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大阪市の解同に関わる問題は   いまだ底が見えない

飛鳥会事件

大阪市職員が理事長親族の”介護専従”


 ◆上司黙認

 大阪市開発公社から直営駐車場の管理を委託された財団法人「飛鳥会」を巡る業務上横領事件で、同会理事長・小西邦彦容疑者(72)の親族にあたる同市元職員(46)が、勤務時間中、体が不自由な小西容疑者の別の親族男性の介護にほぼ専念していたことが、わかった。今年3月の退職時まで勤務していた市立飛鳥人権文化センター(同市東淀川区)の複数の関係者が証言した。こうした「介護専従」は歴代、同センター館長の引き継ぎ事項として黙認されてきたという。市は「事実なら、地方公務員法で定めた職務専念義務に反する行為」として15日、調査を始めた。

 市によると、元職員は1982年、清掃業務担当の技能職員として採用され、退職まで同センター勤務。

 センター関係者らの証言によると、元職員は奈良市内の自宅から、近くに住むこの親族男性を連れてセンターに“出勤”。職員としての本来の仕事はほとんどせず、センター内で男性を介護したり、リハビリなどのための通院に付き添ったりしていた。

 こうした勤務状況は、96年ごろにはすでに常態化し、退職時まで続いていた。関係者は「午前9~10時ごろに出勤簿に印を押し、午後5時ごろ再び印をついて帰宅するだけだった」と証言、「ヤミ専従のようなもので、悪いとは知りつつも見て見ぬふりをしていた。市市民局には報告していなかった」と話した。

 元職員は、区役所への異動を打診され、「新しい仕事に就く自信がない」として依願退職した。

 同センターは、飛鳥会や、小西容疑者が支部長を務める部落解放同盟大阪府連合会飛鳥支部が入居するビルの近くにある。市民への人権啓発や人権に関する調査研究などを行っている。

(2006年05月15日  読売新聞)

asahi.com

小西容疑者「特別扱い」30年 

利権の構図支えた行政
   

 大阪市の事実上の同和対策事業に絡んで、財団法人「飛鳥会」理事長の小西邦彦容疑者(72)が業務上横領容疑で逮捕されて1週間。この間、事件の舞台となった西中島駐車場の運営委託をめぐり、発注側の市や市開発公社が小西容疑者に数々の便宜を図っていたことが次々と明るみに出た。利権の構図はどうやって生まれ、なぜ30年間も見直されなかったのか。大阪府警の捜査は、小西容疑者の疑惑とともに、行政の果たした役割の解明が焦点となっている。

 「ゴミ捨て場を、市から頼まれて、私が片づけた。その空き地を駐車場に使おうというのも私の発想だ」。小西容疑者は逮捕前、朝日新聞の取材に、そう語った。ある公社OBも「小西容疑者の発案だった」と認める。

 西中島駐車場は淀川区にあるが、運営を委託されたのは隣の東淀川区に拠点のある飛鳥会。「正当な同和対策なら、駐車場に近い別の団体に任せるのが筋。市側は最初から小西氏に利権を与えようとした」と、淀川区選出の元市議はみる。

 74年の開設当初から一度も入札は行われず、飛鳥会が毎年、随意契約を更新してきた。契約は、料金収入の一部である利益配分金などを公社に納めれば残りは手元に残る飛鳥会に有利な内容だった。しかし、市側は「同和地区の就業対策と高架下の有効利用の一石二鳥」(公社OB)、「補助金のいらない同和対策事業は、当時としては画期的」(市幹部)と受け止め、問題視する声は、なかなか広がらなかった。

 飛鳥会は毎年度、公社に収入を報告する義務があった。しかし、85年に公社が報告内容に疑問を呈すると、86年度から報告がなくなった。

 当時を知る複数の市OBは「小西容疑者の存在は絶大だった。解放運動に暴力団という要素が加わり、市職員は怖がっていた」という。

 公社は小西容疑者に報告書を出させるのではなく、自ら報告書を捏造(ねつぞう)する道を選んだ。「毎年、数字が同じではまずいので、少しずつ変えた」(公社OB)。

 飛鳥会の印鑑を預けられていた飛鳥人権文化センターの歴代館長は、市職員であるにもかかわらず、「小西容疑者の秘書役を務めていた」(市OB)という。

 市議会で繰り返し、委託契約の不透明さを指摘された後、市は91年に独自に駐車場の利用実態を調査した。その結果、駐車場の年間収入は報告の約3倍の2億円にのぼることがわかった。

 しかし、市側は利益配分金の引き上げ交渉に及び腰だった。適正額を年約8千万円と見積もりながら、市と公社の協議の場で「そんな金額を提示したら小西さんに怒られる」との声が出ると、金額を伏せてしまった。「公社がそれまで数字を捏造していたことがばれるのが怖かった」(公社幹部)ともいう。

 02年3月の地域改善対策財政特別措置法(地対財特法)の失効で、国の同和対策が打ち切られた後も、小西容疑者への「特別扱い」は続いた。

 04年暮れの契約更新。公社幹部は「今年も前年通りですが、監査や議会の指摘もある。いつまでもこういう形態では……」と切り出したが、小西容疑者が何も答えないと、後は雑談となった。

 「交渉にもならなかった」と同席した市職員。別の市職員は振り返る。「市も公社も、おかしいと気づいていた。しかし、ゆがみを直そうというモチベーションも力もなかった」

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