刑事告発問題ではないか
■「芦原病院への130億円 大阪市の内部資料が示す『不透明な融資』」 2006/04/10 放送MBS
同和対策事業のひとつとして、長年、大阪市から巨額の補助金と融資を受けて破たんした民間病院の芦原病院。
VOICEは、補助金を不正に受けとっていた疑惑を、以前放送した。
その後の取材で、130億円の巨額融資も、実に不透明な形で行われていた実態が明らかになった。
2,000ページに及ぶ市の内部資料が、それを物語る。
かつての同和地区医療センターだった芦原病院。
この民間病院に、大阪市は「地域医療の確保」を名目に、180億円を超える補助金を投じてきた。
だが、その一部は、医療機器購入の架空・水増しという手口で、不正に支払われていた疑惑が浮かび上がった。
(Q.補助金は正しく使われているのですか?)
「一切のこのことについて、全て調査委員会で説明をします」
しかも補助金は、領収書すら確認しないというズサンな手続きのもとで支払われていた。
(Q.見積書や領収書も一切、確認していないのか?)
「あのー…おっしゃる通りです」
芦原病院への不透明な公金投入は、これだけではない。
我々は、2,000枚を超える大阪市の内部資料を手に入れた。
これらの文書は、1980年以降に行われた芦原病院への融資の起案書、つまりは稟議書である。
市はこれまで、病院に130億円の無担保融資を行ってきたが、中でも我々は、93回にわたり77億円が貸付けられた「特別貸付金」に注目した。
関市長が担当局長として、決裁印を押しているものもある。
この特別貸付金、実は長年、予算書にすら計上されないヤミ融資だった。
「市当局を追及したところ、特別貸付金という、予算に計上していない貸付が発覚した。それまでは、議会に知らされないまま20年以上続けられていたことになる。表に出さないで『税金の横流し』をやってきたわけやから、ヤミ融資といわれてもしょうがない」
事実、市の担当者は「病院が赤字のために、やむを得ず特別貸付金という形で措置しており、予算化はしておりません」と議会で答弁し、ヤミ融資を認めた。
関市長が局長時代に決裁した16億円も、全てがヤミ融資で、市長自身もその責任を認めている。
「芦原病院の問題などの責任については、これをたいへん重く感じております」
さらに、芦原病院への融資を調べていくと、新たな疑惑が浮かび上がった。
病院側が金融機関から融資を受ける際、大阪市が事実上の債務保証をしていたというものだ。
疑惑の根拠となったのが、「借入金返済確認書」と書かれた文書。
去年6月、大阪市の担当局長名で、ある民間銀行の支店長に宛てたものだ。
【確認書の文面】
「芦原病院の今回の借入金につきましては、平成18年4月28日までに、本市が責任をもって返済させますので、何卒ご理解をいただき、引き続きご支援をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます」
大阪市が、病院の借金返済を約束するようなこの文書は、去年、病院が銀行から2億円の融資を受ける際に出されたもので、市は同様の文書を、相当以前から、ほぼ毎年、銀行に提出していたという。
〈大阪市健康福祉局・柊武男課長〉
「(大阪市が)指導・監督をしながら、病院に借入金を返済できるように努力させるという趣旨で、債務保証ではない」
〈阪市健康福祉局・柊武男課長〉
(Q.この文面でそんな説明が通ると思いますか?)
「私のこの立場では、そうとしか答えられない」
法律では、地方自治体が、会社や法人の債務について保証契約することを禁じている。
問題の文書は、違法な債務保証だとして、3月27日の大阪市議会で追及された。
〈議員〉
「まさに、法律で禁止された債務保証ではないか?」
〈大阪市〉
「あくまで金融機関に協力を求めた文書で、債務保証ではない」
あくまでも市は「債務保証ではない」と釈明するが、93回に及ぶ特別貸付の起案書をみると、うち15回分、30億円あまりが「病院が金融機関へ返済する資金が不足している」との理由で融資が行われていた。
〈議員〉
「本市が責任をもって返済させますどころか、大阪市が責任をもって返済しているんですよ。これ以上の債務保証はない!」
〈関淳一市長〉
「繰り返しの答弁になりますが、我々はいわゆる金融機関への協力要請という風に考えています」
市の情報公開プロジェクトの委員を務める公認会計士も、「事実上の債務保証だ」と指摘し、さらに、数十年間にわたって貸し付けられ、1円も回収されていない融資自体が問題だと指摘する。
〈大阪市情報公開プロジェクト・松山治幸公認会計士〉
「貸し付けの回収の具体的な可能性を見極めた上で、貸し付けするのが当然。そうでなければ、明らかな不法行為であると思っています」
芦原病院問題の責任を取って、いったんは辞職した関市長。
しかし、全てのウミを出し切らない限り、真の信頼回復はありえない。
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