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なぜ「人権擁護法案」が問題なのか? 古屋圭司

古屋圭司通信
衆議院議員

http://www.furuya-keiji.jp/cat15/cat20/

<人権擁護法を阻んだ功労者たち> 

 ―――政府が昨年、提出を予定した人権擁護法案をストップしたのは「真の人権擁護を考える懇談会」でした。その座長を務めたのが、郵政民営化法案に反対して自民党を離れ、いまは無所属の古屋圭司さんです。人権擁護法案の問題点についてはいかがですか。

 古屋 まず申しあげておきたいのは、人権侵害への擁護はしっかりすべきだということです。私が問題と考えているのは、人権擁護法案が出てきた経緯が、きわめて不明確なことです。
 平成五年に国連総会で採択された「パリ原則」、それに平成十年、国連の人権委員会の勧告から始まっている。このとき、政府は公式に、現行の人権救済体制は必ずしも不十分ではなく、新たな機関を設置する必要はないという見解を出している。それが自自公連立政権になって、パリ原則に合致するために、独立性の高い、いわゆる「三条委員会」が必要ということで、初めて法案が出てきた。ここがそもそものポイントです。
 要するに、地域改善対策特定事業に関わる国の財政特別措置関連法が失効になり、別の法律が必要だという政治的な判断が働いたのではないかと私は推察しています。その法案は衆院解散で廃案になったのですが、昨年になって、廃案になった法案とほとんど同じ中身のものが急浮上した。
 法案の本質的な問題の一つは、人権侵害の定義の不明確さです。人権侵害は「不当な差別、虐待、その他人権を侵害する行為」と規定され、人権侵害イコール人権侵害という定義です。恣意的な解釈によって運用される危険性が高い。二つ目は、強制的な調査権限を含め、人権委員会の権限が強大すぎる。三つ目は、加害者とされる人の救済措置が不十分です。四つ目は、人権擁護委員の選定資格がきわめて曖昧なことです。

 ―――人権擁護委員の資格に現在ある国籍条項がなくなっていました。

 古屋 外国人が人権擁護委員になれることも問題ですが、いちばんの問題点は、人権侵害の定義に絡んで「差別的言動」や「人権侵害を受ける恐れ」などの表現があることです。いわば「人権侵害」をいった者勝ちで、拡大解釈の余地が大きい。かつての治安維持法の復活といっても過言ではありません。言論の自由という民主主義の根幹を揺るがす恐ろしい内容を含んでいることをぜひ指摘したいと思います。この点については法務省主流である刑事局の幹部も、きわめて曖昧でクオリティ(質)の悪い法案と認識していましたね。
 あえて申しあげたいのは、この法案に真剣に反対していた若い議員、たとえば城内実、古川禎久両氏などは、きわめて明確にこの法案の問題点を指摘していました。以前から当選していたわれわれは、この法案が提出されたとき、マスメディア規制に焦点が集中し、本質的な問題点に気がつかなかった。それから「真の人権擁護を考える懇談会」を設立したのですが、私は人権擁護法案に対してアクティブに行動した議員こそが、真の保守主義者だと思います。
 
 ―――保守政治の再生を担えるわけですね。
 
 古屋 人権擁護法案に異論を唱えた議員の何人かは、先の郵政選挙で無所属になり、また不幸にして落選しました。だがこうした理念は、しっかりと糾合する必要があると思います。そこで自民党の同志議員とともに、超党派による、真の保守主義を標榜する政策勉強会を立ち上げる予定です。「自由で活力があり、歴史・文化・伝統を大切にし、世界から尊敬される国」をめざし、その理念に基づき、さまざまな政策提言を行なっていきたいと考えています。

投稿者: furuya01 日時: 2006年03月23日






なぜ「人権擁護法案」が問題なのか? その主な理由は次の通りです。

 ・人権侵害についての定義が極めてあいまいかつ広義であり、人権擁護=人権侵害という摩訶不思議なもの。人権擁護のはずが、恣意的な解釈により逆に人権侵害を招く危険性がある。

 ・国家行政組織法上のいわゆる3条委員会として強力な権能を持つ人権委員会を設立し、その下に全国で2万人に及ぶ人権擁護委員が指名されるが、この人権擁護委員の国籍条項がない。人権に関連する公私の団体から市町村長が任命するが、議会の意見は聞くが拒否権はない、などその選考方法に大きな問題がある。

 ・現行の人権擁護委員は法律上政治活動は禁止されているが、今回の新人権擁護委員は積極的な政治活動のみ禁止。
 
 具体的には、私が議連の事務局長として取り組んでいる北朝鮮による拉致問題についても、本法案が拉致被害者支援活動に対しても制限が加えられる危険があるのです。

 幸いにして、去る11日の党役員連絡会にて、私をはじめ安倍幹事長代理などから本法案について慎重に取り扱うべきとの意見が出され、与謝野政調会長が「疑念の点が解決しない限り、法案の提出は控える」との見解が表明されました。

 人権侵害に対する擁護は絶対になされなくてはいけないことは、申し上げるまでもありません。しかし、今回提出を目論む法案は、むしろ逆に前述のような重大な人権侵害を招きかねない要素を含んでいることが問題なのです。本当の弱者が人権侵害により泣き寝入りさせないためには、このような法案よりも、まずは司法制度改革を徹底的に進めることが不可欠なのです。すなわち、現行の人権擁護委員の権能の強化や、司法書士などを活用するADR(裁判代理制度)の充実をはかり、安価かつ速やかに法律上の保護・恩恵にあずかる制度が必要なのです。このことに対し、法務省が最大限の努力を怠っていることは否定できないと思います。

 今後は、党の法務部会にて議論を深めて行く予定です。問題点を徹底的に追求して参ります。

投稿者: furuya01 日時: 2005年03月15日

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