芦原病院への138億円の債権放棄案に理解を得る狙い?
asahi.com
同和地区の「加配」を見直し 関・大阪市長が表明
2006年06月02日
大阪市の関淳一市長は2日、記者会見し、同和地区の保育所や小中学校、青少年施設に市職員を上乗せして配置してきた「加配」を見直し、遅くとも08年度予算までに解消する方針を明らかにした。大阪市は、同和地区の福祉向上を掲げる財団法人「飛鳥会」理事長による業務上横領事件や、同和対策の医療拠点だった芦原病院による補助金の不正流用の発覚を受け、同和施策を総点検中で、具体的な見直しが決まったのは初めてだ。
関市長はまた、同和行政の見直しのため、経営企画監、総務局長ら市幹部と弁護士ら民間の有識者でつくる「地対財特法(地域改善対策財政特別措置法)期限後の事業等の調査・監理委員会」(仮称)を月内に設置することも発表した。部落解放同盟を含むすべての団体との協議のあり方についての「指針」や、問題が明らかになった事業の是正措置などを策定する。
同和地区を対象にした措置で見直しが決まったのは(1)小中学校に対する管理作業員と給食調理員の加配のとりやめ(2)保育所に対する保育士の加配のとりやめ(3)青少年会館で働く市職員の削減(4)市営の「ふれあい人権住宅」に入居できる対象者の区域の拡大。可能なものは07年度予算から反映させる。
関市長は会見で「使命が終わった事業を続けると、かえって差別を助長する」と述べ、月内に同和施策の総点検を終え、7月中に是正措置を含めて公表する考えを示した。
大阪市がこの時期に、加配見直しなどの具体策を打ち出したのは、市議会が強く反発している芦原病院への138億円の債権放棄案に理解を得る狙いがあるとみられる。
大阪市の同和行政見直し、施設の職員加配を是正
関市長が4項目表明
財団法人「飛鳥会」を巡る業務上横領事件や同和地区医療センターと位置付けられていた旧「芦原病院」の経営破たんを機に、同和行政の見直しを進める大阪市の関淳一市長は2日会見し、同和地区一帯の施設に職員を厚く配置する加配の適正化を柱にした4項目の是正計画を明らかにした。年度内に着手する。関市長は「(同和関連の)運動団体だけの問題ではなく、行政サイドにも大きな問題があったと反省している。どこかで断ち切らないと、双方にとってよくない」とも述べ、同和関連団体との関係を見直す考えを示した。
市は7月に公表する同和行政の総点検の結果を受け、近く設置する「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」で全般にわたって是正措置を決める。
4項目は、いずれも同和対策事業の根拠となった地対財特法の失効(2002年3月)後も継続している施策。加配適正化の対象は、同和地区一帯の▽学校の管理作業員と給食調理員▽保育所の保育士▽青少年会館の職員。市によると、たとえば、同和地区一帯の小・中学校の給食調理員は1校平均で、他地域の2倍の6人を配置している。
また、同和地区内の市営住宅236棟(9133戸)は応募資格を市営住宅がある小・中学校区内などの住民に限定しているが、区や市全域に拡大する。
関市長は「市の同和行政は不透明感があると指摘されている」と述べた上で、「使命を終えているのに続けているものもあり、かえって差別を助長したこともあり得る」と話した。
◇
芦原病院は4月に、運営母体の浪速医療生活協同組合から医療法人「弘道会」に事業譲渡されたのを受け、名称が「浪速生野病院」に変更された。
(2006年06月03日 読売新聞)
■同和対策事業の総点検で 大阪市、「職員配置」を見直し
飛鳥会や芦原病院の問題を受け、同和対策事業の総点検を進めている大阪市の関市長は、学校の管理作業員や給食調理員など、職員の配置の見直しを行う方針を明らかにしました。
関市長は、2日夕方開いた会見で、同和対策事業の一環として行ってきた一般の学校よりも多くの職員を配置してきた管理作業員と給食調理員の適正化を図るほか、青少年会館や保育園における職員配置の見直し、さらに「ふれあい人権住宅」の募集対象区域の拡大などを行うことを明らかにしました。
「運動団体が悪かったという問題だけではなく、行政側の組織風土にも大きい問題があったと反省しています。どっかで断ち切らないと、双方にとって良くない」(関淳一市長)
関市長は、7月中に調査結果を発表し、見直しが可能なものについては来年度予算に反映したいとしています。 (06/02 20:40)mbs
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