古賀の時代ではなくなったかもしれないが、政治決着に持ち込む動きは軽視できない
◇「人権擁護法案」を捨てて安倍と手打ち?古賀の計算
週刊文春 八月十日号 54ページ
迷言の類が少なくない小泉純一郎首相の語録の中でキラリと光るのは、加藤紘一、山崎拓両元 自民党幹事長との盟友関係について語った「YKKは友情と打算の二重構造」という言葉だろう。
私たち三人の関係はその程度のものですよ、と楽屋裏を暴露したおもしろさだけではない。
政治の世界の人間関係とはそういうもの、時に友情より打算を優先しても、心の痛痒をさして感じる こともないと教えてくれる名言なのである。
九月の総裁選を前にした自民党の風景はさしずめその見本市だ。
最も際だっているのは第二派閥・津島派の久間章生総務会長だ。派閥の後輩の額賀福志郎 防衛庁長官が派内の擁立論に内心、胸をときめかせているのを知りつつ、 「選挙はオリンピックと違い参加すればいいってもんじゃない」 と冷や水を浴びせ、 「ポスト小泉は安倍君で決まりだ」と安倍晋三官房長官支持を鮮明にした。
久間氏は安倍幹事長時代の幹事長代理。安倍首相となれば、気心を知る自分に党三役や重要 閣僚を要請するはずとの期待半分の読みがある。
旧宮沢派で同じ釜の飯を食った谷垣禎一財務相、麻生太郎外相から「同門の誼(よしみ)で」と 協力要請されている丹羽・古賀派代表、丹羽雄哉元厚相と古賀誠元幹事長も例外ではない。
厚労族で安倍氏と先輩、後輩の関係にある丹羽氏は、安倍氏に近い派内の中堅議員を介して 「首相就任後に靖国神社参拝を行う考えがあるなら支持できない」と安倍氏にボールを投げた。
もちろん「参拝を見送るなら支持する」という含みだ。
返ってきた答えは「ご心配をかけるようなことはしない」。
谷垣、麻生両陣営への配慮もあり公言していないが、丹羽氏は安倍氏支持に回る腹を固めている。
古賀氏も密かに安倍氏にメッセージを送った。
託したのは安倍氏、石原伸晃、塩崎恭久両氏と「NAIS」グループをつくる根本匠衆院議員。
「人権擁護法案はもうやらないから、安心してくれ」という内容だった。
古賀氏は三年前に引退した政治の師・野中広務元官房長官から同法案の再提出-成立を 期すよう頼まれ先頭に立ってきた。
これに対し安倍氏は同法案反対の急先鋒。
再提出ギブアップ宣言は手打ちの申し入れでもあった。
派内の多くが安倍氏支持に傾く中、「反安倍」のスタンスをとり続ければ、ますます人心が離れて いく。義理と人情の古賀氏もそろばんを弾かざるを得なかったようだ。
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