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児童虐待防止対策

児童虐待防止対策…「子供の犠牲」根絶 連携強化がカギ

 児童虐待事件が全国で相次いでいます。2005年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談は3万4472件で、6年前の約3倍。児童虐待防止法が施行された00年11月から04年末までの間に、210人の子供が虐待で死亡しました。

 児童虐待への対応で中心的な役割を担うのが、都道府県や政令指定都市が設ける児童相談所です。市町村や医療、教育などの関係機関と協力して早期発見に努め、虐待が疑われる家庭への立ち入り調査、保護者への指導、子供の一時保護、児童福祉施設への入所措置などを行います。保護者が立ち入りを拒む場合などは、警察とも連携します。

 子供に関する相談全般に対応するのは市町村です。児童相談所は、専門的な知識や技術が必要な事例や、市町村の支援に重点的に取り組みます。かつては児童相談所が相談全般を一手に引き受けていましたが、虐待防止対策を強化するため、04年の児童福祉法改正で役割が見直されました。

 子供の周囲の人たちは、虐待に気づいたら児童相談所に通報する義務があります。04年の児童虐待防止法の改正で、通報の範囲が、虐待を確認した場合から、虐待と推察される場合に拡大されました。

 国は、児童虐待防止のための関係機関ネットワークを全市町村に設置し、「予防」「早期発見・対応」「保護・指導」を切れ目なく推進することを打ち出しています。しかし、今年4月時点で3割の市町村がまだ設置していません。最近の事件でも、各機関の連携不足で最悪の事態を招いたケースが目立ちます。連携強化が重要です。

 専門性を持つ人材の確保も課題です。専門職である児童福祉司は、05年に児童相談所への配置数の基準が増やされ、今年度は2147人と、6年前の約1・6倍になりました。しかし、まだ十分とは言えません。市町村や、子供を受け入れる児童福祉施設なども、人手不足に悩んでいます。

 虐待を受けた子供への援助、親への指導のあり方についても、さらに充実させる必要があります。

(2006年12月21日  読売新聞)

虐待死検証のための常設組織を都道府県に設置へ 厚労省
2007年01月24日03時22分
 虐待による子どもの死亡事例を分析し、再発防止策を検討するため、厚生労働省は23日、各都道府県に常設の検証組織を原則として設ける方針を固めた。現在は児童が虐待で亡くなっても、事実の把握や発生原因の分析など事件の検証さえ行っていない自治体もある。検証組織は、医療や教育分野の有識者など第三者の委員で構成し、虐待の予防につなげる。

 同省はこの日、虐待情報から48時間以内に安全確認をすることなど児童相談所(児相)の運営指針などの見直しを正式発表した。これとは別に、死亡事例の分析・検証態勢の整備も急ぐことにした。

 児童虐待防止法は、国や地方自治体は「児童虐待防止のため、必要な事項の調査研究、検証を行う」と定めている。しかし、重大事件が発生したときだけに検証組織を設けるなど自治体によって対応はまちまちだった。一方、昨年3月に同省の専門委員会がまとめた報告書によると、04年に全国で起きた虐待死53例のうち、検証が行われたのは24例だけだった。

 このため、厚労省は検証組織や実施方法などの指針作りに着手。今夏をめどに策定するが、指針の基本方針案には「都道府県児童福祉審議会の下に、検証組織を常設することが望ましい」と明記。委員は「外部の者で構成する」とした。

 検証対象は、死亡事例を中心としつつ、死亡に至らないケースや、児相の職員らが気付かないところで起きた心中や車中放置、新生児遺棄致死などの場合も、重大な事例と判断すれば対象に含める。関係者へのヒアリングなどを通じ、事実の把握、発生原因の分析を行い、再発防止策を都道府県に報告する。

 千葉県は、03、04年度にそれぞれ2件の児童虐待死が相次いだことをきっかけに05年6月、弁護士や校長、精神科医ら第三者8人からなる常設の検証委員会を設置した。県虐待防止対策室は「地域ネットワークを生かした支援の必要性など幅広い視点からの検証が可能になった。常設にすれば機敏に会合を開くこともでき、継続的な政策の見直しもしやすい」と話す。

児童虐待相談、昨年度は過去最多 市町村で3万8千件
2006年10月31日16時28分

 05年度に全国の市町村で受け付けた児童虐待の相談件数は3万8183件だったことが31日、厚生労働省の調査で分かった。同年4月施行の改正児童福祉法で、児童相談所に加えて市町村も相談窓口になったが、05年度は、市町村分だけで04年度の児童相談所の3万4652件を上回り、過去最高になった。一方、市町村の8割が、児童福祉司など「専門性をもった人材の確保が困難」と答え、相談態勢の不十分さが浮き彫りになった。

