« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »

2006年4月に作成された記事

助け合う社会の危機 生存に関わる

秋田市職員、生活保護夫妻に「暴言」
2006年04月27日

http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000604270001

  生活保護を受けている秋田市の夫婦が妊娠したことを市保護課で相談した際、担当者が「一般家庭でも簡単に子どもを産めない」「すべて税金で何とかして下さいというのはおかしい話だ」などと告げていたことが分かった。市民団体は25日、「人権侵害にあたる」と抗議した。市はこのやり取りがあったことを認めている。

 夫婦は長女(2)と3人暮らし。夫(28)は「うつ状態で半年ぐらいの完全休養が必要」と医師に診断され、この1月から生活保護を受けている。

 夫婦によると、今月14日、妻(43)の妊娠を知った夫が同課を訪ねると、「産みます、はいそうですね、というわけにはいかない」「出産を望み、何でもかんでも面倒をみてもらえるならば、みんな生活保護を受けたいと思いますよ」などと言われた。さらに、「(絶縁状態の親類に出産の援助要請を)土下座してでも考えていかないといけないですよ」と責められたという。

 市民団体「秋田生活と健康を守る会」とともに抗議した夫婦は「生活保護を受けていたら子どもを産んではいけないのか。おなかに宿った命を守りたいが、今は担当者に会うのも怖い」と話している。

 同課は「出産は自由。行き違いがあったみたいなので状況を調べたい」としている。

|

解同対策としか いいようがない

http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/32889.html 

芦原病院補助金流用、市の自作自演が浮き彫り

──精算報告書、3年間同額6600万円(4月28日)  

  民間医療機関「芦原病院」補助金の不正流用問題で、28日に公表された大阪市の調査委員会の報告書は、補助金の交付手続きなどについて、病院側でなく支給する市側が行っていた“自作自演”の実態を明らかにした。巨額の公金流用を許した諸手続きのあまりのずさんさに「なぜチェック機能が働かなかったのか」など、徹底究明を求める声が強まっている。

 「細径ファイバースコープ、400万円」「大腸ビデオスコープ、300万円」。日本経済新聞が情報公開請求で入手した芦原病院の備品に関する補助金精算報告書には、医療機材名購入金額以外にも、メーカー名、型番が詳細に列記されていた。ただ2002年度からの3年間でいずれも精算金額が合計6600万円となっている。  購入記録を示す同病院の総勘定元帳では、精算報告書に記載された備品を実際に購入した記録はゼロ。購入総額も、受け取った補助金よりも大幅に少なかったという。

 建物補修の補助金交付申請書をみると、03年度3回、04年度は2回補助金を申請しているが、両年度とも合計金額は9700万円。精算報告書上では、ここでも1円の端数も出ずに使い切っており、極めて不自然な状況が浮き彫りになった。

|

あまりにもズサン。芦原病院問題

芦原病院の補助金問題 4億8900万円不正流用
 ◆大阪市職員が書類ねつ造…市調査委員会


http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20060428p102.htm

 大阪市から130億円の無担保融資を受けながら経営破たんした民間の「芦原病院」(浪速区、民事再生手続き中)に対する市の補助金不正支出問題で、2002~04年度の改修工事、医療機器購入の補助金計4億8900万円全額が運転資金などに不正流用され、関係書類を市の担当課長らが、ねつ造していたことが、調査委員会(委員長=伊多波良雄・同志社大教授)の調べで28日、わかった。関淳一市長は、環境保健局長、助役時代に補助金支出や無担保融資に関与しており、市は市長ら関係者を処分する方針。

 ◆関市長ら処分へ

 調査結果によると、病院側は3年間で、改修工事費計2億9100万円を受給したが、申請と異なる工事に7230万円のみを支出。医療機器購入費計1億9800万円も、このうち9825万円を申請していない備品購入や工事費などに充てただけだった。補助金総額から、これらの使用分を差し引いた3億1844万円は、借金返済などの運営費に回されたという。

 また、市職員が毎月、病院の予算会議に出席し、病院側に代わり、架空の申請書類や精算報告書を作成。補助金は実績に応じて支給する規定だが、毎年、改修工事は9700万円、医療機器購入は6600万円で、上限額ちょうどだった。

 市健康福祉局は、不正流用が局長級も含めて組織的に行われていたことを認めたうえで「病院の資金繰りが厳しいので、補助金を使ってもらった。私的な流用はない」と釈明している。

 同病院は1963年に開業。市は同和地区医療センターと位置付け、68~05年度に計190億円の補助金を支出。調査委は、不正が始まった時期や詳しい使途などについて「権限がなく、解明できなかった」として補助金の調査を打ち切った。

 一方、関市長は同日、市監査委員に特別監査を求めた。関係書類の保存年限から、監査対象は過去5年分になる見通し。

 同病院は昨年12月、民事再生法の適用を申請、今年4月、運営主体の浪速医療生活協同組合が医療法人「弘道会」に営業譲渡した。乃美幸彦事務長は「資金調達を市に委ねてきた。厳しく過去を受け止め、今後も地域医療を守っていきたい」と話している。

 関淳一市長の話「書類の処理まで把握していたわけではないが、(不正流用を)知らないとは言えない立場で、責任は免れない」

(2006年04月28日  読売新聞)

|

前のめりに、悪法が。

2006年4月27日(木)「しんぶん赤旗」

共謀罪新設
仁比参院議員に聞く
警察判断で乱用 人権侵害の危険

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-27/2006042704_01_0.html
----------------------------------
 
 政府・与党は、4月21日の衆院法務委員会で、野党の厳しい抗議の中、共謀罪関連法案の趣旨説明を強行しました。さらに25日、国会審議の合意は全くないまま、与党のみの質疑を強行し、連休前28日の採決を公言しています。日本共産党の仁比聡平参院議員(法務委員)に「共謀罪」について聞きました。

----------------------------------

 残念ながら議席数の関係上、衆院法務委員会にわが党の委員はいませんが、民主党・社民党と一致点で共同し、急速に広がる市民、民主団体、学会や法曹界などの反対世論と力を合わせて、国会内外で廃案をめざしてたたかい抜きます。

話し合うだけで
 「共謀罪」ときくと、よほど凶暴で重大な犯罪かと連想しがちですが、全くそうではありません。大切な家族の命を奪われた人が「犯人を殺してやりたい」といい、会社の同僚が「気持ちはわかるよ」と応じたら、あるいは環境破壊に憤る市民が実力阻止を辞さない決意で集会を計画したら、それだけで逮捕して処罰すべきでしょうか。

 いまは、犯罪の結果、被害が生じたときに処罰するのが大原則で、犯罪の実行行為がなければ罪にはなりません。実行行為がなされても被害が生じなかった未遂を処罰するのは一部に限られています。まして、実行には至らない物的準備行為(予備)の処罰はごくわずかであり、陰謀など意思の合致のみを処罰する罪は、数えるほどしかありません。

 ところが「共謀罪」の対象となる罪は、法案でも六百十九に達するきわめて広範なものであり、その共謀の名の下に平穏な市民生活の多くが、一気にすべて処罰対象とされることになります。

 言葉ではなく目配せでも、警察が「犯罪意思が通じ合った」と決めつければ「共謀罪」。勢い、内心に立ち入って自白の強要や密告の奨励、スパイや盗聴など、無法な捜査がまかり通ることになります。市民の自由と基本的人権の侵害、委縮作用は計り知れません。

 憲法の下、民主主義の刑法の大原則は、罪刑法定主義です。あらかじめ国民に何が罪であるかを明示し、違反すればどのような罰を受けるかを法律で明確に定めなければなりません。処罰の対象は、害悪をもたらす現実の行為であり、いかなる思想、信条、内心であろうと、それ自体を処罰してはなりません。刑法の人権保障機能と言われるゆえんです。

民主主義を否定
 ところが政府は、「共謀それ自体を罰する必要がある」といいます。憲法と民主主義を否定するものにほかなりません。

 与党は修正案なるものを提出しています。そこでは、処罰条件として、「犯罪の実行に資する行為」を加えるといいます。しかし、犯罪の「準備」(予備)にもならない広範な行為をすべて対象とするもので何の限定にもなりません。そればかりか、口実としてきた「テロ対策」に不可欠なはずの「国際的な犯罪」の限定もありません。団体の「共同の目的が犯罪を実行することにある団体に関わるものに限る」といいますが、その判断は警察の主観的判断で際限なく乱用されることになります。

 共謀罪新設関連法案は、断固、廃案しかありません。

-----------------------------------

2006年4月28日(金)「しんぶん赤旗」

教育基本法改悪
今国会成立へ
文教族総がかり

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-28/2006042802_04_0.html
---------------------------------- 

 自民、公明両党が教育基本法改悪案を了承したのを受け、政府は二十八日の閣議で同案を決定し、国会に提出しようとしています。与党は六月十八日までの会期内成立に向けた動きを強めています。

-----------------------------------

●特別委狙う
 「大型連休明けには、国民の前で深い議論を展開することになる。衆院では特別委員会を設置し審議を行いたい」。公明党の東順治国対委員長は二十五日の代議士会でこう述べました。毎日でも審議できる特別委員会という舞台を連休明けにも設置し、五月の半ばから実質審議に入るというのが、与党の描く当面の日程です。

 自民党は特別委員会の委員長に、森山真弓元文相をすえる方針。教育勅語の“復活”を主張し、教育基本法の改悪を主導してきた森喜朗前首相が委員に名乗りをあげるなど、自民党の文教族が総がかりで、今国会成立に執念を見せています。

 改悪案づくりをすすめてきた「与党・教育基本法改正に関する検討会」のメンバーの一人は、「検討会では三年間、一言一句濃密な議論をしてきた。もう決着させなければ」と、早期成立を当然視します。

●密室で議論
 しかし、検討会はマスコミにも一切非公開。議案書は毎回すべて回収し、検討会メンバーすら「あとで自分で勉強しようにもできない」とぼやくほど、徹底した情報管理と“密室”審議が行われました。「一つひとつ議論の中身が外に出て行くと、ハチの巣をつついたような騒ぎになって望ましくない」(馳浩文科副大臣)からだというのがその理由です。教育という国民的課題にかかわる重要法案を、一部の政治家と役人でつくりあげることにはまったく道理がなく、国民の批判を浴びるのは必至です。前出の検討会メンバーも「今後、国会で活発な議論をすればよい」と弁明せざるをえませんでした。

 議論のカヤの外に置かれてきたのは、与党議員も同じです。改憲右派団体の日本会議と連携する国会議員らの中には、「公明党に妥協しすぎだ」などの不満の声が依然くすぶっています。

 しかし、森前首相は「教育基本法をしっかりやってこそ小泉改革は立派に成功したとなる」(二十二日)と述べるなど今国会での成立を再三強調し、党内の不満をなだめにかかっています。

 教育基本法の改悪は「自民党結党以来の悲願」(安倍晋三官房長官、二十五日)。「この機会を逸すると、基本法改正は二度とできない」(二十日、町村信孝元文科相)という政治判断が働いています。

|

腐敗を生み出し助長したは誰か

2006年4月25日(火)「しんぶん赤旗」

大阪市長を刑事告発
芦原病院に違法支出
市民ら

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-25/2006042515_02_0.html

-----------------------------------------------------------------

 大阪市が長年にわたって「解同」(部落解放同盟)系の民間病院「芦原病院」(大阪市浪速区)に多額の貸付金と補助金を違法に支出していたとされる問題で、前大阪市議の姫野浄氏とおおさか市民ネットワーク代表の藤永延代氏は二十四日、関淳一大阪市長、磯村隆文前市長、芦原病院を運営する浪速医療生活協同組合の中逵谷守理事長ら五人を背任の疑いで大阪地検特捜部に刑事告発しました。

 大阪市が芦原病院に貸し付けた百三十億円は何の担保もなく、一円も返済されていません。また、補助金百九十億円の一部に、医療機器購入の水増しや架空請求の疑惑が浮かび上がっています。

 告発状によると、関市長らは、返済を受ける見込みのないことが明らかなのに貸付金名目で、二〇〇一年以降九億五千九百万円を提供し、大阪市に損害を与えたとしています。また、医療機器購入の予定も事実もないことを知りながら補助金を二〇〇三年以降一億三千二百万円交付したとしています。

 告発後、記者会見した藤永氏は「市民向けの予算が削られるなか、不当な税金の使われ方に黙っているのは罪だと思って告発した」とのべました。姫野氏は、「芦原病院問題は乱脈同和の典型」と指摘し、「検察庁にお願いしたいのは、一番の責任者を見逃すことのないようにしてほしいことだ」と語りました。

|

鳥取県・条例見直し検討委

人権救済条例見直し検討委員会の開催について 

http://www.pref.tottori.jp/jinken/kentou-18.05.02.html

鳥取県では、「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」の抜本的な見直しを行うため人権救済条例見直し検討委員会を下記のとおり開催します。

  委員会の概要日時   

   平成18年5月2日(火) 

    午前10時00分~午後0時30分


 会場    県民文化会館2階 第2会議室
   (鳥取市尚徳町101-5 電話:0857-21-8700)


 内容   

   「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」

  の抜本的な見直しのための検討 

委員
(氏名・職業等)

相澤直子(アイザワナオコ)
  〔鳥取大学地域学部講師(生存権・地域福祉政策・住民参加等)〕
朝倉香織(アサクラカオリ)
  〔社会福祉士〕
大田原俊輔(オオタワラシュンスケ)
  〔弁護士〕
國歳眞臣(クニトシマオミ)
  〔鳥取大学名誉教授(社会学)〕
田村勲(タムライサオ)
  〔特定非営利活動法人子どもの虐待防止ネットワーク鳥取(CAPTA)理事長〕
長井いずみ(ナガイイズミ)
  〔税理士〕
中村英樹(ナカムラヒデキ)
  〔鳥取大学地域学部講師(憲法・行政法)〕
永山正男(ナガヤママサオ)
  〔鳥取大学地域学部教授(選挙・政治)〕
樋口春子(ヒグチハルコ)
  〔元伯耆町人権教育推進員〕
安田寿朗(ヤスダトシロウ)
  〔弁護士〕

公開    当日は、傍聴席を設けます。
事前申し込みは必要ありませんが、

 会場の都合から50席となります。
問い合せ先 

 総務部人権局人権推進課  電話:0857-26-7590

|

各地の人権連運動

全国地域人権運動総連合

http://homepage3.nifty.com/zjr/kakuchi.htm

2006.04.25
「資料小館」に

「発展的転換と各地の人権連運動」を掲載

|

県の意向を反映した委員選任

知事定例記者会見(2006-04-24) ~抜粋~
平成18年4月24日(月)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

9 人権侵害救済推進及び手続に関する条例の見直しについて

○日本海新聞 荒木隆宏 記者
 人権条例の見直し委員会、懸案だったといいますか、弁護士会の協力が得られまして、今後、見直しがはかられるかと思うんですけども、弁護士会の委員さんに期待されること、さらに早目、速やかな検討をということで議会の方からもたしか付帯意見があったと思うんですけども、いつごろ立ち上げになられるというふうにお考えでしょうか。

●知事
 これは弁護士会の委員さんだけではなくて、ほかの委員さんにも期待をするんですけど、まずは何度も言ってますけれども、鳥取県として、この種の人権救済条例を必要とする事案というか、事実というものがどれほど存在するのか。しかも、それは司法的救済が得られない、得にくいような類型のものがどれほど存在するのかって、まずはそこから見極めていただきたいと思ってます。それがきちっとできれば、あとは、あとの道行はそんなに困難なことじゃないと思ってるんですね。そこが一番重要だと思ってます。

 それから、立ち上げは今、順次委員の候補者の皆さんに接触をしてまして、就任の要請などをしてます。快諾をしていただいてる方ももちろん大勢いますし、それからもう少し、モア・インフォメーションが欲しいと、もう少し情報が欲しいということで検討されている方もおられますけど、そうですね、今月中には固まるんだろうと思います。

 そうしますと、恐らく連休明けぐらいに第1回目ができるかどうか。10数人の委員さんですから日程調整も結構大変だろうとは思うんですけど、できるだけ優先していただいて、万障繰り合わせていただくとして、連休明けぐらいにはできるんじゃないかと思います。ただ、まだ未確定です。

|

確認糾弾会への行政の参加は違法とされた

弓矢人権裁判の名古屋高裁判決一部勝訴について(声明)
          2006年4月21日
  中央人権共闘会議
    全国地域人権運動総連合
   国民融合をめざす部落問題全国会議
 
