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殺されてたまるか 余裕・ゆとりのない社会

自殺者:8年連続で3万人超 

「格差社会の影響」か


 国内の自殺者が8年連続で3万人を超えそうだ。自殺者は、国が自殺対策の参考としている警察庁の調べで、98年から04年まで7年連続で3万人以上を記録。05年は「自殺」の定義を警察庁より限定的にしている厚生労働省に、昨年11月までに前年比で423人多い2万8240人の報告があったことが判明。このため、厚労省より例年1000~2000人多くなる警察庁の統計では3万人を超すのはほぼ確実になった。「自殺数の増大は『格差社会の影響』」との専門家の指摘もあり、国の自殺対策が改めて問われそうだ。

 警察庁は総人口(外国人も含む)を対象にし、遺体発見時に自殺、他殺、事故死などが不明でも、その後の調査で、自殺と判明した場合は計上。一方、厚労省は死亡診断書で自殺とされたケースに限定し対象も国内の日本人だけ。その結果、04年の自殺者は警察庁が3万2325人、厚労省は3万247人で約2000人少なかった。

 政府は昨年12月、自殺予防の総合対策を発表。しかし、対策には法的根拠がないため、実体のない掛け声だけで終わりかねないとして、NPO法人が「自殺対策基本法」(仮称)制定に向けて、署名活動を始めている。

 野田正彰・関西学院大教授(精神医学)は「自殺者の増大は格差社会の影響が大きい。勝ち組は弱者へのいたわりがなくなり、負け組とされる人たちは挫折感を強く感じさせられている。競争に勝つため、子どものころから相手に弱点を見せられず、本音が話せなくなり、人と人とのつながりが薄れている」と話している。


毎日新聞 2006年5月10日

いのちの電話

:自殺相談最多4万5600件 30代が3割


 全国各地の「いのちの電話」が受けた自殺の相談電話が05年に4万5600件に達し、過去最多になったことが「日本いのちの電話連盟」(東京都千代田区)のまとめで分かった。90年当初まで20代が最も多かった自殺に関する相談は、30代が3割に達し、若年層と中年層のはざまで不安に追い詰められる姿が浮かんだ。同連盟は、若年層の相談の受け皿を拡充するため、来年にも一部地域でメール相談の窓口を設ける。

 35年前に東京で始まり、各地に広がったいのちの電話は、91年に35カ所、01年に現在の41都道府県49カ所に拡大。東京など23カ所は年中無休・24時間体制で相談を受ける。

 05年の相談総件数は71万3567件。うち、自ら「死にたい」「これから死ぬ」と言ったり、睡眠薬の大量服用後の電話など、自殺の意思やおそれを明らかにした相談は4万5600件(男性1万9244件、女性2万6356件)だった。現在の形で全国統計を取り始めた91年は9909件。以後増え続け、01年は3万1799件だった。

 年代別では30代(29.1%)が最も多く、▽20代(21.6%)▽40代(21.0%)と続く。91年は20代(31.8%)▽30代(23.4%)▽40代(14.6%)で、「30代」と「40代」の増加が目立っている。

 同連盟によると、年間自殺者が3万人を超えた98年前後から中高年男性の訴えが増えており、斎藤友紀雄常務理事は「定職に就きにくく生き方を確立しづらい若年層が30代まで拡大。また、職場や社会で不安を抱える中高年層が多いともいえる。対人関係などから仕事でつまずいた人が追い詰められている」と分析する。

 また同連盟は、電話で直接相手とやりとりができない20代向けに、来年度にも東京と千葉でメールでの相談窓口を開く方針。「ネットいのちの電話」などの名称で、相談員が返信する形を検討している。

 ◇言葉の絆を!

 1本の電話が、水際で「いのち」をつなぎとめることがある。

   ◆

 「もう死にます。酒と一緒に薬を飲んだ」

 年中無休で全国からの相談にこたえるNPO法人「東京自殺防止センター」(東京都新宿区)。昨年10月の夜、センター創設者の西原由記子前代表は、30代後半の男性会社員の電話を受けた。ずっと働きづめだった男性は「職場で足をすくわれた」と話す。声がもうろうとしていた。

 精いっぱい生きてきた。誇りもある。そう話す男性に西原さんは呼びかける。「誇りがあれば生きて」

 「いいんです。生命を絶ちたい」

 「止めようがありませんね。でも、こうして話しているあなたが亡くなれば、私はつらい。最期に話を聞く人間が私なら、亡きがらも何とかしなければならない。どこにいらっしゃるんですか」

