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給食調理員 母子家庭などに優先を

■「給食調理員は公務員でなければダメ?」 2007/02/07 放送
http://www.mbs.jp/voice/special/200702/07_6719.shtml
   
財政危機に直面している自治体が後を絶たない中、行政コストの削減は今、待ったなしの状況だ。

教育現場も例外ではなく、今、学校給食の調理にかける人件費の問題が全国で議論されている。

果たして、給食の調理は公務員の聖域なのだろうか。

兵庫県宝塚市で明らかになった、ゴミ収集職員の「中抜け」。

午前中の2~3時間で仕事を終え、職場を抜け出していた問題だ。

<職員>
「モラルの問題やと思う」

中抜けをしなかった職員も、施設の中で筋力トレーニングをするなどして過ごしていたわけだが、そもそもの問題は、1日の実働時間の短さだった。

<宝塚市環境部長・松藤聖一>
「実働時間は3~4時間」

しかし、実働時間の短さは、ゴミ収集職場に限ったことではなかった。

<視聴者からのメール>
「私は関西の自治体の元給食調理員です。民間あがりの私は、まるで給料泥棒のような日々の勤務のあり方に嫌気がさして退職いたしました」
「働いているのは午前が約2時間。午後が約2時間弱が実質の仕事でした」

『学校給食』

公立小学校の給食調理員の実働時間も、1日4時間程度しかないというのだ。

では、残りの時間は…

<視聴者からのメール>
「調理員専用の休憩室で飲食やテレビ鑑賞。先輩にあたるものは寝具持参で寝る始末」

中抜けの問題を追及してきた宝塚市の市会議員も、次のように指摘する。

<宝塚市議・多田浩一郎>
「お昼の給食を1回作るだけの業務。午前9時半くらいから調理場入って、作業始めて、午後2時半までには絶対終わってしまうんですね。5時間のうち30分がお昼ごはんですから、4時間半が実働です」

給食調理員の人件費は、宝塚市の場合、正規職員1人あたり707万円(社会保険費等を含む)。

それで実働4時間前後ならば、大変な無駄があることになる。

一方、市側は取材に対し、「午前8時半から 午後4時45分まで、休憩を挟み7時間30分、みっちり仕事をしている」と説明するが、実際はどうなのだろうか。

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VOICE取材班は、市内のある小学校で、調理員たちの1日の動きを追ってみることにした。

【午前8時30分】

出勤してきた調理員たち。

まずは「休憩室」に入り、座って話を始める。

【午前9時30分】

いっせいに立ち上がった調理員たち。

調理服に着替え作業を始める。

1度に数百人分以上を作る学校給食。

確かに、調理そのものは忙しそうだ。

6人の調理員はめまぐるしく動く。

【午後0時20分】

休憩室に戻り、食事。

【午後1時】

仕事が再開。

食器洗いと平行して調理場の掃除なども行うが、午後2時半には全ての作業が終わった。

実働時間は、4時間20分。

あとは休憩室で過ごす。

【午後3時45分】

ブラインドは下ろされ、電気も消えた。

そして別の日も、午後2時半には業務終了。

調査した5日間とも、このタイムスケジュールに変化はなかった。

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もちろん、全ての学校がこうした勤務実態というわけではないが、1日1食調理するだけなので、午後はどうしても時間が余ってしまうようだ。

<宝塚市議・多田浩一郎>
「2時半以降は、本当にやることがない」

一方、議員の質問に市側はこう答弁している。

<去年9月、議会の市教委の答弁>
「敷地外から見えないところの作業もある。野菜の下処理とか、パンにつけるバターとか、米飯につけるノリのクラス分けなども休憩室で行っている」

さらに、夏休みなどがあるため、年間で給食を調理する日は“180日前後”しかない。

大阪市でも、市政改革本部がまとめた資料では、こう指摘されている。

<市政改革本部がまとめた資料より>
「食調理員が年間の直接調理に従事する時間は6割を切る。せっかくの労働力を効率的に使えていない」

給食1食あたりの単価は、大阪市で591円。

そのうち343円が人件費。

宝塚市でも1食あたり571円で、うち279円が人件費だ。

<宝塚市議・多田浩一郎>
「はっきり言えば、子どもはご飯よりも人件費を食べている実態。サービス供給コストがすごくかかってて、受けるサービスの真水部分は知れている」

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そんな中、これまで公務員の聖域とされてきた給食調理を、民間に委託する自治体が増えている。

20年前から民間委託を導入し、年間13億円の人件費を削減したという、東京都足立区を訪ねた。

学校の調理室で働く給食調理員たち7人は、全員が民間会社のスタッフだ。

<栄養士・小田孝子さん>
「まぶち商事の方です」

足立区では、各学校に1人づつ、公務員である栄養士を配置し、調理員を監督する形を取っているのだ。

<栄養士・小田孝子さん>
「(民間と)仕事の内容は変わりません」
「うちに関しては不都合は今のところないです」

足立区では、小田さんら栄養士が学校独自の献立を考え、材料の仕入れまでを行う。

毎日、教室で子どもたちに給食の感想を聞いて回るのも日課だ。

自分で考え、食材も手配したメニューだけに、子どもたちの反応は気になるという。

<栄養士・小田孝子さん>
「野菜がさ、食べられる?」
<児童>
「食べられる!」

そして、その日のメニューと子どもたちの様子を学校のウェブサイトに毎日掲載。

民間委託で、サービスはむしろ向上したとも言えるが、実は、導入の際には教職員などから激しい反対運動が起きていた。

<栄養士・小田孝子さん>
「公務員じゃない訳のわからない人たちに、学校給食を作らせていいのかと、反対しました。栄養士も」
「民間委託でも、栄養士と調理員が頑張れば、ある程度のレベルにもっていけるそれ以上のレベルにいける可能性もあると思っています」

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それでも、民間委託に反発する声は公務員サイドに根強い。

公立中学の栄養職員で「全国学校給食を考える会」の五十嵐会長に、反対する理由を聞いた。

<全国学校給食を考える会・五十嵐興子会長>
「実際、委託を体験してみて、(民間会社は)経験の浅い調理師がくる」
「大量のものを、素材から昼までに一気につくりあげるのは技術です。特別な技術です」
(Q,それは病院の給食でも同じ。会社の給食でも同じでは?)
「病院は対象者が病人。会社は成人。私たちは小中学校の義務教育。ただ食べさせるだけじゃなくて、それを通して教育活動」

これに対し、民間委託を進めてきた足立区の学校の校長はこう力説する。

<足立区五反野小学校・三原徹校長>
「逆に民間だからこそ、何かあったら会社の存亡にかかわる。民間だからこそ、保護者の意向も聞きながら、創意工夫もしながら、限られた予算の中で子供たちの栄養も考えながら一生懸命にやらないと。厳しいですから。給食はどうしても公務員がやらなければならない仕事ではないと思います」

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財政難で、行政コスト見直しが必至の自治体。

給食調理が今の勤務実態のままなのであれば、民間委託への流れは止められそうにない。

http://www.mbs.jp/voice/

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