   3月20日、名古屋高等裁判所で、三重県立松阪商業高校教諭(当時)弓矢伸一氏が、三重県や部落解放同盟(解同)三重県連などに慰謝料を求めた控訴審の判決がだされた。判決は、被告三重県に220万円の支払いを命じた1審津地裁判決を上回る330万円の損害賠償支払いを命じ、県と解同の控訴を棄却するなど、原告一部勝訴の内容である。 
 損害賠償額を引き上げた理由は第1に、被告の同和教育推進教員の「『糾弾を受けてぼろぼろになったらええんじゃ。』という不相応な発言や机を蹴るという暴力的手段」は「一審原告を畏怖させるに足りる脅迫であって、違法な行為といわざるを得ない。」としていること。第2に、弓矢教諭へ強要した反省文「自分をみつめて」の自治会住民への配布について、「その配布は、1審原告の意に反して行なわれた違法な行為」と断じたことである。第3に、「確認・糾弾会」について、「義務のないことを強要し、あるいは脅迫するなどの違法な手段を用いて行なわれる場合にはもちろん違法となる。」「動機や背景事情を超えて内心の差別をする心理に深く立ち入ったり」することなど、としており、内心の自由、プライバシーの権利、名誉権の各権利侵害として認定したことは積極的に評価することができる。
 しかし、高裁判決は大変な事実誤認を侵している点がある。それは第1に、「自治会分離運動」と弓矢教諭の発言を「差別事件、差別発言」であると一審の誤りを踏襲していることである。第2に、「確認・糾弾会」への出席強要が違法であるとして、その前後の行為を「準備行為」や「確認行為」として違法性を認定しながら、その範囲を限定したこと。第3に、県に対する違法性を認定しながら、解同の被告らに対して違法性を認定せず、判断を回避したことである。
 1審津地裁の判決は、「確認・糾弾会」への出席を、法務省通知に違反して命じたこと、同和教育推進教員らが反省文、感想文の作成を強要したことは違法であるとして三重県の賠償責任は認めたものの実行行為者である解同幹部、同和教育推進教員らの責任を免罪したものであり、控訴審でもまた同様の弱点を抱えたものになっている。
 この事件は、原告弓矢教諭の居住地での発言(「お嬢さんの将来にもいいですしね」)が一方的に差別と断定され、執拗に「差別者」としての追及が県行政や解同、同推などによって行われ著しく人権を侵害されたことに端を発している。原告は自らの「差別心」を暴くことを強要され、「反省文ー自分を見つめて」の作成と書き直しを繰り返し求められた。また、その「自分を見つめて」が学校内や居住地に配布されて「差別者」としてさらし者にされた。さらに解同の「確認・糾弾」の対象とされ、その糾弾継続のさなかに弓矢教諭が勤務していた松阪商業高校の校長が自殺に追い込まれるという痛ましい犠牲を生んだ。
 この、原告にたいする執拗で徹底した追及と糾弾は、内心の自由、プライバシー、名誉など人格権にたいするこのうえない侵害として重大であり、これらの行為は、同和教育基本方針と糾弾闘争基本方針とによって、解同、県教委の連携のもとに行われたものであり、原告の名誉は必ず回復されなければならない。
 そもそも一市民の発言を解同という一民間団体が「差別発言」と「認定」し、「確認・糾弾」と称して実質身体を拘束し、精神的苦痛を与えることは法治国家として許されざることである。さらに、たとえ「差別発言」と受けとめられるものであったとしても、その解決の筋道は当事者間の話し合いで理解と納得が得られるように互いに信頼関係を築きつつ合意に至るのが筋であり、原告はその場で「謝罪」し、しかも2度にわたって関係住民への釈明も行い、「問題」は解決をしているのである。これを教師としてあるまじき行為として「事件化」することは、見せしめに動いた関係者の陰謀であり、社会的犯罪と言える。
 これは、1969年の矢田事件以来の解同の暴力的「確認・糾弾」を断罪してきた判決が示す見解であり、旧総務庁の「指針」、法務省「見解」が部落問題解決の障害、啓発に適さないとして批判したものである。一度は、確認・糾弾の恐怖に屈した一市民である原告の言動を根拠に、「違法性を阻却する」ことは許されない。
 これら一審二審の弱点は、判決に示された積極的部分を活用しながら三重県内でのたたかいを中心に克服されなければならない。2004年10月6日から三重県で開催された部落解放研究第38回全国集会で解同三重県連の報告者は、「人権侵害救済条例」の制定運動にかかわって「ペナルティーがあるからシートベルトをするようになったし、飲酒運転もしなくなった。弱い人間は法律で決められないとできないものだ」という趣旨のことを放言している。三重では、このような基本的人権を軽視して憚らない勢力の策動を打ち破り、控訴審の闘いを通して得た財産を生かし、特権的同和・人権行政教育の終結、「確認・糾弾」の社会的一掃、新たな人権侵害を生み出す「人権(救済)条例」の制定を阻止するために「人権共闘会議」結成に向けての準備が進められている。
原告弓矢教諭は、高裁判決の一部勝利の意義を確認しつつ、消極部分について破棄を求め、4月3日最高裁に上告した(同日三重県も上告)。我々は、三重でのたたかいに連帯し、上告審でのたたかいを引き続き支援することを表明するものである。
                         

|

この体制がある限り、鳥取にいかなる「人権条例」も必要ない

鳥取県
差別落書き未然防止運動について

http://www.pref.tottori.jp/jinken/H17sabeturakugaki.html

 差別落書きは、人の心を傷つけるとともに、新たな差別意識を植え付けたり、差別意識を助長するなど、その影響は大きいものがあります。

 そのため鳥取県では、このような差別落書きを根絶するため、差別落書きの未然防止対策についての指針を策定することにより、人権が尊重される社会づくりを目指すこととしています。

差別落書き未然防止指針.pdf

差別落書き対応要領.pdf

差別落書対応フロー.pdf

差別落書き対応要領
1 差別落書き等を発見した場合、通報を受けた場合の対応について
(1)速やかな連絡、又は通報者からの聞き取り
ア 職員が発見した場合
職員が差別落書きと思われるもの(判断し難いものを含む。以下「差別落書き等」という。) を発見した場合、施設管理責任者及び施設所管課 (以下「施設管理責任者等」という。) へ速やかに連絡すること。(例えば、鳥取県立図書館の場合は、施設管理責任者:館長、施設所管課:生涯学習課)
イ 県民等から通報があった場合
(ア)通報者からの聞き取り
県民等から通報を受けた場合は、ていねいに対応し、事象の発生場所や内容を把握するとともに、通報者の氏名、住所、電話番号等を聞き、記録しておくこと。
(イ)速やかな連絡
(ア)により通報者から聞き取りを行った後、速やかに施設管理責任者等へ連絡すること。
(2)現場の保存と記録
次により現場の保存と記録を行うこと。
ア 連絡を受けた施設管理責任者等は、直ちに差別落書き等のある場所に赴き、複数の職員等で現場を保存し、差別落書き等の内容、使用した筆記具、色彩、大きさ等必要と思われる事項を
記録すること。
イ 記録後、関係者の現場確認が終了するまでの間、施錠、張り紙等による遮へい及び使用禁止等必要な措置を講じること。
ウ 現場の写真撮影を行うこと。
(3) 関係機関等への報告及び現場確認の立会依頼
ア 所管部局等の主管課、同和対策課又は人権教育課への報告
施設管理責任者等は、差別落書き等の通報を受けた場合は、(2)により対応するとともに、その状況を速やかに所管部局等の主管課及び総務部同和対策課・教育委員会所管施設の場合は教育委員会人権教育課へ報告すること。
イ 管内市町村への現場確認の立会依頼
施設管理責任者等は、アの報告後、速やかに管内市町村の同和対策主管課又は市町村教育委員会同和教育主管課へ連絡し、現場確認の立会を依頼すること。
ウ 警察署への通報
施設管理責任者等は、イの依頼と併せて、所轄の警察署へ通報し、現場検証等を依頼すること。ただし、学校については、その落書きの内容、状況等を判断の上行うこと。

エ 関係団体への現場確認の立会依頼
施設管理責任者等は、イにより管内市町村へ連絡する場合、市町村同和対策主管課又は市町村教育委員会同和教育主管課に対し、当該市町村内の部落解放同盟市町村協議会へ現場確認の立会を依頼すること。
(4) 関係団体への連絡
同和対策課又は人権教育課は、(3)のアの報告を受けた場合、直ちに部落解放同盟鳥取県連合会等関係団体へ差別落書き等の状況を連絡すること。
(5) 関係者による現場確認及び協議
施設管理責任者等は、施設所管課、部落解放同盟の関係者とともに現場確認を行い、発見或いは通報された差別落書き等が差別落書きであるかどうか判断するとともに、当面の対応を協議する。

(6) 現場の処理
施設又は所管課の職員は、(5)の現場確認の完了後、施設管理責任者等の指示により差別落書きの消去を行い、その後使用禁止措置を解除すること。

|

共謀罪法案は市民活動弾圧法 ふたたび廃案をめざそう

共謀罪創設の法案審議入り、政府・与党成立目指す

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060421i205.htm?from=main2

 テロの未然防止などのための「共謀罪」創設を柱とする組織犯罪処罰法など改正案は、21日の衆院法務委員会で、杉浦法相が趣旨説明を行い審議入りした。与党は修正案を提出した。

 政府・与党は、今国会での成立を目指している。

 共謀罪の創設は、2000年に日本が署名した国際組織犯罪防止条約の批准に向け、国内法を整備することが目的。現状では、テロに協力する容疑者の日本潜伏が判明しても、国内法に抵触しない限り逮捕できないが、共謀罪に問うことで計画段階でも逮捕が可能になる。

 改正案は当初、2003年の通常国会に提出されたが、審議が進まず、廃案や継続審議を繰り返している。

 与党の修正案は、〈1〉共謀罪が適用される団体を、殺人などの重大犯罪を実行する犯罪組織に限定する〈2〉共謀罪が適用される行為を、現場の下見や凶器購入資金の調達といった「犯罪実行のためにする行為」に限定する――というもの。

 民主党も、共謀罪の適用範囲を国際的な犯罪に限定するなどとした修正案をまとめており、早ければ来週にも提出する方針だ。

(2006年4月21日13時9分  読売新聞)

4月21日(金) 共謀罪

江田五月http://www.eda-jp.com/

11時半から、衆議院法務委員会を傍聴しました。参議院先議で衆議院に送付された、窃盗や公務執行妨害の法定刑に罰金を加えるなどの刑法等改正案の質疑で、12時20分ころ、採決されました。ところが引き続いて、法務大臣が共謀罪法案の趣旨説明を行い、さらにこれに対する与党の修正案の趣旨説明まで行われました。これは、与野党合意に基づいておらず、野党は激しく抗議しました。しかし、退席はしていません。

共謀罪法案は、内容に問題が多く、既に2回廃案になっています。さすがの与党も、この内容ではまずいことを認め、修正案を提出せざるを得なかったのです。それなら、野党との意見調整をもっとしっかり行うべきです。それなのに、なぜか法案処理を急ぎ、合意のないまま法案と修正案の趣旨説明を同時に行うという、訳の分からないことを強行しました。共謀罪の危険性を、身をもって示していると言えます。



共謀罪与党修正案についての会長声明

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/060421.html

本日、衆議院法務委員会は、共謀罪導入のための法律案について審議入りし、与党から修正案が提案された。
この修正案は原案に比べれば、一部にその適用範囲をせばめようとする部分はあるものの、この間一貫して当連合会が指摘してきた問題点は解決されていない。

第1にこの修正案は、あくまでも団体の「活動」に着目して限定を加えたものであって、必ずしも、「団体」がどこまで限定されているかは明らかでない。現実に過去に犯罪を遂行してきた事実も要件とされていない。団体の一部の構成員が一定の犯罪の共謀を行ったことのみをもって、団体に犯罪目的ありと解釈される可能性がある。むしろ端的に、文字通りの組織犯罪集団が関与する場合に適用範囲を限定するべきである。

第2にこの修正案においては、共謀に加えて、「犯罪の実行に資する行為」が必要とされている。この概念は、犯罪の準備行為よりもはるかに広い概念であり、犯罪の実行にはさしたる影響力を持たない精神的な応援などもこれに含まれる可能性があり、共謀罪の適用場面において、ほとんど歯止めにならない。少なくとも、犯罪の実行の「準備行為」が行われたことを明確に要件とするべきである。

そもそも、本法案は、もともと下記のような問題点を有しており、この点は修正案でも解消されていない。

第1に、本法案が導入しようとする共謀罪は、犯罪が実際に発生する以前、関係者が犯罪を起こすことを合意したことのみで処罰できるとするものである。刑法では、予備行為を処罰する犯罪でさえ殺人罪等ごく一部に限られていたのであり、本法案は、このような刑法の体系を根本から覆すものである。

第2に、対象犯罪が619にも及び、あまりに広範な内容となっている。現実に組織犯罪集団が行うと予測される犯罪類型に限定して立法することは可能である。

第3に、本法案は、国連越境組織犯罪防止条約に基づいて作られたものであるが、同条約は、国境を越える性質を持った組織犯罪を防止する目的で起草されたものである。条約の批准を一部留保するなどの方法によって、我が国の国内法として、国境を越える犯罪に限って適用する旨を規定することは、条約の趣旨に反するものではない。

第4に、自首した者の罪を減免するという規定が盛り込まれているが、この規定は、一旦共謀に加わった者は、犯罪の実行をやめることを合意してもそれだけでは共謀罪の適用を免れることができず、さらに警察に自首する以外に刑罰を免れる手段がないことを示している。この点は共謀罪の本来的な問題点を如実に示すものであると同時に、共謀を持ちかけた側のみが自首により刑罰を免れることがあり得るという点で、この規定自体にも問題がある。

以上の通り、この修正案がいくつかの点で限定を加えた姿勢については一定の評価はしうるものの、この法案がもともと有している多くの問題点は是正されておらず、当連合会は、この法案には強く反対し、その抜本的見直しを求め、運動を継続・強化していくものである。

2006(平成18)年4月21日

日本弁護士連合会
会長 平山 正剛

|

県民の議論が中心に座るべき

鳥取県人権条例 : 
人権救済条例見直し検討委 県弁護士会が派遣会員決める 

http://www.sanin-chuo.co.jp/tokushu/modules/news/article.php?storyid=580655158
山陰中央新報

 鳥取県弁護士会は19日の常議委員会で、県の「人権救済条例見直し検討委員会」に、会員の安田寿朗(米子市)、大田原俊輔(鳥取市)の両弁護士の派遣を決めた。河本充弘会長と記者会見した大田原弁護士は「廃止も含めて議論できる検討委でなければならないし、期間も1年では無理ではないか」との考えを示した。

 河本会長は「条例の施行を停止し、抜本的見直しをすることは会の要望に沿ったもので、全会一致で派遣を承認した」と報告。二弁護士の選任理由は「人権問題に一番精通している」とした。

 また、「県弁護士会としては2人をバックアップする」とし、10月に鳥取市で開く中国地方弁護士大会は「人権救済制度」をテーマに、県の見直し作業を俎上(そじょう)に載せて「法的な議論を深めたい」とした。

 県人権局が見直し検討委に課すテーマは(1)司法や既存の救済制度以外に県条例で救済する必要性のある人権侵害事実の確認(2)確認した立法事実を基に、救済方法を法的に組み立てる-の2つ。

 大田原弁護士は「条例による救済が適当でないとなると、廃止も視野に入れるべきだ。期間も禁止規定などについて県民の合意を図るには1年では無理」との見解を述べた。

 また、国の人権擁護法案の見直しに取り組んでいる日弁連などとも連携して検討委に臨むという。

 県人権局によると見直し検討委は10人程度で、弁護士以外に有識者や調停委員らで構成。5月に初回会議を開催の予定。

('06/04/21) 

|

対象を絞るなら苦情処理に限定を

人権条例「廃止も視野」 県弁護士会、検討委員2氏決定 日本海新聞 http://www.nnn.co.jp/news/060420/20060420008.html  

  鳥取県弁護士会(河本充弘会長)は十九日、鳥取市東町二丁目の県弁護士会館で常議員会を開き、「県人権侵害救済条例見直し検討委員会」の委員として、大田原俊輔(鳥取市)、安田寿朗(米子市)両弁護士を推薦することを決め、県に回答した。委員の大田原弁護士は条例廃止も視野に入れた見直しが必要との見解を示した。  

 常議員会には弁護士十人が出席。県から要請を受けていた検討委員会への委員の派遣を全員一致で決め、大田原、安田両弁護士の推薦を決定した。  

 会見で河本会長は「人権問題に精通した二人を選んだ。条例の必要性を含めて問題点を検証する」と説明。

 大田原弁護士は「条例の廃止も当然検討しなければならない。困っている人のために早くつくることもある。見直しは一年ではできない。条例の対象を限定することも検討の重要なポイントだ」と語った。    