 住所を聞き出すとすぐに西原さんは別のスタッフと車に乗り込んだ。高速道路を使い、約3時間。目的の一軒家に到着したが、呼び鈴に応答はなく、開いていた1階の窓から中に入った。居間の床で男性が普段着のまま寝ていた。脈はあった。ホッとして西原さんはメモを残して引き揚げた。明け方、センターに戻ってほどなく、「来てくれたんですね」。男性から電話が入った。

 年に3回はこんな切迫した場合もある。駆けつけた後、病院に搬送するケースもあった。

 冒頭の男性は後日、「もうあんなことはしない」と事務局に電話を寄せた。西原さんはこう思っている。

 「話を聞く人間は、つたなくても本心からの言葉を伝えるのが大事。絆(きずな)ができたと感じられたら、その人は死ぬことはない」

毎日新聞 2006年5月10日

自殺対策 13道県に協議会
設置未定が6割

 七年連続で自殺者数が三万人を超える中、自治体での総合的な自殺対策を進めるため、行政機関や民間団体でつくる自殺対策連絡協議会(仮称)を既に設置しているのは六十二の都道府県・政令指定都市のうち十三道県で、設置予定を含めても二十三道府県・市にとどまっていることが六日、共同通信の調査で分かった。

 昨年十二月、政府が総合対策を策定した後、自治体の対策状況が明らかになったのは初めて。ほとんどの自治体が何らかの自殺対策を実施していたが、地域によって取り組みに大きな差があったほか、独自の実態調査や遺族支援にまで踏み込んでいる所はほとんどなく、今後の課題も浮かび上がった。

 同協議会の設置は、政府の総合対策と三月末の厚生労働省通知の中で、自殺対策の柱の一つとして、自治体に求めた。警察や医療機関、大学、労働局など公的機関のほか、報道機関や自殺関連自助グループなど民間団体と連携したネットワーク組織で、自治体が対策を進めるための要とされている。

 調査によると、対策協議会の設置は十三、設置予定は十府県・市。残り三十九の自治体のうち「検討中」と答えたのは六県・市、「今後検討」「今後の検討課題」「他の自治体を見て」など様子見の所が二十三都府県・市に上った。設置していない理由や今後の方針についての無回答が十県・市だった。

 自殺死亡率が全国一位(二〇〇四年の人口動態統計)の秋田県は協議会を設置。民間の相談機関や保健所などで自殺未遂者や遺族ら向けの相談ネットワークを立ち上げ、相談員のレベルアップのため、独自の研修も実施している。

 自殺死亡率が二位の青森県は、〇四年に小規模の事業所と中高年を対象にストレス度やメンタル対策などの実態を調査。本年度は、遺族対象の冊子を作り、支援のきっかけにする。

 一方、五十五の自治体が何らかの自殺予防対策を実施(予定も含む)と回答したが、自殺の現状や防止を呼び掛ける講演会、冊子配布など普及啓発活動が大半。対策のための独自の実態調査や繰り返し自殺を図る未遂者、遺族への対策など緊急とされる課題に踏み込んでいる自治体はほとんどなかった。

対策法の制定求め街頭署名 

 年間の自殺者が7年連続で3万人を超える中、国全体で自殺予防対策を推進するため、特定非営利活動法人(NPO法人)や遺族らが自殺対策基本法(仮称)の制定を求めて、13日に京都や福岡など7カ所で街頭署名を実施する。

 政府は昨年末に初めて総合対策をまとめたが、対策を進める根拠となる法律はなく「掛け声倒れになりかねない」として、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京)が署名を呼び掛け、全国の遺族団体や著名人らが協力することになった。

自殺対策
協議会設置は13道県
全国62の自治体に調査
埼玉は検討中

 
 七年連続で自殺者数が三万人を超える中、自治体での総合的な自殺対策を進めるため、行政機関や民間団体でつくる自殺対策連絡協議会(仮称)を既に設置しているのは六十二の都道府県・政令指定都市のうち十三道県で、設置予定を含めても二十三道府県・市にとどまっていることが六日、共同通信の調査で分かった。

 昨年十二月、政府が総合対策を策定した後、自治体の対策状況が明らかになったのは初めて。ほとんどの自治体が何らかの自殺対策を実施していたが、地域によって取り組みに大きな差があったほか、独自の実態調査や遺族支援にまで踏み込んでいる所はほとんどなく、今後の課題も浮かび上がった。

 同協議会の設置は、政府の総合対策と三月末の厚生労働省通知の中で、自殺対策の柱の一つとして、自治体に求めた。警察や医療機関、大学、労働局など公的機関のほか、報道機関や自殺関連自助グループなど民間団体と連携したネットワーク組織で、自治体が対策を進めるための要とされている。

 調査によると、対策協議会の設置は十三、設置予定は十府県・市。残り三十九の自治体のうち「検討中」と答えたのは六県・市、「今後検討」「今後の検討課題」「他の自治体を見て」など様子見の所が二十三都府県・市に上った。設置していない理由や今後の方針についての無回答が十県・市だった。埼玉県は検討中、政令市のさいたま市は設置予定。

