戸籍法の見直しに関する要綱
戸籍法の見直しに関する要綱
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/070207-7-1.html
( 前注)
本要綱において,用語の意義は,以下のとおりとする。
1 戸籍の謄抄本等 戸籍の謄本及び抄本,戸籍に記載した事項に関する証明書並びに磁気ディスクをもって調製された戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面
2 除かれた戸籍の謄抄本等 除かれた戸籍の謄本及び抄本,除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書並びに磁気ディスクをもって調製された除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面
第1 戸籍の謄抄本等の交付請求
1 交付請求
(1 )戸籍に記載されている者等による請求
戸籍に記載されている者又はその配偶者,直系尊属若しくは直系卑属は,その戸籍の謄抄本等の交付請求をすることができるものとする。
(注 )戸籍に記載されている者とは,戸籍の「名」欄に記載されている者であり,当該戸籍から除籍された者も含まれる。
(2 )第三者請求
前記(1)に記載する者以外の者は,次のいずれかの場合は,その具体的事由を明らかにして,戸籍の謄抄本等の交付請求をすることができるものとする。
① 自己の権利を行使し又は義務を履行するために必要がある場合
② 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
③ その他の戸籍の記載事項を確認するにつき正当な理由がある場合
(注 )前記(1)に記載する者が本要件によりその戸籍の謄抄本等の交付請求をすることを排除するものではない。
(3 )公用請求
前記(2)にかかわらず,国又は地方公共団体の機関は,法令の定める事務を遂行するために必要がある場合は,その事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに利用目的を明らかにして,戸籍の謄抄本等の交付請求をすることができるものとする。
(4 )弁護士等による請求
(注 )弁護士等とは,弁護士,司法書士,土地家屋調査士,税理士,社会保険労務士,弁理士,海事代理士又は行政書士をいう。
前記(2)にかかわらず,弁護士等は,受任事件の依頼者について前記(2)のいずれかの必要等がある場合は,その具体的事由及び依頼者の氏名を明らかにして,戸籍の謄抄本等の交付請求をすることができるものとする。ただし,紛争解決手続の代理業務を遂行するために必要がある場合は,その代理する紛争解決手続の別,紛争の種類及び利用目的を明らかにすれば足りるものとする。
(注 1)弁護士等が依頼者から受任した事件の業務の遂行のためではなく,破産管財人等の法令に基づく固有の権限を行使する際に戸籍の謄抄本等の交付請求をする場合は,本要件ではなく,(2)の要件によることとなる。
(注 2)「紛争解決手続の代理業務」とは,裁判手続又は裁判外における民事上若しくは行政上の紛争の処理手続についての代理業務をいう。そのような業務の遂行に必要な場合とは,弁護士等が現にそのような手続における代理業務を行っている場合に限られず,そのような手続の対象となり得る紛争について準備・調査を行っている場合も含むが,交付請求をする弁護士等がそのような手続において依頼者を代理する権限を有していることを要する。なお,刑事事件の弁護人及び少年事件の付添人としての活動もこれと同様の扱いとする。
2 資料の提供等
市町村長は,戸籍の謄抄本等の交付請求において,明らかにすべき事由が明らかにされていないと認めるときは,交付請求者に資料の提供又は説明を求めることができるものとする。
(注 )市町村長は,本要件に基づいて交付請求者に資料の提供等を求めた場合に,交付請求者がこれに応じないこと等により戸籍の謄抄本等の交付請求の要件が満たされていると認めることができないときは,当該交付請求を拒むことになる。
3 本人確認等
(1 )市町村長は,戸籍の謄抄本等の交付請求の際,次のとおり本人確認を行うものとする。
ア 戸籍の謄抄本等の交付請求が市町村の窓口への出頭により行われる場合には,出頭した者が,交付請求者であるとき,その代理人であるとき又はその使者であるときに応じ,それぞれ,自己が交付請求者本人であること,その代理人本人であること又はその使者本人であることを運転免許証を提示させる方法等により明らかにさせなければならない。
イ 戸籍の謄抄本等の交付請求が郵送により行われる場合には,交付請求書の記載上交付請求手続をした者が,交付請求者であるとき,その代理人であるとき又はその使者であるときに応じ,それぞれ,自己が交付請求者本人であること,その代理人本人であること又はその使者本人であることを運転免許証の写しを送付させる方法等により明らかにさせなければならない。
(2 )代理人又は使者によって戸籍の謄抄本等の交付請求がされる場合には,代理人又は使者に対し,委任状を提出させる方法等により,その権限を明らかにさせなければならないものとする。
(注 )市町村長は,本要件による本人確認等ができない場合には,戸籍の謄抄本等の交付請求を拒むことになる。
第2 除かれた戸籍の謄抄本等の交付請求
戸籍の謄抄本等の交付請求と同様の規律とするものとする。
第3 戸籍の記載の真実性を担保する措置
1 届出の際の確認手続
市町村長は,戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生ずる婚姻,協議離婚,養子縁組,協議離縁又は認知の届出があった場合には,運転免許証を提示させる方法等により,届書を持参した者が誰であるか及びその者が届出人であるかどうかを確認するものとする。
2 確認できなかった届出人がある場合の措置
市町村長は,前記1の届出があった場合で,前記1の確認手続により届出人の全員について届書を持参したことが確認できなかったときは,届出を受理した上で,確認できなかった届出人に対し,届出がされたことを通知するものとする。
(注 )郵送により前記1の届出がされた場合には,確認できなかった届出人に該当することから,当該届出人に対し,届出がされたことを通知するものとする。
3 届出の不受理申出
前記1の届出について,あらかじめ届出人から市町村長に対し,届出があった場合であっても自己が届書を持参したことが確認できない限りこれを受理しないよう申し出ることができるものとし,市町村長は,当該申し出がされているときは,当該確認ができない限りこれを受理しないものとする。
第4 その他
1 学術研究のための戸籍及び除かれた戸籍の利用
市町村長は,学術研究の目的のために,戸籍又は除かれた戸籍に記載されている事項に係る情報の提供をすることができるものとする。
2 制裁の強化
偽りその他不正の手段により戸籍の謄抄本等又は除かれた戸籍の謄抄本等の交付を受けた者に対する制裁を強化するものとする。
3 不服申立手続
戸籍及び除かれた戸籍の謄抄本等の交付請求に関する市町村長の処分を争う手続については,行政不服審査法に基づく不服申立手続及び行政事件訴訟手続によるものとする。
法制審議会第152回会議(平成19年2月7日開催)
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/070207-7.html
法制審議会戸籍法部会第14回会議(平成18年12月19日開催)
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/061219-3.html
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