 県によると、委員会は十三人程度の委員で構成。学識経験者や人権救済の経験者などを中心に残りの委員の人選を固めており、今後就任を要請し、検討委員会を立ち上げる方針だ。

|

公益目的の財政支出ににならない カイドウ支援集会への参加


2006年4月2日

「解同」に要請され高知市部課長が「人権侵害救済法」制定決起集会(東京)に公費参加 デモ行進も 理由は「情報収集」?

http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2006/060402kaido.htm

「解同」から送りつけられてきた参加要請

 7月25日の行動を報じる雑誌「部落解放」2005年9月号 部落解放同盟が執拗に求めている人権侵害救済法制定を要求する東京での示威行動に、高知市の部課長が公費で出張して参加していました(2005年5月、7月)。当時は政府与党が人権擁護法案の国会提出を断念した時期で、この行動は与党に圧力をかけ、法制定を迫る政治的目的を持った大衆行動です。人権擁護法案は、「差別」を一部団体や国家権力が恣意的に取り締まることにつながるという懸念が噴出し、国民の中でも制定すべきか否か大きく意見が分かれていた問題にもかかわらず、政治的中立が求められる行政が、税金を使って同和運動団体の大衆行動に幹部を派遣するという言語道断のことが高知市で行われていたのです。同問題は高知市議会3月定例会で下元博司議員が一般質問で指摘しました。

  市幹部が公費で参加していたのは、①5月23日に東京星陵会館で開かれた「2005年度部落解放・人権政策確立要求第1次中央集会」。全体で730人が参加し「人権侵害救済法の今国会での制定を」求めて集会後は国会要請行動に取り組みました。西森孝・市民生活部長が公費で参加。

②7月25日に東京日比谷公会堂で開かれた「同3次中央集会」。こちらは全国から2600人が動員された大規模な行動で、国会まで同法制定を求めデモ行進も実施しています。こちらには同和対策課長、人権啓発課長の2人が公費で出張し、デモ行進にも参加しました。

3月15日の市議会本会議で指摘を受けた岡崎誠也市長は、「情報収集のために参加した。集会には共産党をのぞくすべての政党が参加している」と税金を使っての集会参加を正当化しましたが、市民の納得を得られるものではありません。

■「解同」からの要請

高知市がこの行動に参加したのは「解同」側から要請があったから。2005年7月7日付で「解同」県本部は野島達雄県連委員長名で「2005年度部落解放・人権政策確立要求第2次・3次中央集会の連続開催について(参加要請)」(写真参照)という文書を県人権課、県教委人権教育課、高知市などに送りつけており、高知市の2人の課長は、この要請に応える形で派遣されています。

一方で同じように要請文を受け取った県人権課と人権教育課は職員の派遣はしていません。「運動団体の集会に人を出すことはしない(人権教育課)」。県の対応は行政としてごく常識的なものですが、高知市と比べると違いが際だちます。高知市は「情報収集」ということを盛んに強調していますが、説得力に乏しいものです。

そもそもまだ制定もされていない「人権擁護法」を、地方の市役所が、多忙な幹部を丸一日つぶして高額な費用をかけて派遣する必要性がどこにあるのでしょうか。情報収集というなら同じ集会に2人も行く必要性はありませんし、一運動団体の集会に参加して得られる程度の情報であれば「解放新聞」や「解同」中央本部のホームページで得ることが可能。法制定に熱心な国会議員に電話でもしたほうがずっと濃い情報が得られるはずです。人数合わせに動員されたのではと言われてもしかたがないでしょう。

|

他の委員は?

人権条例見直し委派遣 大田原、安田両弁護士
http://www.nnn.co.jp/news/060419/20060419008.html

 鳥取県人権侵害救済条例の見直し検討委員会への委員派遣を検討していた鳥取県弁護士会執行部は十八日までに、大田原俊輔弁護士(副会長、鳥取市)と安田寿朗弁護士(米子市)の二人を委員として推薦する方針を固めた。十九日の常議員会に執行部案として提案、了承される見通し。

 県議会は、二月定例会で同条例の施行停止と弁護士や学識経験者などで構成する検討委員会を設置する見直し予算を可決。同弁護士会では、片山善博知事から検討委員会に参加を要請されたことから、弁護士二人を委員として推薦する方向で検討していた。

|

教育の困難は与党の責任 教育基本法を敵視してきた結果だ

【見解】2006/04/17 
『父母・国民、教職員の良心を総結集し、「戦争する国」の人づくり、時の政府による教育支配をねらう教育基本法改悪法案国会提出を阻止しましょう―与党「教育基本法改正に関する協議会(最終報告)」について――』

http://www.zenkyo.biz/html/menu4/2006/20060418103739.html

2006年 4月17日 全日本教職員組合中央執行委員会

 
 与党「教育基本法改正に関する協議会」は4月13日、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(最終報告)」(以下、改悪案)を明らかにし、政府に対し、「教育基本法改正法案を速やかに取りまとめ、国会に提出するよう要請」しました。
 
 改悪案は、2004年6月の「中間報告」で述べていた「教育行政は、不当な支配に服することなく」という文言を、教育基本法どおり「教育は」を主語として残したこと、教育の機会均等から「すべて」「ひとしく」を抜き去っていたものを復活させたこと、など、この間の私たちや国民の批判を受けて一定の手直しをおこなっています。しかし、後で述べるように、憲法改悪と一体のものとして教育基本法を変えるという本質的問題があるために、こうした手直しをすることによって、いちだんと深い矛盾をうきぼりにするものとなっています。また、改悪案は、ところどころに「個人の尊厳を重んじ」や「真理と正義を希求し」など、教育基本法と似た文言をちりばめています。しかし、結局は、それらを前文と目標で繰り返される「公共の精神」でくるみこんでしまおうとするものであり、9条改憲をねらう自民党「新憲法草案」と同様に、国民の権利としての教育を国家がおこなう教育へと根本的に転換しようとするものです。
 
 これをはじめ、改悪案は以下に述べる重大な問題点をもつものであり、とても教育基本法などと名乗る資格のないものです。私たちは、教育基本法改悪法案の国会提出をゆるさぬとりくみを、広範な父母・国民のみなさんとともに全力をあげてすすめる決意をあらためて表明するとともに、以下、改悪案に対する見解を明らかにするものです。
 
 
1.憲法改悪と一体に「戦争する国」の人づくりねらう改悪案
 そもそも教育基本法は、その前文で明らかなように、「憲法の精神に則」って定められ、「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつべき」として、平和憲法と一体に定められたものです。しかし改悪案は、「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつべき」という文言をすべて削除しました。これは、憲法と教育基本法の関係を切断しようとするものです。また、「真理と平和を希求する」という言葉を「真理と正義を希求し」に変更しています。侵略戦争が「正義」の名においておこなわれてきたという事実に立脚すれば、これも大変危険な変更といわなければなりません。
 
 このように、改悪案は、憲法改悪をねらう動きと一体であり、それゆえ、重大な憲法違反の中身となっています。
 
 第1は、「愛国心」押しつけの問題です。自民・公明の両党は、あれこれのいきさつをへて、結局「教育の目標」に「我が国と郷土を愛する」という言葉を入れ込むことで政治決着させました。「国を愛する」ということを強制力を持つ法律で決めること、しかもそれを「教育の目標」として子どもと教育、国民に押しつけること自体、内心の自由を定めた憲法第19条に明確に違反することです。
 
 しかも「愛国心」は、戦前の侵略戦争遂行に子どもと国民の精神を総動員するための道具として使われてきたものです。それを、どういいくるめようとも、形を変えて教育基本法に入れ込むことは、教育基本法立法の精神に照らし、絶対にやってはならないことです。
 
 このねらいは、私たちが繰り返し指摘してきたように、憲法第9条改悪によるアメリカとともに海外で戦争する国づくりと一体に、「戦争する国」を支える人づくりにあります。9条改悪というよこしまな野望にそって教育基本法を改悪しようとするので、重大な憲法違反とならざるをえず、その内容も、教育基本法の根本精神をくつがえすものとなっているのです。
 
 第2は、国民の教育権を奪い去るという重大問題です。改悪案は、教育基本法第10条が規定する「教育は、不当な支配に服することなく」という言葉は残したものの、教育が「国民全体に対し直接に責任を負って行われるべき」という文言をすべて削除しました。「不当な支配」は、憲法第26条が規定する国民の教育権にもとづいて、教育が国民に対して直接責任をもっておこなわれなければならないものであるからこそ、これを行政権力などが不当に支配してはならない、と定めたものです。「不当な支配」をしてはならないものの対象を抜き去れば、文字通り空文句となります。そのことを前提に、「国は…教育に関する施策を実施しなければならない」と述べているのですから、国が教育をおこなうのだとして、憲法が定める国民の教育権を事実上否定する重大な憲法違反となっています。
 
 このねらいは、あとで述べるように、行政権力による教育支配にあります。
 改悪案は、言葉のうえでは「憲法の精神にのっとり」という教育基本法の文言を残していますが、憲法9条改悪と時の政府による教育支配というよこしまな思惑によって改悪しようとしていることから、この言葉とはうらはらに、中身は憲法違反そのものであり、とても教育基本法などと名乗ることができないものです。憲法違反の教育基本法の存在は許されません。
 
 
2.教育基本法の中心的精神をすべて抜き去り、時の政府が思うままに教育を支配できるしくみをつくる
 改悪案は、教育の目的に「人格の完成を目指し」という言葉は、ひらがなを漢字に変えて残したものの、憲法の理想を実現する国民の人格の内実として教育基本法が定めている「真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた」をすべて取り払って、「必要な資質」という、中身が空洞の、どうにでも解釈できる無価値な言葉に置き換えました。教育の目的から「真理と正義を愛し」をはじめとする平和・人権・民主主義を実現するために不可欠の普遍的価値を抜き去ることは、教育基本法からその魂ともいえる中心的精神を抜き去るに等しいものです。これは、「必要な資質」という空っぽの器に、「愛国心」など、時の権力にとって都合のよい「資質」を注ぎ込むことができるための受け皿づくりです。つまり、教育基本法改悪勢力がねらう憲法改悪後の国民の育成を想定したものといって過言ではなく、ここに教育基本法改悪のねらいが明瞭にあらわれています。
 
 また、改悪案は、新たに「教育振興基本計画」という項目を起こしています。この部分のみ「政府は」を主語にして、「教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び構ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告する」としています。これは1で述べた問題ともあいまって、きわめて重大な内容です。つまり、行政権力による教育支配を前提に、時の政府が教育施策をすべて決め、しかもそれは法律をつくらなくてもよく、国会には報告するだけという規定となっています。これは、教育においては、政府がフリーハンドでなんら制約を受けることなく、何でもできるということを示しています。改悪案では、2004年6月16日に出された「中間報告」時点ではおかれていた「教育行政は、不当な支配に服することなく」は、言葉のうえではなくなっていますが、この「教育振興基本計画」の内容は、実質的には、教育行政が思うままの施策を国会審議も経ずに実施できるというものであり、中身の点では強化されて残されているのです。これは、行政権力による教育介入、教育支配に、教育基本法の名において法的根拠を与えるものです。
 
 しかも、「教員」の項目から「全体の奉仕者」を抜き去っています。これは、時の政府による教育支配をすすめるために、国民のための教職員から、時の政府のいいなりで「教育振興基本計画」にもとづく施策を積極的に担う教職員づくりをねらうものです。1で述べた改悪のねらいから言えば、「戦争する国」の人づくりをすすめる教員づくりを推しすすめようとするものであり、許しがたいものといわなければなりません。
 
 そもそも教育基本法は、戦前の「お国のために死ね」と教えた教育が、国家権力の支配のもとですすめられた、という痛苦の反省から、国家権力の教育への介入を厳しくいさめてつくられたものであり、これも教育基本法の中心的精神です。国民の教育権の事実上の否定と一体の「教育振興基本計画」は、形を変えた「教育勅語体制」ともいうべきものであり、断じて許すことはできません。この点からも改悪案は教育基本法を名乗ることなど絶対にできないものです。
 
 一方で改悪案は、教育基本法第10条2項が、「教育行政は…教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」と述べ、教育行政の教育条件整備義務を規定しているにもかかわらず、教育行政の項目からこれをすっぽり抜き去り、「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」に置き換えました。
 このことは、教育における国の責務とは何なのかが根本的に問われる問題です。1学級あたりの子どもの人数についても、50人学級から45人学級へ、そして40人学級へ、地方自治体では東京を除いて30人学級をふくむ少人数学級へ、と不十分ながらも前進させてきたこと、教科書無償配布を実現してきたこと、養護学校義務制をかちとってきたこと、など子どもの学習権を保障するための教育条件改善は、この教育基本法第10条2項に支えられてすすめられてきたものです。これをとりはらうことは、教育行政に義務として課せられていた教育条件整備を放棄するものであり、重大な問題をもつものです。
 
 またこれは、「国から地方へ」のかけ声で、義務教育費国庫負担金をバッサリと削ったり、「小さな政府」論にもとづいて、教職員の自然減を上回る「純減」とまで言って教職員定数の空前の規模の削減まで打ちだしたりする「構造改革」路線をそのまま教育に持ち込むものであることについても指摘しておきます。
 
 
3.上記以外のいくつかの重大な問題点
 第1は、「形成者」の概念を変質させていることです。改悪案は、「教育の目的」の項では一応「平和で民主的な国家及び社会の形成者」という言葉を使っていますが、「教育の目標」では「主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する」とすりかえ、「義務教育」の項目では「平和で民主的な」を削除して「国家及び社会の形成者」とさらにすりかえています。
 
 そもそも「形成者」は平和・人権・民主主義の世の中を主体的につくりあげていく主権者国民、という意味であるにもかかわらず、「教育の目標」では、だれかがつくる社会に参画するという意味に変質させられています。これは、憲法9条を変えて「戦争する国」になれば、そうした国に「主体的に参画」するという意味であり、それゆえ「義務教育」の項では「平和で民主的な」をすっぽり抜いているのです。
 
 第2は、教育基本法第2条の「教育の方針」を削除し、「教育の目標」におきかえていることです。「目標」とすると、どこまでできたのか、が問われます。この「目標」のなかに「我が国と郷土を愛する」を入れ込んだのですから、「愛国心」をはかるということになってしまいます。そうなれば、すでに大きな問題を広げている「日の丸・君が代」の押しつけや「愛国心」通知票などがさらに強められる重大な危険があります。
 
 第3は、「男女共学」を削除していることです。これは「中間報告」時点でも指摘したように、復古的な価値観にもとづく男女観にもつながるものであり、この間のジェンダーの平等に対する攻撃とも軌を一にするものです。
 
 第4は、義務教育制度から、「9年」という規定を抜き去っていることです。これは、義務教育段階からの学校制度の複線化も可能にするものと見て取れます。つまり、小学校入学段階からの「できる子」「できない子」の選別と、それをすすめる差別的学校制度に道を開く危険があるものです。また、規定の仕方によれば、自治体ごとに義務教育年限を違わせることにもつながり、教育の機会均等をこわすものとなりかねません。
 
 第5は、「大学」という項目を置いていますが、驚くべきことに「学問研究の自由の尊重」ではなく、「教育及び研究の特性は尊重」としています。この間の政府・文部科学省の大学に対する施策は、大学教員任期制や国立大学の法人化など、学問研究の自由を崩し、大学もいっそう競争的環境におこうとするものですが、改悪案は「研究の特性」の名で、それをさらにすすめようとするものです。
 
 第6は、家庭教育への行政権力の介入・干渉の危険です。改悪案は「家庭教育」の項を設けていますが、そこでは、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」として父母の教育権を捨象して責任のみを押しつけ、「国及び地方公共団体は…家庭教育を支援するために必要な施策を講ずる」としており、家庭教育への介入・干渉の危険があります。
 
 
4.教育という重要な国民的課題を、すべて密室協議し、国民不在ですすめてきたという重大問題
 与党「教育基本法改正に関する検討会」は70回にわたって開かれてきましたが、その内容はまったく国民に明らかにされず、ずっと密室で協議されてきました。教育は、もっとも重要な国民的課題のひとつです。「国家百年の計」といわれる教育の、しかも戦後教育の出発点であり、「教育の憲法」であり、準憲法的性格をもつ教育基本法についての協議を、国民置き去りですすめてきたことは、主権者国民をないがしろにするものであり、あってはならないことです。こうして国民不在ですすめてきた教育基本法改悪案をいきなり国会に提出し、多数を頼んで強行することなど、断じて許されることではありません。世論調査の結果で、教育基本法を変えたほうがよいのでは、と考えている人の中でも、今国会で急いで成立させるべきではない、という意見が76%(3月14日NHK世論調査)にも及んでいるのは、こうした国民無視のやり方に対する厳しい異議申し立てです。改悪案の内容の重大性とともに、民主主義を無視した手続きの重大性もあらためて指摘するものです。
 