 この日開かれた政府の「児童虐待防止対策協議会」で報告された。05年度は児童相談所にも3万4274件(市町村との重複分を含む)の相談が寄せられた。

 児童家庭相談で困っていることを市町村に複数回答で尋ねると、「専門性を有する人材の確保」が79.5%、「職員数の確保」61.8%、「業務多忙のため体制づくりが遅れている」53.4%と続いた。

 市町村の相談窓口の担当職員数は06年4月現在で6286人で、05年6月の6951人から約1割減少。市町村合併などによる人員合理化が背景にあるという。

強制立ち入り調査や親権の一部停止も 児童虐待で見直し
2007年01月27日09時59分

 親の虐待から子どもを守るため、与野党で検討している児童虐待防止法の見直し案が26日、明らかになった。児童相談所(児相)の調査を拒む保護者には、都道府県知事が「呼び出し命令」を出し、応じなければ児相と警察が強制的に立ち入り調査ができる制度を新設。必要な治療を親が拒否する育児放棄(医療ネグレクト)に対しては、親権の一部を一時的に停止して治療を受けさせる仕組みの導入も検討する。3月末をめどに改正案をまとめ、議員立法として通常国会に提出する予定だ。

 昨年11月に発足した超党派の「児童虐待防止法見直し勉強会」(幹事・馳浩自民党衆院議員)で検討を進めてきた。

 現行法では虐待の通報があっても、保護者の同意を得なければ児相は立ち入り調査ができないため、子どもの安否確認が遅れるケースがある。そこで、児相の調査を拒んだ保護者の呼び出し制度を創設。これにも応じない場合は、警察が家裁の令状を取ったうえで自宅の解錠をするなど、強制的に立ち入り、児相が子どもの安全確認や一時保護を行えるようにする。

 厚生労働省の調査によると、食事を与えない、入浴させないなどの育児放棄は、99年度の約3400件から05年度には約1万3000件に急増した。

 中でも、病気や虐待によるけがを放置する医療ネグレクトは命にかかわるケースもあるが、宗教上の理由などで治療を拒否する親もいる。現在、保護者の同意なしに治療を受けさせるには、児相などが民法上の親権喪失宣告を家庭裁判所に請求しなければならず、親権停止の保全処分の決定までに通常数カ月かかる。

 このため今回の案では、親権のすべてではなく、子どもを監視・保護する「監護権」のみを一時的に停止できる規定を設け、親の同意なしでの治療を可能にする。治療終了後、親権は保護者に戻すとしている。

 このほか、一時保護や施設入所中の子どもへの保護者の接近禁止命令制度の創設、面会や通信の制限強化なども検討している。

 こうした法改正の動きと並行して、厚労省は虐待情報から48時間以内に安全確認をするよう児相の運営指針を改正。虐待死検証のための常設組織を各都道府県に原則設置する方針だ。

児童虐待防止法:超党派見直し案…児相の安全確認義務化へ
 超党派の国会議員による児童虐待防止法の見直し案に、児童相談所(児相)の安全確認義務が盛り込まれる見通しとなった。児童相談所が虐待の通告を受けても安否を確認しないまま子どもが死亡するケースが後を絶たず、そうした事態をなくす目的。親が呼び出しに応じない場合は強制的に立ち入り調査するための親の呼び出し制度も併せて設ける方向だ。

 見直しを進めているのは「児童虐待防止法見直し勉強会」(幹事・馳浩自民党衆院議員)。

 04年に児童虐待で死亡した53件の中で、17件は児相が住民などの通告を受け把握していた。昨年10月の京都府長岡京市の男児餓死事件では、児童委員が死亡前6カ月間に4度通報したが、安否確認されなかった。

 児相の安全確認は、現行法では努力義務にとどまる。04年の法改正でも義務化が検討されたが、それに伴う職員の人員増が現実には困難との理由で見送られた。

 自治体の中には、埼玉県のように独自に48時間内の確認を義務化したケースもある。厚生労働省は今月、48時間内の確認に努めるよう指針を出したが、初動対応の差は現場ごとに大きく、「『(安全確認に)努める』という今の法律の表現は弱すぎる」(メンバーの議員)として、義務化に踏み込むことになった。

 安全確認の義務化と一体の形で、児相の立ち入り調査もしやすくする。これまでは親が施錠したり、応答がなければ居宅に入れるか判断が難しいとされ、05年度、全国の児相で立ち入り調査の1割が保護者の拒否などで断念されていた。このため、親が呼び出しに応じない場合、強制的な立ち入りを可能にする。裁判所の許諾を得るかどうかは検討中だ。

 このほか▽親が子の治療を放棄する場合、親権代行者を選び、治療を進める措置(親権の一時停止)▽一時保護や施設入所の子に対する親への接近禁止命令--なども検討中だ。

毎日新聞 2007年1月31日 3時00分

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