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同和巡る不祥事、大阪市105人処分 前局長を諭旨免職
2006年08月29日
同和行政を巡る不正の相次ぐ発覚を受け、大阪市は29日、旧芦原病院への2億5千万円のヤミ貸し付けなどを主導したとして、中山芳樹・前健康福祉局長(58)を諭旨免職にするなど、市職員99人と外郭団体職員6人の計105人の大量処分を発表した。関淳一市長の減給50%(6カ月)など、特別職の4人も自主的に給与の減額や一部返納を行う。市は同時に、全職員を対象に法令順守の研修を行うなどの再発防止策も公表。大量処分とあわせ、一連の不祥事に区切りをつけたい考えだ。
市職員の処分の内訳は、中山氏の諭旨免職のほか、元健康福祉局理事と医務保健総長の局長級2人が停職1カ月、局長級4人を含む6人が減給10%(3カ月)、16人が減給10%(1カ月)。このほか、戒告が19人、文書訓告が47人、口頭注意が8人。大阪市で局長経験者が免職となるのは初めてだ。
大阪市は05年にカラ残業で7924人、労働組合のヤミ専従で254人を、戒告や減給とする大量処分を行ったことがあるが、刑事責任を問われていない職員に対し、諭旨免職や停職の処分をするのは「極めて異例」(市人事部)。公金の支出に対する市民の信頼を大きく損ねた点などを重視したとしている。
補助金の不正流用やヤミ貸し付けなど、旧芦原病院を巡る一連の問題に対しては、「地域医療の存続という局の方針のもとに実施された」として、方針を決めた局長、部長級を中心に計31人を処分した。
業務上横領の罪などで起訴された財団法人「飛鳥会」理事長の小西邦彦被告側への優遇措置を巡っては、同和対策事業の根拠だった地域改善対策財政特別措置法(地対財特法)が02年3月に失効した後も、飛鳥会側に有利な駐車場の委託契約の見直しを怠ったなどとして計42人を処分した。
関市長以外の幹部は、柏木孝助役が3カ月、井越将之助役と小西寿昭収入役が1カ月、それぞれ給与の10%を自主返納する。
市が公表した再発防止策では、法令順守を徹底するため、今年度から公金支出に関する抜き打ちの内部監察を実施するほか、これまで局単位で扱っていた補助金や貸付金の支出を、9月から必ず財政局と合議のうえ実施するよう改めるなど、補助金支出の適正化策などが盛り込まれた。
◇
大阪市の関淳一市長は29日、記者会見し、「多数の処分を出さざるを得ないことに対し、市民に心からおわび申し上げたい」と述べ、同席した幹部らと起立し、頭を下げた。そのうえで「処分を一つのけじめにしたいが、同和行政のウミを出し切ったとは思っていない。特別扱いはかえって差別を助長するとの理念で運動体と対処したい」と、再発防止に取り組む考えを強調した。
■大阪市の同和行政をめぐる最近の動き
05年12月 旧芦原病院が民事再生を申し立て
06年 4月 旧芦原病院が補助金約5億円を不正流用し、市も黙認していたことを市の調査委が公表
5月 財団法人「飛鳥会」の小西邦彦理事長が、事実上の同和対策事業の収益に絡む業務上横領容疑で逮捕される
6月 旧芦原病院の破綻(はたん)処理で、市が138億円の債権を放棄する議案が市議会で継続審査となる▽元暴力団組長らに健康保険証を不正取得させた詐欺容疑で市立飛鳥人権文化センター館長が逮捕される▽同和行政見直しのための市の調査・監理委員会が初会合
7月 旧芦原病院への2億5千万円のヤミ貸し付けが発覚▽市監査委員が旧芦原病院への補助金の一部2200万円の回収を勧告
同和行政の見直しを進めている大阪市は29日、旧芦原病院(民事再生手続き中)や財団法人「飛鳥会」を巡る事件など、一連の問題について、「不適切な事務の執行を命じた」などとして、前健康福祉局長の中山芳樹・市スポーツ・みどり振興協会審議役(58)を諭旨免職、局長級2人を停職1か月とし更迭するなど職員計99人を処分した。 すでに、10月から報酬の50%カット(6か月)を表明している関淳一市長のほか、助役ら特別職3人も報酬を10%カット(1~3か月)する。関係する外郭団体なども市OBら6人を処分した。 また、市は、これらの問題で生じた損失について、団体や関係者に損害賠償請求(請求額未定)する。
同和行政見直し、大阪市が職員99人を処分
(読売新聞) - 8月29日12時54分更新
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