 
 以上のことから、全教は、与党「教育基本法の改正に関する協議会」に対し、改悪案の撤回を強く求めるものです。同時に、政府に対し、教育基本法改悪法案の国会提出の断念と、教育基本法改悪法案の策定作業を即刻中止することを厳しく要求します。
 
 日本の教育はさまざまな課題を抱えています。それは、教育基本法に問題があったからではまったくありません。逆に、一人ひとりの子どもたちを人間として大切にするという精神につらぬかれた、教育基本法にもとづく教育政策をおこなってこなかったことに根本的な原因があります。改悪案は、この事実をさかさまに描き出して教育基本法を変えてしまおうとするものであり、子どもと教育にいっそうの困難をもたらすものです。このことをふまえ、全教は、憲法・教育基本法にもとづく教育をすすめるため、父母・国民のみなさんとともに力を尽くす決意を、あらためて明らかにするものです。
 
 子どもはその存在自身が未来です。子どもの未来を閉ざしてはなりません。全教は、「教え子を再び戦場に送るな」という歴史的スローガンを共有するすべての教職員との共同を広げ、平和を願い、子どものすこやかな成長を願う広範な父母・国民のみなさんとともに、憲法・教育基本法改悪をゆるさぬとりくみ、とりわけ、教育基本法改悪法案国会提出阻止のために、全力をあげてとりくむものです。

|

救済は一部の人のため みな差別者にされることに反対したことの意味が理解できないらしい

果たして「人権救済法」廃案は“プチ右翼”のせいだったのか!? 
http://bomsen.exblog.jp/2591586/
by bomsen | 2006-01-19 15:51

 「人権救済法」の制定を求める大阪実行委員会が18日、大阪市浪速区芦原橋の大阪人権センターで開かれた。基調提案で北口末広事務局長(部落解放同盟大阪府連書記長)は、人権擁護法案は小泉劇場による衆議院解散によって廃案になったが、問題になったメディア規制よりも委員の国籍条項を言い立てる排外主義グループ・プチ右翼(平沼赳夫、平沢勝栄、松原仁、西村真吾ら)の攻勢もあったと分析。これに対して、質疑応答で池田実行委員会の南健司・池田支部書記長は、“プチ右翼”を理由するのは首をかしげる。どちらかといえば、協力的だった野仲広務、古賀誠、鈴木宗男各氏には「ダーティーなハト派(利益誘導型で力によらずに話し合いなど穏やかな方法によって問題を解決しようとする立場の政治家)」というイメージがつきまとい、一方で拉致議連を中核とする小泉純一郎、安部晋三、平沼赳夫らは「クリーンなタカ派(反利益誘導型だが力で問題を解決しようとする強硬的立場の政治家)」などとメディアによってイメージづけられ、後者の支持率が圧倒的に高い。
 最近のMBSテレビ・VOICEの「憤懣本舗」の特集で大阪市人権協会が委託運営している塩楽荘の杜撰な運営とか同和建設協会の談合問題、浪速区の芦原病院の巨額の累積赤字問題、おなじく松原市の阪南中央病院の経営破たん、牛肉偽装のハンナン事件など、同和問題はダーティーという認識が定着しており、いくらまじめに人権救済を求めても「差別をネタに利権を追及しようとしている」という意識が煽られている。だからこそ「クリーンなハト派(反利益誘導型で力によらずに話し合いなど穏やかな方法によって問題を解決しようとする立場)」となって出直すべきではないかと喝破した。
 この発言につられてか、この後も6人が次々意見表明し、馴れ合いと諦めムードの漂った、緩々だれだれのシャンシャン総会が一転してピシッと引き締まった実行委員会に変貌した。
 答弁した北口事務局長は、阪南中央病院の再建は自分も関わって熱心に取り組んだ成果がある。これをもとに芦原病院の問題も取り組みたい。塩楽荘の“浴衣400着新調”も背景を説明できるがMBSの放送は説明不足。テレビ朝日のサンプロの糾弾会をとりくんだ。この点は南さんと見解が違う。メディアとの話し合いを深めていきたいなどとまとめた。

|

人選が明確でない

知事定例記者会見(2006-04-17) ~抜粋
平成18年4月17日(月)
午前10時~
 
県政記者室(県庁3階)

8 鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例の見直しの検討委員会について

○NHK 稲垣潤 記者  
 人権条例の関係なんですけど、今週ですか、弁護士会の方が、県が要請していた例の派遣ですか、あれを決めるということですけども、検討委員会という言い方でよかったでしょうか、検討委員会、どこまで調査する能力があるのかというのはちょっと疑問なんですけども、その辺についてはどうなんですか。

●知事 
 それはどういう意味ですか。無能な人を選ぶに違いないと思ってるんですか。

○NHK 稲垣潤 記者  
 いや、能力の問題じゃなくて権力というか、持っている力の問題というか、どこまで人権問題というすごい極めてナイーブな問題にずけずけっと踏み込んでいけるのか、どこまでちゃんと調べられるのかっていう。

●知事 
 それはできる範囲内としかお答えしようがないですよね。検討委員会が例えば県内、今おっしゃったのは県内の人権侵害の有無だとか、どんな実態があるのかを把握をするという、その作業の中での結局想定でしょ。それはですからやれる範囲内でしかできないですよね。強制力も何にもありませんし、強制調査権もありませんしね。ですから任意の協力がどこまで得られるかっていうことですよね。

○NHK 稲垣潤 記者  
 そこで、知事がよくおっしゃる立法事実というか、みたいなものが見出せなかった場合っていうのは、こともあり得るわけですか。

●知事 
 いや、やってみないとわかんないですよね、それはね、どこまでできるかは。でもそれをとにかくやってみましょうということですが。それをまずは見守っていただければと思いますけどね。
 私が言ったのは、あれは議会が終わった24日の日に、これから検討委員会で検討してもらいますという話をしたときに、もしその結果、[毎日新聞]松本[杏記者]さんだったですかね、その結果、人権侵害の事実が全く無かったら条例は要らないんですかって、それは要りませんねっていう話をしたでしょ。

○毎日新聞 松本杏 記者  
 無ければどうですか・・・・・・。

●知事 
 無ければ要らないという、これは当たり前の、論理的にそうなりますよね、[人権侵害の事実が]無かったら要らないと。だから今、とても無いとは思いませんけどね、ただ、どこまで把握できるかっていう、その作業をこれからしましょうっていうことですよね。

|

解同の意図どおり

人権条例 : 県民の同和意識調査はなんのため
投稿日時: 2006-4-15 17:40:47

http://www.jcptori.jp/modules/news/article.php?storyid=189

同和問題についての県民意識調査報告書(H17年7月)が発表されました。

調査自体が、県民の中に同和問題を意識づけることになり、一定の方向へ県民意識を誘導することになります。解放研究所に分析を委託、分析結果に基づいて解放同盟などによるワーキンググループに委託して同和対策を策定するとしています。

前回は2000年に実施。今回は4719人を対象に行ない、回収率49.4%です。人権条例(昨年10月に突如成立)の問題が県民の中に知れ渡る前の段階で、人権条例問題以前の県民意識を反映しています。

特徴的なことは、「部落差別はもはや存在するはずがない」の設問に、存在するはずがない20.0%、存在する51.7%で、前回より存在するが9.3%ふえていることです。

また、「今まで他人の人権を侵害したことはないと恩う」の設問に、そう思う、どちらかといえばそう思う61.5%、そうは思わない、どちらかといえばそうは思わない22.8%で、前回より侵害したと思うが7.2%増えています。

実態がそうであるか否かではなく、意識の問題を扱っているので、教育効果が上がっているととらえるべきでしょう。

同和教育について、積極的に行なうべきである、今の程度でよい60.4%で、同和問題の解決について、一番多かったのが、学校教育などを通じて教育活動・啓発活動を積極的に行なう36.8%です。教育効果を上げる上で、学校教育(保育園などでの保護者教育を含む)などが果たしている役割は大きいといえます。

同和差別の実態については、親による結婚相手の身元調査についてやむをえないと思うか?は、そう思う、どちらかといえばそう思う34.8%、そうは思わない、どちらかといえばそうは思わない49.4%です。また、同和地区出身者の方の結婚について、不利な条件になっていると思う33.0%と、県民の3分の1が結婚問題において差別があると思っていることになります。この結婚問題が差別の存在として半数以上の県民に、差別があると言わしめているようです。

親として子どもの結婚についてどう思うか(相手が部落出身者だったり、病気を持っている場合)は、圧倒的には当人同士の合意を尊重するですが、「家族や、まわりの人が反対すれば認めない」が8.3%あります。

身近なところで、こうした事案が発生すれば、実態以上に意識に反映しても不思議ではありません。しかし、当人の自由意思にかかわる問題だけに、行政が介入すべき問題ではなく、当人が解決するしか道がありません。多くの県民が解決すべき課題ととらえているならば、当人を励まし、また、少しでもこうした事案が解決するように社会的に議論するべきでしょう。また、同和教育の結果、解決につながらない事態になっているとすれば、同和教育に問題があるとみるべきでしょう。

また、聞かれれば、だれしも自分が人権侵害しているのではないかと思うものです。調査の目的は、同和差別が依然としてあり、解決のための施策が必要だからということですが、県民の中に同和差別を意識づけること、同和教育などの効果を調べること、などには役立ちますが、本当に解決しようとするならば、同和行政のありかたを含めてタブーなしで県民的に議論するべきでしょう。



日本共産党 鳥取県委員会

|

法務省と解同のマスコミ管理作戦開始

あの「本田記者」今度は「解放同盟」に肩入れだって
http://tk01050.blog27.fc2.com/blog-entry-62.html

 NHKが政治家の圧力で番組を改変したという記事で物議を醸した「本田雅和記者」が久々の登場である。
 社会部から異動し、ナリを潜めたと思っていたら、今度は部落解放同盟が再建した「人権マスコミ懇話会」の舞台裏にその姿が──。

 3月24日午後6時。
 東京・六本木の松本治一郎記念会館の2階会議室で、部落解放同盟が召集したある会合が始まった。
 「人権マスコミ懇話会」。
 解放同盟の組坂繁之・中央執行委員長が挨拶を始めると、参加していた新聞・テレビ、通信社、ラジオ局の記者15名が神妙な面持ちで聞き入った。そして、解放同盟はこの会の代表世話人に朝日、読売、フジテレビの三社を指名した(読売は辞退。代わりに毎日が入る)。
「もともと懇話会は84年に発足したもので、当初はマスコミの連絡網みたいなものでした。会則もなく、代表幹事を解放同盟が押しつけるものでもなかった。が、いつしか休眠状態となり、何が何でも人権擁護法案を成立させたい解放同盟が、今回、再びこれを立ち上げたのです」(解放同盟関係者)
 そして、その裏で"活躍"したのが本田記者だったのだ。関係者が続ける。
「人権擁護法案を成立させるために、解放同盟は朝日を抱き込むことを考えたのでしょう。シンパである朝日の坂東愛彦専務と本田記者に、谷元昭信書記次長が話を持ちかけ、特に本田氏とは頻繁に連絡を取り合い、組織のあり方や運営の方針についてアドバイスをもらっています。本田氏は会員になり、谷元氏は坂東専務にも"懇話会の会員になってくれ"と頼んでいます」
 本田記者は、この4月にアスパラクラブなる会員制サービスを扱う部署に異動。本来なら、解放同盟とは縁もゆかりもない部署のはずである。
 そんな記者の解放同盟への肩入れが、会合の参加者に波紋を広げたのだ。

実は"権力"の味方

「俺たちがなぜ解放同盟の手下にならなければいかないんだ」
 と憤慨するのは、会合に参加した記者の一人だ。
「呼ばれて行ってみたら、すでに解同側から会則の申し合せ事項も用意され、代表世話人まで指名された。我々の手で懇話会を再建するならともかく、なぜ解同のお膳立てに乗らなくてはいけないのか。朝日が解同の後ろ盾になるのは勝手だが、我々を利用するのは許せない」
 本田記者は本誌の取材に、 「確かに僕は懇話会の会員になりましたが、お宅みたいないい加減な雑誌に答えるわけにはいかない」 とのこと。

 坂東専務は、 「谷元さんから電話があって、こういう会をやりたいので会員になってくれ、と相談はされました。僕は現場を離れているからちょっとそぐわない、と言いましたよ。僕と本田君が裏で会を仕切っていると言われるのは心外ですね」
 当の谷元書記次長は、 「この会はメディアの担当記者同士による自発的な取り組みで、人権についての認識をお互いに深め合う親睦会のようなものです。確かに坂東さんとは親しくさせてもらってますが、本田さんも入れて3人で会ったことはありませんよ」


 田島泰彦・上智大学教授(メディア論)がいう。
「メディアというのは特定の団体と付き合うにも批判精神を保持すべきですから、こういう会はいかがなものでしょうか。政府が再提出しようとしている人権擁護法案には大変な問題があり、例えば、設置される人権委員会が差別表現にあたると判断すれば、報道や著述業から落書きに至るまで強制調査の対象になります。特定の勢力が委員会に入り、恣意的に規制が行われ、表現の自由が奪われていく危険性があるのです。何故朝日はこういう点を問題視しないのでしょうか」
 権力が大嫌いなはずの本田記者。実は権力にとって最も有り難い存在のようだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 記事捏造やら覚醒剤所持、申告漏れ、社内暴行事件……に、極めつきは社長の息子による大麻所持事件の隠蔽と来た。"ジャーナリズム宣言"などと、やたらCMにはご熱心な朝日新聞だが、不祥事だけは止まるところを知らない。だが、角界で眉を顰められる"ヘンなこと"は、まだまだ目白押し。社会の木鐸とやらが泣いてますゾ、朝日さん。

週刊新潮平成 18年4月20日号 [特集]やっぱりヘンだよ朝日新聞 42頁より

|

本質的な問題回避の報道要請が狙いか

人権法案で報道機関と協議へ

  杉浦法務大臣は閣議後の記者会見で、今の国会への提出を断念した人権擁護法案について、 報道機関の取材を規制の対象とする規定の見直しに向け、報道機関と法務省による協議機関 を5月にも新たに設ける考えを示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/2006/04/14/k20060414000139.html

詳しくは次のとおり。

 人権擁護法案は、差別や虐待など人権にかかわる被害を救済することを目的とした法案で、報道機関の取材を規制の対象とする規定と表現の自由の問題が議論になるなどして、政府は今の国会への法案の提出を断念し、内容を大幅に見直すことになりました。

 これについて、杉浦法務大臣は記者会見で、「これから見直しの内容の検討を始めるが、NHKと日本新聞協会、日本民間放送連盟には検討をお願いしている。大型連休後になると思うが、報道機関の3団体と法務省との協議機関が立ち上がることを期待している」と述べ、報道機関の取材を規制の対象とする規定の見直しに向け、報道機関との協議機関を5月にも新たに設ける考えを示しました。

|

必要な措置だ・和歌山県

 
 「同和対策住宅新築資金等貸付金」は、同和地区の住環境整備を目的として、昭和46年に創設した制度でございます。現在、借受人から貸付市町村への返済の滞納が、約22億3千万円ぐらい発生してございます。これが市町村財政の圧迫となってございまして、地区住民に対する嫉み意識等が生じるのではないかと懸念される問題の一つになってございます。出来るだけ、これの解消をするということで、滞納処分促進対策として、法的措置経費、或いは、強制執行経費の2分の1、又は、強制執行時の差額、それから借受人の死亡等、償還不可能額については、債権放棄を条件に、2分の1を貸付市町村に補助するというものでございます。当該貸付金につきましては、県単の事業でございます。
人権政策課としては、以上でございます。

|

同和問題の解決にならない、当たり前の考えがやっと公に言えるようになったか

県人権調査:「調査自体、人権問題の恐れ」施策審が反対意見書採択、白紙に /和歌山


 県が今年度、国の旧同和対策事業対象地域など三つの調査区に分けて実施予定の人権課題現況調査に対し、県人権施策推進審議会(会長=月山桂弁護士)が「調査自体が人権問題だと指摘追及される恐れがある」として、反対の意見書を採択していたことが分かった。県は当初予算に調査費を計上しているが、意見書を受け、実施するかどうかは白紙になっている。

 県によると、調査は県の同和対策への取り組みの成果を把握し、今後の施策の検討に必要な基礎資料を得ようと実施。旧同和対策事業対象地域▽旧対象地域周辺▽それ以外--に調査区を分け、選んだ調査区に居住する全世帯を対象に行う。対象数は350地区の約1万世帯。内容は世帯構成や収入、居住環境、就労状況、人権侵害の有無などで、調査員が6月に各世帯を訪れ、調査票を配布する予定だった。

 県は既に、対象地域の基礎的な数値の収集や調査員の選定などを昨年度から開始。今年度の調査費として2150万円を予算化した。

 ところが、県人権施策推進審議会が3月下旬に開いた会合で、調査に反対する意見書を採択。意見書は調査を「かつての(同和対策事業)対象地域を再認識させ、ここが地区であったと一般の意識に呼び戻すおそれがある」とし、「同和問題の解消に逆行する」などと指摘している。

