巨額の公金をつぎ込んだ同和行政の責任
■「今度は“ヤミ債務保証”判明 旧芦原病院のためなら『何でもアリ』の大阪市」 2006/07/27 放送
http://mbs.jp/voice/special/200607/27_3963.shtml
旧芦原病院のためなら「何でもあり」とばかりに大阪市は、ずさんな公金支出を繰り返してきました。
同和施策の一環として、不正に補助金を出し続けたばかりか、今度は新たに病院が銀行融資を受ける際、密かに外郭団体に債務保証までさせていたことがわかりました。
しかも、助役当時の関市長が黙認していた疑いが濃厚です。
320億円という巨額の公金がつぎ込まれながら経営破綻した旧芦原病院。
同和施策として不正に補助金を出していたうえ、「う回融資」という不可解な手段をとってまで手厚い保護を続けた大阪市。
〈大阪市健康福祉局・深尾泰理事〉
「病院を維持するためとはいえ、不適切な処理があったことについておわび申し上げたい」
銀行に病院への融資を断られたため、大阪市は、なりふりかまわず外郭団体や担当局長の個人口座を経由させて融資を実行したのだ。
しかも市は、融資の帳尻を合わせるために公文書をねつ造したうえに、架空の補助金をでっちあげていたことが判明。
芦原病院の資金調達のために、行政が自ら「不正」を繰り返していた。
〈大阪市健康福祉局・寺本良平元理事〉
(Q.当時、違法行為との認識は?)
「違法の恐れがある事も考えていましたけども」
う回融資に加担した市の外郭団体・医療事業振興協会は、大阪府の立ち入り検査を受けた。
〈大阪府の担当者〉
「一連の行為が、公益法人として不適切であるという判断をいたしました」
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そしてさらにー。
芦原病院の資金繰りのため、大阪市と外郭団体が手を染めた不正が、またひとつ、明らかになった。
芦原病院の借金を、ヤミ保証していたのだ。
2003年4月、病院が銀行から4億9,000万円の融資を受ける際、大阪市は、連帯保証人として債務保証することを求められる。
しかし、自治体が企業の債務保証をすることは、法律で禁じられているため、市は、医療事業振興協会に保証を肩代わりさせたのだ。
しかもこの協会の理事長は、当時から、市の現役幹部が兼任している。
〈協会の理事長も務める・岸廣成医務保健総長〉
「芦原病院の地域医療を継続するためには、どうしても銀行から融資が必要であると認識しておりました。このため、緊急対応として連帯保証の承認を行ったしだいであります」
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さらに協会は、本来なら監督官庁の大阪府に債務保証について報告する必要があったにもかかわらず、報告を怠ったうえ、関係書類を破棄していた。
〈協会の理事長も務める・岸廣成医務保健総長〉
「本来決算書に載せるべき、当時の書類が破棄されていたことを知りました。まことに事務手続き上、申し訳ない」
隠ぺい工作とも思われる悪質な行為に、市議会でも、厳しい追及の声があがっている。
〈議員〉
「普通の会社やったら懲戒解雇やな、どう考えてもね。二重帳簿、犯罪ですよこんなもん!あかんでしょう、こんなん」
こうしたヤミ保証が行われた時期に担当助役だった関市長は、自らの関与を問われ、実に歯切れの悪い釈明を行った。
〈関淳一大阪市長(会見7月21日)〉
「当時、担当助役でしたから、報告を受けてた可能性は非常に高いと思うが、ただはっきり覚えていないんですよね。大変、資金繰りで病院が苦労しているのは痛切に感じていましたんでね。病院を維持するということが、最大のテーマでしたし」
市の幹部は、みんな決まって「地域医療を守るため」と口をそろえるが、一連の病院をめぐる不正については、関市長と当時の担当局長ら関係者がすでに刑事告発されている。
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中でも、一連の不正の実質的な責任者であった当時の担当局長は、議会での質疑には応じるものの、私たちの取材を頑なに拒み続けている。
〈健康福祉局・中山芳樹前局長〉
「市民の皆様に大変ご迷惑かけたことに対しまして、心の底からおわび申し上げるしだいでございます。以上でございます」
中山芳樹元局長は、すでにう回融資の責任を問われて更迭されたが、公金を不正に支出したケジメはこれで済むのだろうか。
〈健康福祉局・中山芳樹前局長〉
(Q.おわびだけじゃなくて、何故そういう事に至ったのかという説明が必要なんじゃないすか?)
「ちょっと待て!撮るな!そんなんばっかり放送せんといて。またおりを見て説明する機会を皆さん方と相談したいということです」
巨額の公金をつぎ込んだ同和行政の責任を、関市長を始めとした市幹部がどうとるのか。
市民の多くが注目している。
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