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人権協会の解体なしに正常化はありえない

飛鳥人権協会 大阪市の課長が自腹で“補助金”
毎日放送(07/13 12:18)

 飛鳥会による横領事件で起訴された小西邦彦被告が相談役を務めていた飛鳥人権協会に、大阪市が予算の計上をせずに1,200万円を支出していました。

 うち600万円は、当時の担当課長が借金をして支払ったということです。

 大阪市はかつて、吹田市内に所有していた土地を菜園として「飛鳥人権協会」に無償で貸し出し、同和対策事業として毎年800万円の補助金を支出していました。

 同和対策の特別措置法が失効したため、補助金は2002年度に廃止されましたが、市はその後も、2年間でおよそ1,200万円を人権協会に支払っていました。

 関係者によりますと、このうち2003年度に支払われた600万円は、当時の担当課長が自ら借金をして支払ったということです。

 市は内部調査を行い、近く結果を報告する方針です。



闇の正体「また黙認…飛鳥人権協会の新疑惑」
2006/07/04 放送

   
飛鳥会をめぐる業務上横領事件の発覚から、まもなく2ヵ月が経ちます。

一連の事件では、大阪市の現職幹部が逮捕されるなど、大阪市の関与の実態が明らかになってきましたが、新たに、市の事業委託費をめぐって架空請求疑惑が浮上し、そこでも職員が「黙認」していた疑いが出てきました。

飛鳥会理事長の小西邦彦容疑者とともに逮捕された大阪市参事の入江和敏容疑者。

逮捕の容疑は、元暴力団組長らのために健康保険証をだまし取った詐欺の疑いでした。

<逮捕前の入江和敏容疑者>
「(小西容疑者から)『ある方の健康保険証を作ってくれ』と頼まれたことはございます。歴代そういう形で、なされてきたということでございます」

入江容疑者が館長を務める飛鳥人権文化センター。

警察の捜索を受けたこの建物に事務所を置く飛鳥人権協会をめぐり、新たな疑惑が浮上しています。

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そもそも、人権協会とは一体どのような団体なのでしょうか。

今からおよそ50年前の1953年、大阪市同和事業促進協議会という名の社団法人が設立されました。

同和対策事業の受け皿となってきた団体で、大阪市の委託事業の主な窓口となってきました。

2002年に大阪市人権協会と名前をかえ、今年度も市から宿泊施設・塩楽荘の運営など、33億円の事業委託を受けています。

飛鳥人権協会は、その団体会員の一つです。

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【人件費の架空請求】

大阪市東淀川区にある市立飛鳥青少年会館。

子どもたちのレクリエーションなどのための施設ですが、市は大阪市人権協会を通じて、飛鳥人権協会に夜間・休日の警備などのための当直業務を委託。

業務委託は去年3月で打ち切られましたが、少なくとも2002年度以降の3年間、実際には当直がいなかったにもかかわらず、人件費が不正に請求されていたといいます。

飛鳥人権協会の会長は現職の市職員だけに、にわかには信じがたい話です。

<大阪市教育委員会・福井一良課長>
「まさかね、宿直がいないなんていうことは普通、想定はしませんから、『えっ』と思っているとこなんですけども。(返還請求も)含めて検討すべきかなと思っております」

しかも、協会は近くの中学校の体育館の清掃も請け負っていましたが、校長は「協会の人たちが掃除をしたことはない」と取材に答えています。

事実なら、不正に請求された金額は、3年間だけでおよそ1,760万円。

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疑惑はこれにとどまりません。

飛鳥人権協会の事務所のすぐ隣りにある市立あすか保育所。

ここでも、青少年会館と同じように、当直の人件費が架空請求されていたといいます。

大阪市に記録が残されているだけでも、少なくとも4年間分、およそ870万円が不正請求だった疑いが濃厚です。

<大阪市健康福祉局・西尾幸三課長>
「契約と違う実態があったようであるということは、遺憾に思っておりますし、法令に基づきまして、厳正に、適切に対処をしたいと」

一体、真相はどうなのか。

当時の飛鳥人権協会の幹部に取材をおこなうと、『いつからかは、はっきりとわからないが、ある時期から青少年会館と保育所に当直はいなかった。体育館の清掃をしたこともない。架空請求であると認識していたが、『慣例』として続けてしまっていた』との返答がありました。

さらに、保育所については、5、6年ほど前に機械警備を導入しており、市の担当者もそれを知っていたはずだというのです。

果たして市は不正を「黙認」していたのでしょうか。

<大阪市健康福祉局・西尾幸三課長>
「大阪府警の捜査にも全面的に協力しながら、今、取り込んでおりますので、具体的なことにつきましては、コメントは差し控えさせていただきたいですが、そのような実態があった事につきましては、認識をしております」

市は、かつての担当者が不正を「黙認」していたこと、そして現在、警察の捜査が行われていることを認めました。

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では、だまし取られた金はどこに行ったのでしょうか?

保険証詐取事件で逮捕された入江容疑者の部下は、次のように証言します。

<飛鳥人権文化センター・谷口眞一副館長>
「現金で、入江館長が小西前支部長に届けていたと思う」

(Q.入江容疑者のほうから、人権協会の口座から出金するよう指示があったのか?)
「その通りです。年度末に一括してそういうような指示があったと記憶しています」

またもや浮かび上がった大阪市職員による黙認の構図。

自浄能力のないこの組織に、腐敗の連鎖が重くのしかかっています

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