 意見書は審議会の小委員会がまとめた。関係者らによると、会合では県側が「現状の課題把握のため、調査、分析が必要」「調査対象者や調査区がどの地域かは絶対に部外秘」などと説明したが、ほとんどの委員が反対の考えを示し、意見書を採択した。

 県は採択を受け、予定していた調査を6月に実施しないことを決めた。調査区を分けるなどの内容を変更する方針だが、実際に調査するかは白紙で、予算を執行しない可能性もでている。県人権局は「今後どうするか検討する」としている。

==============

 ■ことば

 ◇県人権施策推進審議会

 人権施策基本方針の策定を主目的に、県が人権尊重の社会づくり条例に基づき02年8月に設置した知事の付属機関。弁護士など各人権分野に精通する15人(現在1人欠員)で構成。意見を受けて県が04年8月に基本方針を策定後も、人権尊重の社会づくりに向けた基本的事項などを審議している。



毎日新聞 2006年4月11日

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/wakayama/archive/news/2006/04/11/20060411ddlk30010579000c.html

|

自治体リストラの最終へ 住民の生存基盤はますます格差の中で低下。道州制の阻止へ

北海道の道州制特区推進法案、今国会提出へ(読売新聞)

 政府は12日、北海道に限定して国からの権限と財源の移譲を進める「北海道道州制特区推進法案(仮称)」の要綱を自民党道州制調査会(伊吹文明会長)などに提示、了承された。

 5月上旬をめどに国会に提出し、成立を目指す方針だ。

 法案要綱では、権限移譲に伴う財源について、道路や河川整備など事前に定めた事業項目の範囲内で自治体の判断で使い道を決められる「事項別交付金」方式を採用した。事業手順や工法などで国の関与が強い補助金に比べ、自治体の裁量権が増すのが特徴だ。年度をまたいで予算を使うことも可能になる。

 移譲される権限は、北海道道のうち国が建設を代行している「開発道路」(5路線)や2級河川(2本)の管理・整備など8事業を明記した。公共事業の補助率優遇など「北海道特例措置」の見直し規定は見送った。ただ、法施行から8年後に「国・北海道の経済・社会・財政状況を勘案」し、財政措置のあり方を検討する内容を盛りこんだ。

 小泉首相は12日、「北海道の裁量を拡大し、(地方)分権をどう進めていくかという中で、これが一歩前進と言えればいいと思う」と首相官邸で記者団に語った。



[読売新聞社:2006年04月12日 20時36分]

|

人権と「制裁」を意図的に混同させるから、やっかい

自民幹事長代理、拉致問題で「人権法案」提出目指す
2006年 4月12日 (水)

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/seiji/20060412/20060412i212-yol.html

 自民党の逢沢一郎幹事長代理は12日の記者会見で、拉致被害者の横田めぐみさんの夫が韓国人拉致被害者の金英男(キム・ヨンナム)さんの可能性が高いとするDNA鑑定結果が出たことについて、「日韓両国で強力に協力体制を確立して対応することが必要だ。李鍾ソク(イ・ジョンソク)統一相と会い、与党としての考え方を直接伝える機会が必要になる」と述べ、いずれ訪韓する考えを示した。
 そのうえで、北朝鮮への圧力を強めるため、北朝鮮が拉致問題などを改善しない場合、日本政府に経済制裁を義務づける「北朝鮮人権法案」の国会提出を目指す方針を明らかにした。安倍官房長官は12日夕の記者会見で「人権という観点から国際的な圧力をかけていくことは有意義ではないかと思う」と語った。

|

人権・同和も風通しよくなるか

内部告発監察担当を初配置 鳥取県教委
http://www.nnn.co.jp/news/060412/20060412005.html
 
教育行政監察担当に就いた村尾一史参事
 鳥取県教委は本年度、教職員から内部告発を受け付ける「教育行政監察担当」を一人配置した。公益通報者保護法施行も追い風となって設置されたもので、通報者の身分を守り、公正で透明な学校運営、事務局運営を図るのが狙い。白羽の矢が立った村尾一史参事(50)は「教職員が使命感に燃え、生き生きと仕事ができるよう力を注ぎたい」と意欲をみせている。

 教職員なら誰でも通報でき、通報の内容は不法行為に加え、法律違反には当たらなくても不適切だと判断される行為や職場の中で改善すべき点などが対象。県教委教育総務課に窓口を設けた。

 村尾参事は「これまでは教育現場の訴えを吸い上げる明確な場所がなかったが、正式に窓口を設けたことで、業務や職場の早急な改善策につなげることができる」と話す。

 通報を受けた場合、聞き取り中心に事実関係の調査に乗り出す。「じっくりと話を聞き、さまざまな声に誠実に対応する」ことを肝に銘じている。大切なのは通報者が特定されないよう配慮すること。他人は見ることができない電子メールや親展文書などで第一報を受け、慎重に調査する。

 また、通報以外にも教育現場などの業務改善に結び付くような事柄を自らピックアップして調べ、結果は関係機関に報告する。

 現在はヘルプラインを設けるなどの内部規定の整備や制度のPRに努めており、村尾参事は「初めての職にプレッシャーもあるが、前向きに全力で取り組みたい」と話している。

|

「差別事件」の要件は? つるしあげの合法化?

「弓矢裁判」上告へ 三重 県教委らの人権侵害で

 
  「弓矢人権裁判」の原告弁護団(石川元也団長)はこのほど、団会議を開いて、名古屋高裁判決を分析。三重県と「解同」(部落解放同盟)を被告として最高裁に上告することを決めました。
 高裁判決で慰謝料330万円の支払いを命じられた三重県は、すでに上告を決めています。

 同裁判は、三重県立高校教諭の弓矢伸一氏(47歳)が、松阪商業高校勤務当時の発言を「部落差別」と決めつけられ、「確認・糾弾」行為の標的として「解同」いいなりの県教委や同和教育推進教員から受けた数々の人権侵害を訴えたもの。

 弁護団は、高裁判決が、一審が認めた県教委や同推教員の違法行為の事実をさらに追加して賠償額を1.5倍とし、「糾弾会への公務員の出席は正当な公務の範囲を逸脱」などと、明確に判断したことを高く評価。一方で、確認・糾弾路線そのものは裁かなかった点を「不徹底で矛盾する問題」だとしています。

http://www.jcp-mie.jp/kensei/article/060407-201740.html

日本共産党三重県委員会

|

他の委員の顔ぶれが問題だ

知事定例記者会見(2006-04-10) ~抜粋
平成18年4月10日(月)午前10時~ 県政記者室(県庁3階)

6 鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例の今後の見直しについて

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 知事、すみません、話ちょっと変えます。人権条例なんですけれども、大きな区切りの後で、少したったぐらいなんではあるんですけども、現在のお考えと見通しみたいな。

●知事
 これは基本的に変わってません。変わってませんというのは、現状が変わってません。凍結をして抜本的な見直しをするという基本方針のもとで、その見直しのための委員会をつくる、その今、準備段階です。
 委員の中には、必ず法曹の方に入ってもらわなきゃいけませんので、それについて鳥取県弁護士会に正式に委員を派遣していただくように要請をしています。それは好意的に受けとめていただいております。ただ、弁護士会も機関決定をする必要がありますので、今月の19日だったでしょうか、弁護士会の集まりがあるそうで、そこで態度を決めるということになってますので、それを今待っている段階です。その法曹の去就というものが正式に決まった段階で、他の委員の皆さんにも話をして、できるだけ早く検討委員会を立ち上げたいという状況です。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 協力は得られたということで。

●知事
 いや、ですから正式に機関決定をされるのが19日。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 機関決定まで待ちますという。

●知事
 そうです、そうです。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 感触としては。

●知事
 感触としては非常に好意的に受け取っていただいていると思ってます。

○山陰中央新報 弥重節子 記者
 弁護士会からは何人を想定してらっしゃるんですか。

●知事
 2人ですね。
 先日も松本[鳥取県弁護士会]前会長とお会いしたことをお話ししましたけれども、先週末に新しい河本新会長、それからほか副会長の皆さん方ともお話をしまして、もちろんそのときはまだ機関決定、まだしてませんのでね、確たる返事はありませんけれども、ポジティブに受けとめていただいてるという感触は得てます。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 一歩進んだということになって、知事御自身の中で見通しというのはいつごろというのはいつも出る質問であるんですけども、あえて。

●知事
 見直しが終了するということ。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 はい。

●知事
 これはわかりません。これは[検討]委員会が立ち上がって、そこでこれからどういう点検作業をしていくかということも委員会で議論をしながら、委員会の委員の皆さんの意見も聞きながら進めていきますので、ですから、まだ緒についたばかりでもあります、緒につく前ですから、まだわかりません。

○日本海テレビ 前田俊博 記者
 委員会を中心に見直ししていきたいと。

●知事
 そうです。委員会の場で見直しをしていくと。

○山陰中央新報 弥重節子 記者
 国の人権擁護法案も今回は提案は見送られましたけども、また、抜本的に見直したいというふうに法務大臣が言ってますけども、そうすると、鳥取県が国へ先駆けて検討し直すということで、非常に重要な重い役割になるんじゃないかなっていう感じを受けますが。

●知事
 ですけど、これは今回の人権条例の一連の経緯を経ての教訓といいますか、その一つは、国と同じようなことを地方版でやろうとしたところに一つの問題点があったわけですよね。ということは、今後の見直しというのは国との関係が全くないわけじゃもちろんありませんけれども、鳥取県は鳥取県独自にローカル立法というものを必要とする根拠、事由というものはどこら辺にあるのかということから押さえていきましょうと。全国の動きは動きとして、それは関心は持ちますけれどもね、それにとらわれないでやっていくというのが一つの教訓ではないかと思っています。

○NHK 寺井数美 記者 
 委員さんの人数というのは、まだやっぱり決まってはないんでしょうか。全体の。まだ決まってないですか。

●知事
 いずれ10数人だと思いますね。

○記者(複数人)
 13人じゃない。

○産経新聞 服部幸一 記者(幹事社)
 各社よろしいでしょうか。
 じゃ、どうもありがとうございました。

|

刑事告発問題ではないか

■「芦原病院への130億円 大阪市の内部資料が示す『不透明な融資』」 2006/04/10 放送MBS


同和対策事業のひとつとして、長年、大阪市から巨額の補助金と融資を受けて破たんした民間病院の芦原病院。
VOICEは、補助金を不正に受けとっていた疑惑を、以前放送した。
その後の取材で、130億円の巨額融資も、実に不透明な形で行われていた実態が明らかになった。
2,000ページに及ぶ市の内部資料が、それを物語る。


かつての同和地区医療センターだった芦原病院。
この民間病院に、大阪市は「地域医療の確保」を名目に、180億円を超える補助金を投じてきた。
だが、その一部は、医療機器購入の架空・水増しという手口で、不正に支払われていた疑惑が浮かび上がった。

(Q.補助金は正しく使われているのですか?)
「一切のこのことについて、全て調査委員会で説明をします」
しかも補助金は、領収書すら確認しないというズサンな手続きのもとで支払われていた。

(Q.見積書や領収書も一切、確認していないのか?)
「あのー…おっしゃる通りです」

芦原病院への不透明な公金投入は、これだけではない。
我々は、2,000枚を超える大阪市の内部資料を手に入れた。
これらの文書は、1980年以降に行われた芦原病院への融資の起案書、つまりは稟議書である。
市はこれまで、病院に130億円の無担保融資を行ってきたが、中でも我々は、93回にわたり77億円が貸付けられた「特別貸付金」に注目した。
関市長が担当局長として、決裁印を押しているものもある。
この特別貸付金、実は長年、予算書にすら計上されないヤミ融資だった。

「市当局を追及したところ、特別貸付金という、予算に計上していない貸付が発覚した。それまでは、議会に知らされないまま20年以上続けられていたことになる。表に出さないで『税金の横流し』をやってきたわけやから、ヤミ融資といわれてもしょうがない」
事実、市の担当者は「病院が赤字のために、やむを得ず特別貸付金という形で措置しており、予算化はしておりません」と議会で答弁し、ヤミ融資を認めた。
関市長が局長時代に決裁した16億円も、全てがヤミ融資で、市長自身もその責任を認めている。

「芦原病院の問題などの責任については、これをたいへん重く感じております」

さらに、芦原病院への融資を調べていくと、新たな疑惑が浮かび上がった。
病院側が金融機関から融資を受ける際、大阪市が事実上の債務保証をしていたというものだ。
疑惑の根拠となったのが、「借入金返済確認書」と書かれた文書。
去年6月、大阪市の担当局長名で、ある民間銀行の支店長に宛てたものだ。
【確認書の文面】
「芦原病院の今回の借入金につきましては、平成18年4月28日までに、本市が責任をもって返済させますので、何卒ご理解をいただき、引き続きご支援をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます」
大阪市が、病院の借金返済を約束するようなこの文書は、去年、病院が銀行から2億円の融資を受ける際に出されたもので、市は同様の文書を、相当以前から、ほぼ毎年、銀行に提出していたという。
〈大阪市健康福祉局・柊武男課長〉
「(大阪市が)指導・監督をしながら、病院に借入金を返済できるように努力させるという趣旨で、債務保証ではない」
〈阪市健康福祉局・柊武男課長〉
(Q.この文面でそんな説明が通ると思いますか?)
「私のこの立場では、そうとしか答えられない」
法律では、地方自治体が、会社や法人の債務について保証契約することを禁じている。

問題の文書は、違法な債務保証だとして、3月27日の大阪市議会で追及された。
〈議員〉
「まさに、法律で禁止された債務保証ではないか?」
〈大阪市〉
「あくまで金融機関に協力を求めた文書で、債務保証ではない」
あくまでも市は「債務保証ではない」と釈明するが、93回に及ぶ特別貸付の起案書をみると、うち15回分、30億円あまりが「病院が金融機関へ返済する資金が不足している」との理由で融資が行われていた。
〈議員〉
「本市が責任をもって返済させますどころか、大阪市が責任をもって返済しているんですよ。これ以上の債務保証はない!」
〈関淳一市長〉
「繰り返しの答弁になりますが、我々はいわゆる金融機関への協力要請という風に考えています」
市の情報公開プロジェクトの委員を務める公認会計士も、「事実上の債務保証だ」と指摘し、さらに、数十年間にわたって貸し付けられ、1円も回収されていない融資自体が問題だと指摘する。
〈大阪市情報公開プロジェクト・松山治幸公認会計士〉
「貸し付けの回収の具体的な可能性を見極めた上で、貸し付けするのが当然。そうでなければ、明らかな不法行為であると思っています」
芦原病院問題の責任を取って、いったんは辞職した関市長。
しかし、全てのウミを出し切らない限り、真の信頼回復はありえない。


|

大幅手直し?立法根拠から見直すべきだ

  杉浦法相は7日午前の閣僚懇談会で、人権擁護法案の今国会提出を断念し、内容を大幅に見直して次期通常国会で再提出を目指すことを報告した。今後、省内に法相を長とする検討チームを設置する。

 法相は記者会見で、提出断念の理由について「自民党での議論がほとんど進んでいない。ほかの重要法案もあり、とても提出できる状況にない」と述べた。

 そのうえで「法案は大幅に手直しをする」とした。人権問題に携わる人権擁護委員に国籍条項がなく、外国人でも委員になることができることについて、「修正が必要だ」と述べたほか、メディア規制条項についても「マスコミとの協議の場を設けて意見を聞きたい」と話した。

 人権擁護法案は、差別や虐待などの人権侵害を受けた被害者の救済を目的とする法案だが、メディア規制条項などで反対論が強い。

(2006年4月7日  読売新聞)

|

格差「拡大」社会の反映か

平成17年中の「人権侵犯事件」の状況について(概要)
~人権侵害に対する法務省の人権擁護機関の取組~

http://www.moj.go.jp/PRESS/060330-1/060330-1.html

○新規救済手続開始件数

 23,806件 (対前年比 4.1%増加)
○処理件数       

 23,994件 (対前年比 7.2%増加)

【新規救済手続開始件数からみた特徴】
 ・障害のある人に対する人権侵犯事件の増加

   299件 (対前年比4.9%増加)

 ・インターネットを利用した人権侵犯事件の増加

  272件 (対前年比36.7%増加)

 ・学校における「いじめ」に関する人権侵犯事件の増加
  716件 (対前年比22.6%増加)

|

実害行為が問題。申請されてない問題もあるだろ。

人権侵犯:過去5年間で最多 
05年の県内、226件で前年比13件増 /鳥取

 ◇隣人の嫌がらせなど

 鳥取地方法務局は3日、05年の県内の人権侵犯事件の受理件数は過去5年では最高の226件(前年比13件増)になったと発表した。隣人による嫌がらせや家庭内暴力が目立った。

