵害につながり、過度の人権擁護は人権侵害につながる。
今回の戸籍法改正の大きな目的は、交付請求の制限である。
現行、 「何人も理由を明らかにして戸籍の交付請求をすることが出来る」となっているのを、 「自己の権利若しくは権限を行使するために必要がある場合は、戸籍謄本等の交付請求をすることができると」 改正しようとしている。
一見、第三者でも権利、権限の行使に際しては戸籍入手が可能であるかのように読み取れるが、これは言葉のまやかしであって、一般の第三者は絶対に入手することは不可能になる。
所謂、交付請求はできるが交付はされないということです。
この事はよくよく考えなければならない。現行法では「何人も理由を明らかにすれば戸籍の交付請求はできる」となっているにも関わらず、一般的には交付されない。それを今回は法律で、「権利権限の行使に限り交付請求が出来る」と改め、有資格者以外は全てシャットアウトしようとしており、有資格者でも詳細な理由を示さないと容易には交付しないようにしようとする改正であり、「自己の権利若しくは権限を行使する必要があるときは、第三者でも交付請求はできる」として、公開原則は貫いているかのように欺瞞しているもので、改正されたら市町村長は絶対に第三者請求には応じなくなることは明白である。
結婚や商取引など相手が如何なる人なのか知りたいケースは社会生活を営む以上は頻繁に生じるが、戸籍や住民票(新聞報道によると、住民票も今以上に交付請求に制限を加え、事実上第三者は取れなくする改正案を次期国会に提出)が取れないとなると本当の事は何一つ判らなくなる。
名前も生年月日も親子関係もすべて確認の使用がない。
ただ、相手がいう事を信じるしか方法が無いことになる。結婚を前提に交際していて、アレッと思うような事があっても、彼、彼女が既婚者なのか離婚暦があるのか、子供が居るのか居ないのか、だだ相手が言う事を信じるしかない。このようなケースだと法律でいう「自己の権利・権限」があるように思われるが、役所の窓口で、その事をどうして証明するのですか?。二人でホテルに入る所の写真でも示すのですか・・、それとも何処かで婚約証明書でも書いてもらうのですか・・、公証人役場などで・・。そう言えばこの前、某賢人がこんな事をお話なさっておられた、「既婚者でも婚約して悪いことはない」、尤もな話である。離婚して結婚する約束をするのであれば何も問題はない。ところが現実はそんなに甘くなく、既婚者であることなどおくびにも出さず、結婚を匂わせ彼女を口説くなどごくごく当たり前に行われている。
人の氏名、年齢、住所など住民票の記載事項にプライバシーが存在するのか・・?。
意見は分かれているが、氏名、年齢、住所などは単なる個人識別情報であってプライバシーとは何ら関係ないというのも有力な説である。
戸籍の記載事項には、その他親子関係、結婚・離婚などがあり、より多くの個人情報が記されており、住民票より扱いが慎重になるのは一定理解できるが、社会の安全や秩序維持の為にはある一定の個人情報が公開される必要があるのも自明の理である。
個人の利益よりも公共の福祉が優先されるように、個人情報保護よりも社会の安全や秩序の維持が優先され、そのため一定の情報を公開にする事は止むを得ないことである。ところが、今の日本は、個人の利益や権利が何にも優先し、人権やプライバシーが余りに優先されるが故に、社会の中に大きな歪ができ、親子の関係さえおかしくなってきている。
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