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地域人権運動 さらなる奮闘を決意

全国人権連第2回全国大会
http://homepage3.nifty.com/zjr/topics50.htm

新役員代表挨拶
議長 丹波正史

 2年間に及ぶ闘病生活を強いられ活動の空白がある中で議長に選出されました。この2年間は、部落解放運動の発展的転換による全国地域人権運動総連合が誕生し、この方向に地域を基礎に大きな流れとして定着させる時期でした。この期間にすべての都府県段階で名称及び内容を地域人権の運動へ転換させました。このことによって地域人権の運動を本格的に展開する条件ができ、すべての組織が足並みをそろえスタートラインについたといえます。いまの運動の歴史的位置は創造期に運動であり、この時期には挑戦する心が大切です。
 2日間の討論を通じて部落解放運動から地域人権を確立させる運動へ大きく変化しているのを目のあたりにしました。討論の水準も非常に高く、内容も広範なものでした。その背景には物事を地域人権の視点からみていく姿勢が定着し確立してきたことです。いま情勢は全国人権連の出番を求めています。小泉政治による社会的格差の広がり、貧困の深刻化、差別的扱いの横行など、いずれをみても全国人権連の出番です。いまこそ地域を基礎に人間らしい生活を営む権利を実現する運動が大切です。
 憲法9条の改悪、教育基本法の改悪、いずれも「戦争のできる国家づくり」がたくまれています。
 鳥取県でのニセ「人権条例」制定策動反対のたたかいが教えているように、私たちが立ち上がれば困難はありますが、大きく情勢を転換させる可能性は十分にあります。
 全国人権連は、①地域を基礎に格差、貧困、差別に反対する旗印を鮮明にし、地域人権確立の住民運動を全国津々浦々で前進させ、②「解同」の行政との癒着を断ち切り、住民自治の確立を図る先頭に立ち、③みんなに頼りがいのある組織に成長し、さまざまな形態を尊重しながら、地域の隅々に全国人権連の旗をなびかせ、機関紙中心の組織運営を追求する、④NPOなどと結び事業活動も探求しながら、組織の人的配置を経済的にも安定させる本格的な取り組みを行う、ことです。
 今後2年間、みなさんとともにがんばり、全国人権連の創造期にふさわしい大胆さと挑戦する心を大切にしながら、渾身の力を振り絞り前進させる決意です。




討論のまとめ       事務局長 新井直樹
 常任幹事会を代表して「まとめ」の報告をします。
 今大会成功のために最後までご協力いただいた代議員、傍聴者をはじめ役員の方々に、先ず敬意を表します。
 また、開催地、岡山県連の皆さんには大会準備、運営にかかわっていろいろとご協力いただきまして心からお礼を申し上げます。
 昨日と本日の討論は文書発言を含めて21件ありました。
 議案書の記述について具体的にご指摘いただいた点は、文章を整理し、取り入れる方向で検討します。
 さて、本大会の討論の特徴は、地域社会における人権諸課題に取り組む、その運動に拡がりがみられたことです。部落問題の解決、その領域だけではない、優れて実践的な報告が相次ぎ、非常に感銘を受けました。
 発言では農業問題も提起されました。国の政策により地域営農組織等を作らなければ補助金を下ろさない。小規模、家族経営農業が切り捨てられていく中にあっての闘いをどう、地域社会で作るのか、周辺住民と共同するかという課題に、人権連がその中心的役割を担ってゆくと、決意が示されました。
 地域づくりの取り組みが前進しているところでの共通した点は、一つに地域社会の福祉と介護の拠点や民主団体との地域ネットワークの拠点を構え、そこを中心に高齢者の暮らしや地域の生活支援など、運動と組織を支え、地域づくりを行っていることです。
 もう一つは、各県レベルや各支部段階で、生活相談活動を通じて組織拡大が前進している点です。生活相談を定期的に行うこと、相談の取り組みが迅速であること、それが人権連への期待となっている、と報告がありました。生活相談活動を機軸にした地域づくり・組織づくりを教訓として学びあいたいと思います。
 さらに、支部段階での具体的な活動についても報告がありました。支部を取り巻く状況や支部の組織状況などは異なっています。それぞれの支部が、例えば京都では駐車場づくりや河川問題に関わる取り組みが報告されましたが、極めて具体的な取り組みを考えることが大切です。
 アイヌ問題での政策・行動提起については、組織的に慎重に検討し、方針や今後の取り組みに反映してゆきます。
 岡山の青年からは、「何をやっていいのか分からない」という声に対して、できることをやっていくという挑戦的で前向きな姿勢、立場が必要ではないか、とハッパを掛けられました。自分たちの地域で何をやったらいいのか、という点で、これをやればいいという押しつけた政策、方針はありません。諸要求の実現をはかるという項目で運動のメニューを提示してありますが、基本的には自分たちで工夫しながら1つ1つ住民の信頼と要求に応えていくことです。岡山の青年の提起から真摯に学びあいたいと思います。
 総じて本大会の討論内容は非常に質が高かったと思います。2年後に開く大会には、今回決定した方針をもとにした活動がどの程度前進したかが討論できるようにしたいと考えます。そのために地域での具体的な活動が機関紙に反映し、支部の活動にまた取り入れられる、幹事会でも議論が行えるよう、充分配慮していきたいと思います。
 今回各県で発行している機関紙を会場内に展示し、機関紙の内容を学びあい、各地の具体的な取り組みの紹介を行いましたが、今後も工夫するとともに、機関紙誌や組織拡大を意識的に追求してゆきます。
 最後に、時代の変化に対応した要求運動を進め、強く大きな組織を作り上げていくうえで、人づくりは決定的なポイントです。岡山の青年たちの発言はそれぞれ意気軒昂であり、若い世代を含む世代バランスのとれた参加と発言は今後の組織展開にとって重要だと思います。運動しつつ学び、学びつつ運動するという学習や教育を抜本的に強化してゆきます。
 2日間の大会で学んだ各地の教訓を地域の取り組みに活かしていくこと、憲法・教育基本法を擁護し暮らしに生かす闘いをさらに前進させることを誓い合い、「まとめ」の報告とします。

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