 受理事件のうち、公務員・教職員による人権侵犯が16件(同1件減)。民間人同士の人権侵犯が210件(同14件増)あった。

 内容は、▽県立青谷高の男性教諭が他校の運動部員を殴って鼻を骨折させたり、倉吉市立鴨川中の男性教諭が関節技をかけて生徒の足を骨折させたりした体罰2件▽いじめに対する学校側の不適切な対応など3件▽刑務所職員の人権侵犯2件▽家庭内暴力や児童虐待などの暴行虐待32件▽離婚の強要や職場での嫌がらせなど53件▽プライバシーに関する侵犯35件▽労働権の侵犯15件--など。

 人権侵害などの悩み相談は、同局人権擁護課人権相談室(0857・22・2475)。

毎日新聞 2006年4月5日

|

糾弾会という人権侵害。私的制裁行為だ。

解放同盟が若桜町議に「差別発言」と言いがかり
http://www.jcptori.jp/modules/news/article.php?storyid=176

しんぶん赤旗 2006年4月5日

 鳥取県人権条例が三月県議会で施行停止が可決され、人権侵害事象の検証、救済方法等について抜本的見直しが始まります。

 こうしたなかで、若桜町三月定例議会の予算審査特別委員会で、上川裕見子議員(無所属)の同和地区の子弟に行う「通学用品等助成交付金」についての質問内容に「差別発言」があったとして部落解放同盟(解同)が「確認会」を行うとしています。

 日本共産党鳥取県東・中部地区委員会(岩永尚之委員長)と若桜町支部(中尾理明支部長・町議)は一日、谷川輝久議長に「今回の事象は、議会内の出来事であり、議員の発言は、問題があれば、その場で解決されるもの。そもそも今回の発言は差別事象ではない」として、議長は、毅然(きぜん)とした態度で、「確認会」に応じないよう求めました。

 谷川議長は「議会は差別発言があったとはしていない」などと答えました。

 中尾町議は「人権条例の施行に固執する『解同』が正当な議員発言を『差別事象』として議会活動に干渉するもの」と話しています。

(鳥取民報記者より)

 同和対策の住宅資金の貸し付け金や、高度化資金の貸し付け金の滞納が各地で問題化しています。一般市民に「借りたものは返せ」と強力に行政が回収をすすめているのに比べて、同和地区で回収がすすまないのは、背景に解放同盟による圧力があるからです。

 こうした住民間における不公平・不公正を正すのは当然のことです。

 上川議員は、借りたお金を返すという「義務を果たさず」、通学用品等助成交付金という「権利ばかり」を主張するのは、いかがなものかと、苦言を呈したにすぎません。これが「差別発言」だと言うならば、解放同盟を批判する人間は、みんな差別発言者になります。こんな解放同盟の暴挙を許していいのでしょうか。

 なお、5日行なわれた解放同盟の「確認会」に上川議員は出席しておらず、解放同盟は2回目の「確認会」を計画しています。

|

人権NGOの社会的地位

自由法曹団通信1193号(3月1日)

http://www.jlaf.jp/tsushin/2006/1193.html#04

ニューヨーク 人権留学日記 2

―人権NGOで働くという新たな弁護士像―
東京支部  土 井 香 苗

 みなさま、こんにちは。東京駿河台法律事務所に所属する土井香苗です(五三期)。昨年八月から、米国はニューヨークにありますNYU(ニューヨーク大学)ロースクールの修士課程(一年間)に留学しています。

 一二月に秋学期(前期)の試験も終わり、一月から春学期(後期)が始まってあっという間に後半戦に突入。ビジネススクール他、修士課程といえど二年のコースが多い中で、法学修士は一年コースなので、光陰矢のごとしです。数ヵ月後に卒業を控える春学期、もちろん「就職」活動も盛り上がります。

 通常のアメリカの学生たちはJDという三年のコースを卒業します。ビジネス系の事務所に入所する場合には二年生のうちに就職を決めてしまう人が多いようです。就職が決まった後、三年生は成績もあまり気にせずのんびり学校生活を楽しんでいる人も多いと聞きます。

 一方、LL.M.生(ほとんどは出身国で弁護士資格を有している)はそもそも一年コースですから、卒業数ヶ月前になって就職活動をしている人が大部分です。一月にはNYUで、外国人LL.M.生に対する集団就職面接会(主にビジネス系)が開かれました。全米各地からLL.M.で学ぶ外国人学生たちが集まり、リクルートスーツに身を包んだ各国からのLL.M.生たちでNYUがごったがえしていました。大手法律事務所や大企業などが百社近くNYUに集まりました。

 一方、公益弁護士を目指す場合には、就職戦線開始が遅いようで、JDの場合にも、LL.M.生と同じように、三年生になってから就職を決める学生が多いようです。先日(二月)、NYUで、大規模な、公益弁護士のための就職面接会が開かれました。これは主にJDを対象としており、全米各地から、公益弁護士を目指すJD生がやってきました。

 ここアメリカでの「公益弁護士」像を見て、うらやましいなあと思うことがあります。それは、就職の際、フルタイムで公益活動をするという選択肢があることです。日本の法律事務所のように、一般事件をこなしながら人権活動もするといういわゆるパートタイム人権弁護士の事務所もあるのですが、弁護士が公益的NGOに雇われるという道もあります。特に、ヒューマンライツ ウォッチ(専従職員約二〇〇名)やヒューマンライツ ファースト(専従職員約六〇名)などの弁護士を中心とする、国際的な人権問題を扱うNGOはとても人気が高く、その競争率たるや相当のものになっています。NYUの学生たちの中でも、人権活動を最も一生懸命やっている一人の学生が大喜びしていたので、どうしたのかと聞いてみたところ、ヒューマンライツ ウォッチに採用されたのだそうです。一年契約だったのですが、それでも天地がひっくりかえるかと言うほど大喜びしていたのが印象的でした。五ヶ国語を操ることができる優秀な学生でさえ、ヒューマンライツ ウォッチのインターンシップに合格できなかったという話もあるくらい、要求されるレベルの高さは並大抵のものではありません。

 彼女が採用されたヒューマンライツ ウォッチは、アメリカ政府が対テロ戦争の名の下に行っている人権侵害等も扱いますが、アメリカのみならず、世界七〇国以上の人権問題を扱います。世界各国の女性の権利、子どもの権利、不正使用のための武器流出問題(the flow of arms to abusive forces)、学問の自由、人権に対する企業責任、国際司法、監獄、薬物、難民などの改善のため、事実調査(ファクト ファインディング)を行って信頼性の高いレポートを発表します。その調査結果をもとに、現地の人権活動家と協力し、アメリカ政府や国連に働きかけます。一九九七年には、地雷禁止キャンペーンのメンバーとしてノーベル平和賞も受賞しました。旧ユーゴスラビアの国際戦犯法廷の求めにより、同裁判所の調査団・検察官と共に調査活動なども行っています。

 最近、国際貢献・国際協力をしたいという若い司法修習性たちから、よく連絡をもらいます。一〇年前、私がアフリカでボランティアをしたころは、若い修習生で第三世界の人々のために働きたいなどという人は全然いなかったのですが、時代は変わったのだと思います。

 残念ながら、日本には、概ね、「国際貢献」のうち、前者「国際」をとると「国際ビジネス」しかなく、「貢献」をとると国内的な貢献つまり人権活動しかないというのが現状ではないでしょうか。若い修習生たちが「国際」と「貢献」のどちらを選択するべきか迷う姿に何度も出会いました。そして残念ながら、迷う修習生たちの多くが「国際」ビジネスをしぶしぶ選ぶのも目撃しました。日本にも、アメリカの国際人権NGOのような場があり、プロフェッショナルとしての(仕事としての)国際的人権活動という新たな弁護士像が彼ら/彼女たちに示せていれば、と悔やまれます。

 日本にもロースクールが設立されて、学生たちの興味と専門性はより多様になると思います。(国際)人権NGOのフルタイム弁護士(インハウス ローヤー)という新たな弁護士像を、日本でも示していく必要があるのではないか、とNYの就職戦線に身を置きながら感じている今日この頃です。

|

熊本県庁でも先例主義がネックか

日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
2005年 9月定例会 9月15日

一般質問

http://www9.plala.or.jp/jcp-matsuoka/hatugenn050915.htm

同和問題について
松岡
 次ぎに同和問題について執行部に伺います。03年11月議会の一般質問でも詳しくとりあげたところでありますが、あらためて整理しますと、まず旧身分にかかわる差別は大幅に減少してきており、周辺地域との生活上に見られた格差は基本的に解消されております。かつての部落の構成や実態も大きく変化し、部落の閉鎖性も弱まり社会的交流が大きくすすみました。格差の是正については、政府の93年度調査の段階ですら基本的に実現していることを裏付けています。現時点ではさらに前進していると言えるでしょう。部落住民自身の努力と33年におよぶ特別対策の実施によるものです。一部に残る偏見の克服は、国民の人権保障を求める運動の前進、部落内外の住民の自主的な取り組みの促進、国民の自主的な学習・討議などによって解決すべきものです。若干の格差の事例が挙げられたりしますが、それらは以前のように一概に部落差別の結果とだけ言えるものではありません。それらはすべての部落にほぼ共通してみられる現象ではなく、特定の部落や階層に見られる部分的限定的な問題として現れており、これらの解決は、部落問題というより社会的共同のなかで解決していくべきものです。
 部落解放同盟などの活動の唯一のよりどころになっている「人権教育・啓発法」についても、法務省・文部科学省による「人権教育・啓発に関する基本計画」は、「国民の自主性の尊重と教育・啓発に関する中立性の確保」ということで、「担当する行政は、特定の団体等から不当な影響を受けることなく、主体性と中立性を確保する」ことを基本的なあり方として示しています。
 1昨年11月議会の質問で、私は、660単位、14万7000人の県PTA連合会への補助金は84万円、クラブ数3067、会員数19万5000人の老人クラブ連合会へは162万円であるのに対して、支部数32、会員1200世帯の部落解放同盟には、知事部局、教育委員会合わせて4000万円が支給されていることは、「財政健全化計画」で、補助金の廃止、縮減をうち出している中であまりにも不公平ではないかと問いました。これに対して環境生活部長、教育長ともに、「財政健全化の取り組みを見極めつつ検討していきたい」との答弁がありました。ところが、今年度は「部落解放同盟」「同和会」への補助金が、あわせて5386万5千円という多額のまま、前年度額が維持されています。 昨年までの削減から逆に維持への転換となった理由・根拠はなんでしょうか。環境生活部長、教育長に伺います。

環境生活部長
 平成8年の、国の地域改善対策協議会意見では、依然として差別意識が存在しており人権侵害による被害の救済が必要であることから、いわゆる特別措置法失効後においても適切な施策を講じていくことが必要であると指摘をされております。また平成12年に人権教育及び人権啓発の推進に関する法律、が制定され、国及び地方公共団体の責務として、人権教育啓発に関する施策の実施が盛り込まれたところでございます。県では、この法の主旨を踏まえ、平成16年3月に熊本県人権教育啓発基本計画を策定し、人権教育啓発等の施策に積極的に取り組んでいるところでございます。その取り組みを効果的に進めるためにも、部落解放同盟熊本県連合会、及び全日本同和会熊本県連合会との連携が今後とも必要と考えております。この両団体への補助金額につきましては、平成13年度から17年度までの5ヶ年間を計画期間とする、県財政健全化計画に沿った取り組みとして、平成15、16年度の二カ年間にわたる計画的な削減を終えたところであるため17年度においては削減しなかったところでございます。なお、今後につきましては、本年2月に策定した県行財政改革基本方針のなかで、県単独補助金のあり方の見直しを進めることとしており、両団体への補助金についてもこの方針に沿って引き続き検討してまいります。

教育長
 教育委員会におきましては、人権文化の創造に向けて、同和問題を人権問題の重要な柱としてとらえ、あらゆる場を通して人権意識を培え、差別意識の解消に向けた人権教育を推進しているところでございます。しかしながら、同和問題をはじめとする様々な人権問題が存在しているのも事実であります。これらの問題解決に向け、日ごろから努力しておられる両団体が実施する各種研修事業等は、人権教育を推進するうえで意義があると考え、県教育委員会といたしましては、補助金交付要綱等に基づき、必要な財政的支援を行ってきたところでございますが、この両団体への補助金額については、平成13年度から17年度までの5年間を計画期間とする、県財政健全化計画に沿った取り組みとして、平成15、16年度の2カ年間にわたる計画的な削減を終えたところであるため、17年度については削減しなかったところでございます。なお、今後については、本年2月に策定した県行財政改革基本方針にそって、本県の人権教育啓発を推進する上での役割と機能、施策遂行の効果等も検討しながら、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。

松岡
 私は、去年まで下げて、なぜ今度は減らさなかったのかということを聞いているわけであります。というのは、県行財政改革基本方針では、県単独補助金については見直すということで、現に17年度は1億2千万円の削減がなされています。なぜ、そのなかから同和関係団体だけが除かれたのかということを問題にしているわけです。今の答弁はお二人とも、まったく私の質問に答えていない。再度答弁を求めたいと思います。
  念のために、部落解放運動と関係運動団体との関連をどうとらえるかという問題で、私はすこし理論的に整理をしておく必要があると思いますので述べたいと思います。同和関係団体への補助金を考えるうえで部落差別の課題の到達と運動団体の関連について、正確にとらえることが大事です。今日いわゆる部落差別問題は基本的に解決をみる段階にあり、残された課題については、部落住民を主体にした部落解放運動で実現できるものではなく、地区内外を問わず社会的共同によって取り組みを前進させるべきものであります。このことは、旧賎民身分の部落と住民を対象にした部落解放運動および運動組織の役割を超えるもので、部落解放運動と運動団体は歴史的使命をおえる段階にあるといえると思います。全国部落解放運動連合会が、昨年4月、会を終結解散させ、全国地域人権運動総連合に発展させたのはそのゆえであります。ですから、逆に部落解放同盟や同和会の組織の存続、拡大強化を図るということは、部落と住民の区別を旧身分で固定化させ、事態を逆戻りさせる役割を担うことにならざるをえません。補助金問題をこの角度から、県執行部としても教育委員会としても改めて深めることが必要であろうと思います。いずれにしろ、なぜほかは減らして、同和団体だけが維持なのかということにはこたえておりませんので、再度明確な答弁を求めたいと思います。

環境生活部長
平成17年度に削減しなかった理由は先ほど述べたとおりでございます。今後につきましては、県の行財政改革基本方針にのっとって引き続き対応してまいります。

教育長
 平成17年度の補助金額が前年度と同額になったことについては先ほど私がお答えしたとおりでございます。今後の補助金額については、これも先ほど申し上げましたように県行財政改革基本方針にそって、施策遂行の効果等も考慮しながら、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。

松岡
 要するに、県業財政改革指針で、ほかのところは削られている、同和関係だけ削られていない。今の教育長の答弁などはまったくかみ合っていないと思います。繰り返してもしょうがないですから、申し上げたいのは、こういう問題は、誰が見てもですね、客観的に見てあきらかに不正常な補助金の額だし、取り扱いだと思います。私は、カギはいろいろな圧力があっても、行政の県民に対するとして、勇気を持ってことにあたるということが今求められているのではないかと思います。その点でも、教育長においても、環境生活部長においても、心してこの問題ではがんばっていただきたいと思います。

 次に教育長に伺います
  上益城郡内の特定の教育集会所での学習会についてですが、小学生1人に対して教師3~4人、中学生2人に対して教師2人で学習会をやっている、恒常的にですね、ということですがあきらかになりました。こういったものは、どういう位置付け実施されているのでしょうか。                                 
 それから、1977年策定の「熊本県同和教育基本方針」は、「現代の社会においても部落差別は拡大再生産されている」という基本認識にたっています。これは国の全国調査、現実の実態などあらゆる面からみて、適切でないというより明らかに誤まった認識です。廃棄すべきだと考えますが、いかがでしょうか。以上2点、教育長に伺います。

教育長
 まず、教育集会所における学習会のあり方についてでありますが、関係市町村教育委員会において、地域の実状に応じた主体的な取り組みが行われているところであります。学習会の実施にあたっては、市町村教育委員会から委嘱を受けた教職員が、自主的に参加していると認識しております。私ども県教育委員会といたしましては、毎年度数箇所を選定し、運営状況を調査しているところでございますが、さらに実態把握に努めますとともに、児童生徒一人一人に確かな学力を保証し、適切な進路の保障がなされるよう、各市町村教育委員会と連携をとりながら助言をしてまいりたいと考えております。
  次に、熊本県同和教育基本方針についてでありますが、本県の人権教育、同和教育を推進するにあたっては、一定の成果をあげてきたものと認識しております。県教育委員会が人権教育推進のよりどころとしている、「熊本県人権教育啓発基本計画」や毎年示している「人権教育取り組みの方向」にも基本方針の理念は引き継がれておりますが、今後もこの理念は大事にしてまいりたいと考えております。しかしながら昭和52年に策定された基本方針は、一部現状にそぐわない内容も見られるようになっておりますので、検討の時期に来ているのではないかと考えているところでございます。

松岡
 私は、現地に調査に行きまして、関係住民の方々、教育関係者からも聞き取ってものをいっているわけですから、もっと踏み込んだ調査をしていただきたい。また、この指針の問題、基本方針の問題も、一部ではなくそれが基本にあるからすべてがおかしくなるわけです。そこのところを深めていただきたいと思います。
  教育の課題としては、特別支援教育の課題も重要です。同和加配がなくなり支援教育加配に移行・発展しましたが、こうした発達障害児童生徒のための加配はなされていません。また文科省の国立教育政策研究所が中心となった調査では、教員は、平日平均11時間働いており、「教師を辞めたくなるほど忙しいと感じたことがある」割合が61%にのぼっています。全日本教職員組合の調査では、土日、祝日も学校や部活動で勤務する教員が多く、それを含む超過勤務は、月平均80時間10分ということです。厚生労働省は過労死の危険ラインの超過勤務が月80時間としていますが、現場の先生たちは大変であります。そんななか子ども1人に先生3~4人というのは、ひどい実態だと言わざるをえません。町教育委員会、学校の自主性、県は助言というようなことを教育長はおっしゃったが、そもそも県が、さきほどもうしあげましたように誤まった状況認識の同和教育基本方針をそのままにし、多額の団体補助金を出し、全国唯一、同和問題を前面に押し出したに「こどもフェステバル」を開いたりしていることが全体の悪い意味での推進力になっていることを自覚すべきです。厳しく改善を求めたいと思います。





どこかおかしいのではないの熊本

県?

