違法・有害と情報管理が強化へ
ネット有害情報に通報窓口=ホットライン、6月設置
-民間主体で公費負担・警察庁
警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」(委員長・前田雅英首都大学東京都市教養学部長)は30日、インターネット上の違法・有害情報に関する通報を受け付け、警察やプロバイダーなどに通知する「ホットライン」の設置を求める報告書をまとめた。
同庁は報告書に基づき、ホットラインを設置、6月の運用開始を目指す。運営は民間主体とし、弁護士や技術者ら5人程度で構成。運営費は原則、公費負担とする。
(時事通信) - 3月30日
http://www.npa.go.jp/cyber/index.html
総合セキュリティ対策会議(平成17年度)の概要
http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h17/gaiyou.htm
経緯
情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保するためには、産業界等との連携が不可欠であることから、平成13年度に「情報セキュリティ対策会議」を設置し、有識者等により、情報セキュリティに関する産業界等と政府機関との連携の在り方、特に警察との連携の在り方について検討を行ってきている。
13年度は連携の在り方の全体像を議論し、14年度は「ハイテク犯罪等に係る被害状況の調査」を基に情報セキュリティ対策の実態把握に努め、15年度は「官民における情報セキュリティ関連情報の共有の在り方」について、16年度は「インターネットの一般利用者の保護及び知的財産権侵害に関する官民連携の在り方」について検討した。
本年度の予定
(1)
テーマ
本年度は、「インターネット上の違法(有害)情報への対応における官民の連携の在り方」について検討する。
(2)
趣旨
インターネット上には違法(有害)な情報が数多く流通しており、インターネットの利用に起因して数多くの犯罪や犯罪被害が生じている。
平成16年中のサイバー犯罪の検挙件数は、前年比13%増加の2,081件であり、平成12年に比べると約2倍以上の増加となっている。また、サイバー犯罪等に関する相談受理件数は前年比約1.7倍の70,614件であり、5年間で約6倍以上に急増している。
このような状況に対し、違法情報については警察による取締りを強化することとしているが、有害情報については、原則として警察の捜査権が及ばないため、ISPによる自主的な対応が求められているところである。また、違法・有害情報への効果的な対応という観点から、英国のIWF(Internet Watch Foundation)の例のように、違法(有害)情報等に関して利用者からの苦情や相談を受け付ける「ホットライン」活動が重要な役割を果たしていくものと考えられる。
(3)
具体的検討事項
・ 「ホットライン」活動の推進
(4)
進め方
4回程度(第1回:7月、第2回:10月(11月)、第3回:12月、第4回:3月(目安))会議を開催する。
検討の進捗状況に応じ、2回程度(2月、3月)小委員会を開催する。
(5)
成果物
会議における議論等を基に、報告書としてとりまとめるとともに、これを踏まえた広報啓発を実施する。また、会議結果は、随時当庁のホームページに掲載する。
第3章 インターネット上の「ホットライン」の必要性及びその運営の在り方に関する提言
http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h17/image/pdf17a.pdf
現在、インターネット上には児童ポルノ、薬物等禁制品の密売に関する情報等の違法情報や直ちに違法とは評価されないものの自殺サイトや爆弾の製造方法、殺人等の違法行為の請負等に関する情報などの有害情報が氾濫している状況にある。とりわけ、平成17年においては、山口県光市の高校生による爆弾製造・爆破事件(6月)や大阪府において発生したいわゆる自殺サイトを利用した連続殺人事件(8月)等インターネット上で流通する情報が犯罪行為に利用されるなど、インターネット上の違法・有害情報が大きな社会問題となったところである。
本会議においては、インターネット上に氾濫する違法・有害情報への対応における官民連携の一つの方策として、すでに諸外国において運用され、一定の成果を上げているインターネット上の「ホットライン」活動を取り上げ、その必要性及び運営の在り方について検討を行った。
インターネット上の違法・有害情報対策を効果的かつ効率的に推進していくためには、表現の自由等の基本的人権と公共の福祉とのバランスを考慮してインターネット利用者がインターネット利用時に発見した違法・有害情報を通報するための仕組みを整備することが重要である。具体的には、通報を受けて、一定の基準に基づいて違法・有害情報に該当するものを選別した上で、違法情報については警察への通報及びプロバイダや電子掲示板の管理者等への削除依頼等を実施するとともに、有害情報についてはプロバイダや電子掲示板の管理者等に契約約款等に基づく削除等の措置を依頼するインターネット上の「ホットライン」を導入することが必要である。
「ホットライン」実施主体には、様々な情報について通報が寄せられることが予想されるところであるが、人権侵害、知的財産権侵害等に係る通報等他の機関・団体において処理することが適当なものについては、専門的な対応を行っている関係機関・団体に対して情報提供することとする。例えば、名誉毀損、プライバシー侵害情報については法務省人権擁護局に、知的財産権侵害情報については各権利者団体等に情報提供することが望ましい。
「ホットライン」実施主体においては、受け付けた違法情報について違法情報該
当性の判断を行った後、違法情報に該当するものについては、一定の手続に従って、警察への通報を行い、併せて一定期間経過後にプロバイダや電子掲示板の管理者等に対する削除依頼を行う。ただし、違法情報の中でも殺害予告、爆破予告等の情報については、プロバイダや電子掲示板の管理者等に削除依頼を行うことによって解決される問題ではなく、むしろ警察の対応が積極的に求められる性質のものであることから、原則的にプロバイダや電子掲示板の管理者等への削除依頼は行わないこととする。
ア 有害情報への対応
「ホットライン」実施主体においては、受け付けた情報が有害情報、具体的には、
○ 違法行為を直接的かつ明示的に請負、仲介、誘引等する情報
○ 違法情報該当性が明らかであると判断することは困難であるが、その疑い
が相当程度認められる情報
○ 人を自殺に誘引・勧誘する情報
等に該当するか否かの判断を行った後、「ホットライン」実施主体からプロバイダや電子掲示板の管理者等に対して契約約款等に基づく削除等の措置を依頼することとする。
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