 自殺死亡率が全国一位(二〇〇四年の人口動態統計)の秋田県は協議会を設置。民間の相談機関や保健所などで自殺未遂者や遺族ら向けの相談ネットワークを立ち上げ、相談員のレベルアップのため、独自の研修も実施している。

 自殺死亡率が二位の青森県は、〇四年に小規模の事業所と中高年を対象にストレス度やメンタル対策などの実態を調査。本年度は、遺族対象の冊子を作り、支援のきっかけにする。

 一方、五十五の自治体が何らかの自殺予防対策を実施(予定も含む)と回答したが、自殺の現状や防止を呼び掛ける講演会、冊子配布など普及啓発活動が大半。対策のための独自の実態調査や繰り返し自殺を図る未遂者、遺族への対策など緊急とされる課題に踏み込んでいる自治体はほとんどなかった。

対策の課題浮き彫り
 自殺対策に詳しい国立精神・神経センター精神保健研究所の竹島正精神保健計画部長の話 自殺の実態把握や遺族ケア、民間団体への支援が弱点として浮き彫りになった。逆に取り組みの余地がある課題が明確になったともいえる。自殺の実態を解明するための調査分析では、遺族や民間団体の協力が不可欠。その上で実態把握と遺族ケアや民間団体支援を関連させながら対策を進めることが重要だ。自治体では対策の窓口が整備されつつあり、取り組まなければならないという機運は出てきている。進め方やどんな対策を実行すればいいのか戸惑いがあり、きっかけ次第で二〇〇六年が自殺予防元年となり、対策が大きく展開される可能性もある。

自治体の自殺対策 本当の「予防元年」にしたい

 自殺者数は一九九八年以降七年連続で三万人を超え、依然として大きな社会問題である。自治体の予防対策が重要と指摘されているが、実態はまだまだ不十分のようだ。
 政府は昨年末、今後十年間で自殺者数を九七年以前の二万五千人以下に抑える目標を掲げ、総合的な対策に取り組んでいくことを決めた。その柱の一つが都道府県と民間でつくる自殺対策連絡協議会(仮称)だ。公的機関や民間の団体と連携したネットワーク組織である。
 自殺は原因や背景がさまざまで、いろんな機関や団体の連携が欠かせない。民間のボランティア活動にも限界がある。行政を核にしたネットワークは大きな効果を発揮するはずだ。
 ただ、現実は掛け声に追いついていない。共同通信の調査によると、協議会をすでに設置したのは六十二の都道府県・政令指定都市のうち十三道県。設置予定を含めても二十三道府県・市と半分以下だ。
 多くの自治体が何らかの対策を実施または予定していると回答したが、大半は啓発活動だ。独自の実態調査、自殺未遂者や遺族へのケアなど踏み込んだ対策を取っている自治体はほとんどない。深刻な現実の割には取り組みが遅れている。
 厚生労働省は三月、予防対策の取り組み強化を求める通知を出し、協議会を二年以内に設置するよう求めた。未設置の自治体は準備を急ぐべきだ。
 本県も未設置で、積極的に取り組んでほしい。予防対策としては県精神保健福祉センターの「心のダイヤル」で電話相談を受け付け、各保健所で各種相談に応じているが、今後はさらに踏み込んだ対策にも力を入れていく必要がある。
 二〇〇四年の人口動態統計によると、本県の人口十万人当たりの自殺率は二三・八だった。全国平均の二四・〇とほぼ同じだが、毎年三百人を超える人が自殺している。手をこまねいてはおれない状況だ。
 専門家は「自殺は予防できる」とし、心の病の早期発見と早期治療、相談体制の充実などの重要性を指摘している。
 十年連続で自殺率全国最悪の秋田県は、「悩みは地域で受け止める」と行政や住民が連携して対策に取り組み、改善の兆しが見えてきた。町ホールに一杯百円のコーヒーサロンを開設したら、十七年ぶりに自殺者ゼロになった町もあった。触れ合いの場ができて悩みが軽減されたのだろう。小さな工夫で大きな効果が上がる好例だ。
 フィンランドは八〇年代から自殺の背景解明と地域での予防対策に国を挙げて取り組み、自殺者を大幅に減らした。こうした事例を参考に、国や自治体の取り組みを強めたい。
 政府が本格的に対策に乗り出した今年は「自殺予防元年」といわれる。これを掛け声だけに終わらせてはならない。
 民間団体からは、国や自治体に自殺予防対策を義務付ける基本法の制定を求める声も出始めた。真剣な取り組みを促すために、検討すべき課題だろう。 

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200605095317.html

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