人権(同和) 問題報告会



国は国民的課題である人権問題の中心だった同和問題が基本的に解決したとして2002年3月末で地域改善対策に関する特別法を終結しました。

熊本市などは法の終結を受けて、「同和対策室」を廃止し、あらゆる人権問題を取り組む「人権推進総室」を設置し、関係団体への補助金制度も廃止しました。

しかし、熊本県は「人権同和課」や「人権同和教育課」が『人権問題の中心は同和問題である』として依然として同和問題を他の人権問題の上におき特別扱いにしています。又、県は財政困難と言いながら部落解放同盟等の運動団体に毎年

4,000万円もの補助金を支出しています。

本来中立であるべき教育現場には運動団体の教育介入が酷く先生方は学校内の教育が終わってから夜遅くまで地域の子どもに勉強を教えに行かされ疲れはてています。多くの県民・市民に現状を知っていただきたく報告会を開催いたします。

日 時:2006年2月10日(金)6時30分 

|

徳島・就労対策員 再雇用せず

http://homepage2.nifty.com/heimoto/
   議会報告電子版 No886  06年3月21日より

06年3月議会反対討論 中野一雄
http://homepage2.nifty.com/heimoto/06hanntaitouronn.html

 日本共産党徳島市議団を代表して反対討論を行います。
 平成18年度予算は原市長3年目の予算案でありますが、この予算は一言で言ってまさに「市民いじめの予算」「市民へのつけ廻し予算」と言わなければなりません。

 民生費の中の人権啓発リーダー等育成事業費272万円ですが、この中には部落解放同盟が主催する集会への参加費が含まれています。これは団体補助金と同じで、団体補助金を廃止した本市の方向に反するもので認めることはできません。

 労働費の中の雇用促進事業費528,000円についてですが、この事業は同和対策の継続事業であり、県が昭和53年から雇用契約を、市が昭和54年から委託契約を結んできた「就労対策員」は、現在、部落解放同盟徳島ブロック議長であり、解放同盟県連の幹部活動家であります。
 さらに、この「就労対策員」は市から委託料を受け取りながら、県からも嘱託員として報酬を受け取っており、いつどこで何をしているのか実態が全く不透明なままであります。職業相談事業は国主体のものであり、県と市が、別枠で解放同盟幹部を「対策員」として雇用するのは納得できません。
 本市は解放同盟の隠然たる影の力におびえて互助会、体育振興公社事件を引き起こした暗い過去を持っているわけです。このような不明朗な事業委託契約は即刻やめるべきです。

|

鳥取条例問題は、今後も目が話せない

錦織陽子(にしこおり・ようこ)
日本共産党鳥取県委員
米子市議会 二期

鳥取県議会傍聴 記事
http://yccjcp.web.infoseek.co.jp/do/archives/2006/03/index.html

人権条例の凍結議案の審議がされる、県議会の総務警察常任委員会の傍聴にいってきました。結果=施行延期を全会一致で可決した。

 委員会開始時間10時を遅れること20分、最後の会派での調整をしていたのか遅れてはじまった。マスコミもおおく、傍聴者も10名で委員会室は大入り満員というところ。( )は錦織の感想なので悪しからず。

 まず住民連合(部落解放同盟)の山田議員が口火を切って、人権条例の凍結条例案に対し、「論点整理をすると、人権の定義、公権力の人権侵害、過料,マスメディアの懸念が問題になっているということ。侵害の立法事実の確認が必要ということですね。ここの議論は片山知事が出したところで、議員が出した部分ではない。知事は『議会で決めたから』といわれるが、懸念はまさに知事案だ。ここの認識を確認してほしい(それも含めて議員提案したんでしょ!)」「被差別の調査は声を上げにくい。社会の関係をそのままにして事実をつかむのは難しい。(じゃー当事者の声はきけないってことだね)力関係、パワーハラスメントはあると思う。人権相談委員会を前倒しして、人権侵害の相談窓口を速くつかんでほしい」。
 えがりての尾崎議員は「この1週間の県民の声を聞いてきた。(もっと早くつかむべきでは?)県民も分からない状態(あなたも?)。知事の無期限ではないということなので、見守っていきたい」
 公明の長岡議員は「抜本的見直しということだが、非常に泣き寝入りしている状況もあり(つかんでるの?事実を)、いつまで厳しい状況においておくのかという問題もある(それなら独自に救済してあげるべきよ)。いたずらに長く引っ張るべきでない」
 信の鍵谷議員は「思いとしては期限をくくりたいが、できるだけ速やかに施行できるようやっていただくと言うことで了」
 これら、あげた手を下ろすための言い訳は続いたが、議案は一言一句修正なしで可決された。さらにこれらの検討委員会を開催する予算案には、『必要最小限の期間で検討すること」の付帯意見をつけることが決まった。人権条例の廃止、抜本的見直しをもとめる陳情3件は、いずれも不採択となった。これにより、明日開かれる本会議で人権条例の6月施行停止条例が可決される見通しとなったが、条例を廃止に追い込むために今後も目が離せない。なにしろまだメンツにこだわる議員がほとんどだからである。


|

表現行為に違法な行為を生じさせる実質的な危険性があったことが証明されない限りは、違法な行為の扇動は処罰されるべきではない

02年月刊誌掲載・再掲載

国民の義務とした「差別禁止」条項などの問題     
 全解連書記次長 新井直樹

http://homepage3.nifty.com/na-page/17.html


 政府は、今国会(六月一九日会期末)において、憲法違反の有事法制関連三法案を強行裁決し、戦前における国家総動員・治安維持体制を再現し、アメリカの戦争に日本を参戦させようとしています。この法案では平和の内に生きる権利、反戦の思想・内心や集会・結社の自由、報道の自由を「公共の福祉」の名で規制しようとしています。
 さらに政府・与党は、法案名称の美名に隠れて、こうした国民の言論・表現の自由、国民の権利を一層抑圧・規制する狙いをもって、「個人情報保護法案」や「人権擁護法案」を位置づけ、今国会で可決する意図を放棄していません。(五月一八日現在)
 人権擁護法案は、法務省の外局に人権委員会を設置し、差別、虐待、マスコミによる人権侵害も取り扱い、任意による「一般救済」と、「特別救済」として調停、仲裁、勧告、公表、訴訟援助などを行います。また委員会は、質問調査権や強制的な権限も持ち、応じない場合は過料や罰金を科し、マスコミ報道による人権侵害も勧告内容の公表を行うとしています。
 この法案に対し、国連パリ原則(一九九三年国連総会で採択)でいう政府からの独立性の確保が担保されていない、報道による人権侵害が「特別救済」の対象にあげられていることから、政府機関による報道への不当な干渉につながりかねない、国民の知る権利に答えられない、労働事案が除外されているとして、断固反対や廃案の立場が多く表明されています。
 しかし、法案の問題点はこれだけではありません。
 人権擁護推進審議会設置や審議会議論の経過をみれば明らかなように、「解同」らは「差別禁止法」の制定を強く求め、一方、人権教育・啓発推進所管の法務・文科省は、差別の要因を国民の意識の有りように求め、その改変を迫る法律の制定や「基本計画」の策定を進めてきており、これら事態の反映もあって、法案第三条は包括的な差別禁止条項となり、公権力等による差別禁止を明示せず、差別禁止を憲法体系に反して国民の義務として一方的に押しつける仕組みとなっています。
 また「人種等の属性を理由とする」「差別的言動」「属性情報の掲示」「差別助長行為」に対し、過料の制裁を伴う調査権限をもって差止め勧告や訴訟の提起を行うとしており、表現行為に対し、その表現内容にまで踏み込んで裁定を行うなど、言論表現の自由の立場からの解決を困難にし、国民の自由な言論活動を制限し萎縮させかねないものです。
 五月一二日に読売新聞社が両法案の修正試案を公開したところ、首相や官房長官も法案の再検討を指示する状況にあります。読売試案は、両法案のもつ基本的な問題点を内包したままであり、世論を一層喚起し、廃案に追い込みたいと考えています。
 全解連は、三月八日にこの法案が閣議決定され国会に提案された事態をうけて、三月一五日付で「言論表現の自由及び私的自治を侵す人権擁護法案に反対する」との見解(資料一)を、また四月二四日に参議院本会議先議で質疑がはじまったことから、「人権擁護法案は国民の権利侵害法であり廃案を求める(国会議員に対する申し入れ)」申し入れ書(資料二)も作成し、反対運動に取り組んできました。
 本稿では、「差別禁止」に係わる問題を中心に取り上げます。
 

 本年二月六日に、「人権擁護法案(仮称)の大綱」に関する質問主意書(二二項目)を川田悦子・衆議院議員が提出しました。その答弁書の中で、「差別助長行為等」について、次のように法務省は回答しています。
 「大綱第一の三(三)の「差別助長行為等」とは、(1)人種等を理由とする不当な差別的取扱いを助長し、又は誘発する目的で、例えば、いわゆる同和地区の所在を網羅した書籍を頒布するなど、人種等の共通の属性を有する不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を公然と摘示する行為、及び(2)例えば、特定の人種又は民族に属する者へのサービスの提供を拒否するため、外国人の入店を拒否する旨を店頭に掲示するなど、人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由とする差別的取扱いをする意思を公然と表示する行為を指している。」
 「大綱第一の三(三)の差別助長行為等については、特定の個人の人権を直ちに侵害するものではないことなどから、個人による実効的な訴訟遂行が期待できないので、当該行為により不当な差別的取扱いを受けるおそれのある不特定多数者のために、人権委員会が自ら訴訟を提起してその差止めを求めることとするものである。」
 これら「差別助長行為」や「訴訟援助」の問題は、審議会「中間まとめ」(二〇〇〇年一一月)において検討課題とされていた事項でした。
 「第四 必要な救済措置とこれを実現するための手法」「一 人権侵害類型と必要な救済措置 (イ)差別表現 (二)いわゆる部落地名総鑑の出版やインターネット上の同種情報の掲示のように、人種,民族,社会的身分等に係る不特定又は多数の者の属性に関する情報を公然と摘示するなどの表現行為であって、差別を助長・誘発するおそれが高いにもかかわらず、法律上又は事実上、個人では有効に対処することが著しく困難な一定の表現行為が行われた場合の救済については、表現の自由との関係に十分配慮しつつ、差止め、削除等の手法の可否について引き続き検討することとする(第四、二(七)参照)。」
 「(七)特定の事案に関する強制的手法 差別を助長・誘発するおそれの高い一定の表現行為や慣行的な差別的取扱い等、被害者個人による訴訟提起が法律上又は事実上著しく困難であったり、それだけでは問題の実質的解決にならない事案に関する救済の在り方については、上記手法のほか、人権救済機関による命令・裁定や人権救済機関が裁判所に差止命令の発付を求める制度等も視野に入れつつ、表現の自由との関係や行政と司法の在り等を踏まえて、引き続き検討することとする。」
 このように「中間まとめ」の時点では、これらの問題は「表現の自由の保障に抵触するおそれが極めて高く、憲法上疑義がある」と任意的手法による対応を求める意見が大勢をしめた経緯があります。にもかかわらず「部落地名総監のような差別助長表現や集団誹謗的表現は、表現の自由の保障の範囲外」との異論も提示され、公聴会や意見募集の過程で私たちは反対の立場を宣伝しましたが、結局「積極的救済」の対象にされてしまった問題です。
 審議会最後の頃の議論をみると、いわゆる差別する自由はない、結婚問題の厳しさがわかっていない、など恫喝まがいの意見も見られます。このように「人権が侵害された場合」の主要な内容は「解同」が主張してきた、地名総鑑、身元調査、結婚差別、落書き、張り紙、インターネットなどに係わる「部落差別」問題であり、「被害者救済」も「解同」が「自力救済」といって憚らない「確認・糾弾」でとりあげきたが「効果的、迅速な解決がはかられていない問題」が対象にされているものです。
 「差別的表現は法的に規制すべきか」(江橋、浦部、内野、横田)が一九九二年の『法律時報』でとりあげられていたが、差別表現の規制は合憲であるか否かは議論が分かれていました。しかし、「解同」は差別表現行為や内容の法規制は、人種差別撤廃条約に照らして可能であるとの立場から主張を展開してきましたが、今回の法案に反映されてしまったものです。
 この問題は、矢田問題、埼玉加須事件、八鹿高校事件、近年でも川島町議除名事件、三重弓矢問題など、表現内容について「解同」や「法務局」ですら「差別」と一方的に断定し、人権侵害を平然と行ってきた過去を、また「放送レポート」でも明らかにされているように、メディア関係者の発言や活字が、「差別を助長する」とされ、出版物の回収(事前・事後)が行われてきた経緯をみれば、問題の重大さがわかります。
 「解同」ともども人権委員会が憲法二一条に反して、国民の言論表現の自由に介入し抑圧できる公の法的条項と機関がつくられようとしており、委員会裁定に不服申し立てもできない欠陥機関、このことの重大性はもっと喚起されてしかるべきと考えます。


 「解同」は、人権擁護推進審議会第三五回会議(一九九九年一二月一四日)で、「今後の基本課題」として「差別の禁止、少なくとも人種差別撤廃条約を踏まえた「差別禁止法(仮称)」の制定が必要」「このような差別禁止法がなければ、たとえ国内人権機関が設置されたとしても、何が差別であり何が人権侵害かが不明確なため、効果的な調査や調停を行うことはできません」と発言していました。
 私たちは、この「差別禁止法」の制定を求める意見に対し、国民内部の問題を解決するとした場合の「差別」のとらえ方や構成要件、「差別行為」を明示することの困難性、さらに現刑法とのかねあい等、検討すべき事項が多くあること、また近年、虐待防止、ストーカー規制法、DV防止法などが制定されてきているもとで基本的には個別法の改善をすすめること、そして公権力や企業などの社会的権力による差別を禁止するための法制度については、例えば性差による賃金格差の改善や障害者雇用の義務づけなど雇用者罰則の強化を行うことが必要だと主張し、行政機関が司法の領域に介入することに反対を表明しました。
 なお韓国では、「国家人権委員会法」(公布二〇〇一年五月二四日、法律第六四八一号、施行二〇〇一年一一月二五日)が制定されています。
 「第一章 総則 第一条(目的)この法律は、人間の尊厳及び価値、不可侵の基本的人権を保護し、人権の水準を向上させる国家の義務を果たすことにより民主的基本秩序を正しく立て直すのに寄与するために国家人権委員会を設置し、その組織及び運営に関して定めることを目的とする。第二条(定義)この法律で「人権」とは、憲法、大韓民国が加入・批准した国際条約及び国際慣習法及び法律によりすべての人が有する自由及び権利をいう」と、人権の保護を国家の義務として規定し、人権の定義も国際法に依拠することも明確にしています。
 一方、日本の人権擁護法案はどうか。
 「第一章総則(目的)第一条この法律は、人権の侵害により発生し、又は発生するおそれのある被害の適正かつ迅速な救済又はその実効的な予防並びに人権尊重の理念を普及させ、及びそれに関する理解を深めるための啓発に関する措置を講ずることにより、人権の擁護に関する施策を総合的に推進し、もって、人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的とする。(定義)第二条この法律において「人権侵害」とは、不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為をいう。(人権侵害等の禁止)第三条何人も、他人に対し、次に掲げる行為その他の人権侵害をしてはならない。一次に掲げる不当な差別的取扱い イ国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱い ロ業として対価を得て物品、不動産、権利又は役務を提供する者としての立場において人種等を理由としてする不当な差別的取扱い ハ事業主としての立場において労働者の採用又は労働条件その他労働関係に関する事項について人種等を理由としてする不当な差別的取扱い(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四七年法律第一一三号)第八条第二項に規定する定めに基づく不当な差別的取扱い及び同条第三項に規定する理由に基づく解雇を含む。) 二次に掲げる不当な差別的言動等 イ特定の者に対し、その者の有する人種等の属性を理由としてする侮辱、嫌がらせその他の不当な差別的言動 ロ特定の者に対し、職務上の地位を利用し、その者の意に反してする性的な言動 三特定の者に対して有する優越的な立場においてその者に対してする虐待 2何人も、次に掲げる行為をしてはならない。一人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的で、当該不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を文書の頒布、掲示その他これらに類する方法で公然と摘示する行為 二人種等の共通の属性を有する不特定多数の者に対して当該属性を理由として前項第一号に規定する不当な差別的取扱いをする意思を広告、掲示その他これらに類する方法で公然と表示する行為 (国の責務)第四条国は、基本的人権の享有と法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり、人権の擁護に関する施策を総合的に推進する責務を有する。」
 このように日本の法案は、「差別」「不当」「人権」「虐待」について定義せず、しかも教育基本法第三条(教育の機会均等)でいう「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」との「差別されない」という国民に対する国の取り扱いが明確にされていない、重大な欠陥があります。
 「解同」が私人間の差別禁止を主張したことを逆手にとり、「人権」を韓国の人権委員会法のように国際条約に則って規定せず、「不当」という曖昧な表現で私人間の問題に踏み込み裁定しようというものです。国際的諸条約や国際社会との関係で見ても、曖昧な対象として「差別」的表現行為・内容を排除する人権委員会は奇異な機関であり、「被害者救済」をいいつつそこに限定した仕組みを取らず「事前予防」と称して「啓発」ですますのでなく、出版差し止め・訴訟援助までおこなう、二重三重に国際社会から隔絶した代物となります。
  

 この法案は、これまで述べてきたように、差別を助長・誘発する表現や集団誹謗的表現などの「差別表現」を規制対象にしています。とりわけ、日本政府は人種差別撤廃条例の締結に際して表現の自由との関連で一部条項の留保を行った経緯があるにも係わらずです。
 昨年七月九日に外務省は、「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見」を人種差別撤廃委員会に提出しました。
 この「報告審査」の中には、もとより看過できない問題が含まれていました。それは第一に、委員会が条約第一条に定める人種差別の定義の解釈に関わって、「世系(descent)」の語にはそれ独自の意味を持っているとし、部落民を含む全ての集団について、差別から保護されることなどを勧告したこと、第二に、条約第四条(「人種優越主義に基づく差別及び扇動の禁止」)は義務的性格を有しており、意見や表現の自由の権利と整合するとして、締約国の義務と抵触すると懸念を表明したこと、です。
 われわれも委員会に抗議をしましたが、外務省もこれまでの政府見解の立場を踏襲して次のような内容の批判文を提出しました。
「立法措置は、状況により必要とされ、かつ立法することが適当と締約国が判断した場合に講じることが求められていると解される。我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑制することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない。」
「なお、人種差別思想の流布や表現に関しては、それが特定の個人や団体の名誉や信用を害する内容を有すれば、刑法の名誉毀損罪、侮辱罪又は信用毀損・業務妨害罪で処罰可能であるほか、特定の個人に対する脅迫的内容を有すれば、刑法の脅迫罪等により処罰可能である。また、人種差別的思想を動機、背景とする暴力行為については、刑法の傷害罪、暴行罪等により、処罰可能となっている。また、私人による差別について、不法行為が成立する場合には、そのような行為を行った者に損害賠償責任が発生するほか(民法七〇九条等)、公序良俗違反の法律行為である場合には、民法九〇条により無効とされる。」
「第四条の定める概念は、様々な場面における様々な態様の行為を含む非常に広いものが含まれる可能性があり、それらのすべてにつき現行法制を越える刑罰法規をもって規制することは、その制約の必要性、合理性が厳しく要求される表現の自由や、処罰範囲の具体性、明確性が要請される罪刑法定主義といった憲法の規定する保障と抵触する恐れがあると考えたことから、我が国としては、第四条(a)及び(b)について留保を付することとしたものである。また、右留保を撤回し、人種差別思想の流布等に対し、正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとることを検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われている状況にあるとは考えていない。」
「例えば英国の一九八六年の公共秩序法第一八条第五項には、「人種的憎悪を扇動する意志があったことが証明されなかった者は、その言葉、行動、筆記物が脅迫的、虐待的、侮辱的であるとの意識がなくかつそれに気づかなかった場合には、本条の下の犯罪として有罪にはならない。」と規定している。また、「人種主義とメディア」に関する共同声明(意見と表現の自由に関する国連特別報告者、メディアの自由に関するOSCE(欧州安保協力機構)代表及び表現の自由に関するOAS(米州機構)特別報告者による共同声明)の中でも、差別的な発言に関する法律は、「何人も、差別、敵意ないし暴力を扇動する意図をもって行ったことが証明されなければ、差別的発言(hatespeech)のために罰するべきではない。」と。
 基本的に同意できる内容です。問題は「中間まとめ」の時に論点となった、「集団の名誉や侮蔑」表現、「部落地名総監のような出版物」等への法規制を、ここで述べているように刑法で十分処罰可能であるとするか、処罰の前に行政指導や行政処分を先行させることを可能とするか、という問題です。
 例えば、インターネット上の表現位置づけについて合衆国最高裁判所は、新聞と放送の区別を維持しつつ、インターネットには周波数の稀少性は妥当せず、放送についての法理は妥当しないと判断し、表現の自由の法理が前提とする「思想の自由市場」をストレートに適用しています。日本国憲法のもとで第二一条の表現の自由も同様に考えられ、新聞の場合よりも裁判所がとりわけ手厚い保護を与えることが必要との意見が学者研究者の多数です。この立場からすると表現の制約は、とりわけ厳しい基準を満たさない限りは許されないものとなります。「やむにやまれない政府利益の基準」をクリアすることが不可欠です。
 違法な行為の扇動に対する規制基準として、合衆国最高裁判所が示した基準(ブランデンバーグの基準)があります。それは、表現自体が違法な行為を直接扇動していて、しかもその表現行為に違法な行為を生じさせる実質的な危険性があったことが証明されない限りは、違法な行為の扇動は処罰されるべきではない、というものです。「差別を助長する表現」「名誉を毀損する表現」「侮蔑する表現」とは区別され、これらの表現に対する規制は、憲法上の正当化は困難と指摘する学者がこれまた多数です。
 このようにインターネット上での表現行為については、表現は表現で対抗すべきだとの表現の自由の基本原理がより強く妥当する余地があります。表現行為に対して名誉毀損として損害賠償責任を負わせるためには、表現が虚偽であり虚偽の事実の公表に故意過失があったことを原告が証明しなければならず、公職者などの場合でも表現者が「現実の悪意」を有していたことを証明しないとなりません。
 米国憲法修正第一条は、「・・・言論あるいは出版の自由を制限し、または人が平穏に集会し、また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない。」と明確に規定し、たとえば通信品位に係わる「ポルノ規制」なども、これに反する法律として違憲とされています。
 このように、「差別的取扱い」とか「差別表現」などといわれるものは、極めて多義的で評価の分かれる類の問題であり、安易に差止めや削除等の措置が許されないものです。とりわけ「差別表現」の問題は、言論表現の自由や文化の問題、思想信条の自由とも深く関わるものであり、法務省が人種も含めた差別禁止を、取り扱いのみならず、差別助長・誘発などと、人種差別撤廃条約でいう差別扇動に類する問題にまでかってに法の網を広げたことは、これまでの政府・外務省見解に反するものであり、また、なんでも米国のいいなりの政府であるにも係わらず米国憲法修正第一条を無視するなど、権力的発想が極めて濃厚です。

--------------------------------------------------------------------------------

資料一 
 言論表現の自由及び私的自治を侵す「人権擁護法案」に反対する 
一、政府は今国会に「人権擁護法案」を提出し、五月中に可決し、来夏には人権委員会を発足させる運びである。この法案は、人権擁護推進審議会が、昨年五月に「人権救済制度の在り方について」とりまとめた答申を土台としている。法案は、法務省の外局に人権委員会を設置し、差別、虐待と並んでマスコミによる人権侵害も取り扱い、これまでの制度と同様の任意による「一般救済」と、調停、仲裁、勧告、公表、訴訟援助などを行う「特別救済」に分けている。しかも、委員会は質問調査権や強制的な権限も持ち、応じない場合は過料や罰金を科し、マスコミ報道による人権侵害も勧告内容の公表を行うとしている。
一、この法案は、我々をはじめ多くの国民の意見や批判を軽視し、審議会が当初からもっていた制約や本来的な問題を内包したまま、まとめられたものである。
(1)国民の基本的人権の重要な柱である「裁判を受ける権利」を擁護し、発展させる立場からすれば、司法の民主的改革と連動するのでなく、裁判外紛争処理機関の設立根拠を「簡易性、柔軟性、機動性」と称して、司法の内在的限界論の立場をとり、裁判を受ける権利の形骸化及び三権分立における行政権の肥大化につながりかねない危険性が指摘される。
 こうした問題の克服は、国民の身近で頼りになる司法の民主的改革が基本であり、少なくとも政府から人事、運営、財政の各面で独立して活動できる人権救済機関の設置が必要であるが、人権委員会の帰属や格付けをも含む独立性の確保、民主的選任と国民の信頼をうる人権擁護委員の在り方でも十分な配慮がなされていない。
(2)公権力や社会的権力(大企業など)こそ人権侵害の元凶であるにもかかわらず、この問題を「特別救済」にきちんと位置づけず、国民の言論・表現、内心の自由や知る権利など、いままで国民間の問題で踏み込まなかった分野に、行政機関が調査権限や罰則をもって介入しようというものである。
(3)法案の土台である答申は、同和の特別対策の終結との係わりから審議会が設置され、とりまとめられた経緯があり、人権問題といいながら差別問題が中心であり、しかも同和問題を色濃く意識したものとなっていたが、その問題点が法案にも反映している。
 つまり、同和問題に係わる結婚・交際問題のように、この分野で合意されてきた政府見解では、何が差別かを判定することは困難であり、法律などで罰したり規制することは、かえって啓発に反し差別の潜在化を招くと捉えていたが、この法案は明らかに問題解決に逆行する仕組みを内包している。
 結婚・交際に際して、「差別」との断定のもとに、嫌がらせや侮辱などに「特別救済」を行うことは、国民の内心の自由への介入につながり、意に反する婚姻の強制など憲法が保障する婚姻の自由への行政権力の介入になりかねず、結果的に人権を侵害し、部落問題解決をも阻害するものである。
(4)マスコミによる人権侵害については、マスコミ自身の自主的な解決機関の設置による解決が基本であり、この問題をめぐって言論・表現、報道の自由を侵害しかねない行政的な介入は許されない。
 あくまで表現には表現で対抗することが近代社会の基本であり、定義できない「不当な差別的言動」「差別助長行為」などの表現行為に対して、曖昧な基準で「停止」「差し止め」など物理的、強制的な手段による対応を行うことは、言論表現の自由を侵害し、しかも自由な意見交換のできる環境づくりによる部落問題解決にも逆行する。
 このように、この法案は、国民の希望してきた人権救済制度のあり方に十分応える内容になっていないばかりか、従来、国民生活に係わる私的自治やマスコミのような報道の自由が不可欠な分野へ新たな権力の介入に道を開き、しかも異議申し立てなどの反訴や黙秘権も明確に規定されておらず、新たな人権侵害を生み出しかねない危険性をはらんでいる。
一、国連規約人権委員会は、「我が国の報告書に対する最終見解」で「警察及び出入国管理当局による不適正な処遇について」と「児童の権利」に関して「調査及び救済を求める申立てができる独立した機関等を設置」することを求めている。国連の方針がすべて正しいものではないが、関係当局は国内実状を一定反映した「勧告」を誠実に受け止め、各々指摘のある分野について個別法の改善整備を含む迅速な検討が求められている。
 国連は、とりわけ「独立した機関」が必要と指摘している分野をこのように限定しており、人権侵害の元凶である公権力や社会的権力(大企業など)を規制することを曖昧にし、国民の私的領域や言論の分野に踏み込むような機関はもとより想定していない。
一、全解連は、この法案のもつ問題を広範な国民に知らせ、共同して廃案に追い込むよう全力をあげる。
 
資料二
 人権擁護法案は国民の権利侵害法であり廃案を求める(国会議員に対する申し入れ)
1、翼賛体制確立の一里塚
 政府は今国会において、憲法違反の有事法制案を強行裁決し、戦前における国家総動員体制の確立で、アメリカの戦争に日本を参加させようとしています。有事の名のもとに、国民が平和のうちに生きる権利を侵害し、土地や財産のとりあげ、言論表現の自由を奪うなど基本的人権の蹂躙を企んでいます。
 こうした翼賛体制を確立する上で、マスコミをはじめとする国民の言論表現を管理することが支配に不可欠であることから、「人権擁護」という美名で、国民の権利侵害法がまとめられたものです。
 政府は、「個人情報保護法案」や「人権擁護法案」を今国会中に可決し、来年四月~七月に人権委員会を発足させる予定でいます。
 人権擁護法案は、法務省の外局に人権委員会を設置し、任意による「一般救済」と、差別、虐待、報道機関による人権侵害や差別助長行為等を「特別救済」に位置づけ、調停、仲裁、勧告・公表、訴訟援助などを行います。また委員会は、過料の制裁を伴う調査権限を有し、行為の差止めやマスコミ報道による人権侵害も勧告・公表を行うものです。
2、国連勧告や決議を無視し、国民の権利を規制するもの
 法案の提案理由には、「被害の適正かつ迅速な救済又はその実効的な予防」があげられています。
 もともとは、同和問題解決の特別対策を終了し(本年三月末で失効)、一般対策への円滑な移行を論議していた平成八年(一九九六年)五月の地域改善対策協議会意見具申により、人権救済の在り方を調査論議する人権擁護推進審議会が設置され(一九九七年三月から五年の時限法)、昨年五月に人権救済制度の在り方についての答申にもとづいて法案は作成されています。
 よって、国民間の差別問題、とりわけ同和問題に係わる差別問題を色濃く反映しています。
 国連(自由権)規約人権委員会は一九八八年に、「我が国の報告書に対する最終見解」で「警察及び出入国管理当局による不適正な処遇について」と「児童の権利」に関して「調査及び救済を求める申立てができる独立した機関等を設置」することを求めています。 
 国民の願いは、人権侵害の元凶である公権力や社会的権力(大企業など)の横暴を規制し、人権侵害を効果的迅速に排除することです。また私人間の問題でも、雇用差別の禁止など外形的な問題と思想・信条や内心に係わる問題をきちんと区別することも求めています。
 しかし、この法案は、国連がとりわけ「独立した機関」が必要と指摘している分野に限定して「特別救済」を行うのではなく、差別・虐待など曖昧な概念をもって、国民の私的領域や言論表現の分野に踏み込み、自由を規制しようとしています。 
 しかも、この法にもとづく、行政機関である人権委員会は、「特別救済」と称して、差別・虐待などの人権侵害を裁定し、勧告・公表を行うなど、行政手続き法上も問題を含み、一方的に「加害者」を認定し人権を侵害しかねないものです。
3、差別の禁止を国家でなく国民の責務にしている
 日本弁護士連合会は、政府からの独立性の確保の点で致命的な欠陥があると指摘して、仕組みを改めた上、出直すべきとの理事会決議をあげています。また、日本新聞協会、日本民間放送連盟、日本放送協会は報道による人権侵害が特別救済の対象にあげられていることから、政府機関による報道への不当な干渉につながりかねない、国民の知る権利に答えられないとして、報道の自由に十分配慮した制度を共同で求め、断固反対の立場を鮮明にしています。
 このように、政府からの独立性の確保、メディアの言論・表現の自由の確保が保障されないことから反対の取り組みが進められています。
 しかし一方で、民主並び社民党は、政府案と同様に、「人権」や「差別」「不当な差別的取り扱い」「不当な差別的言動」を明確に概念規定せずに用いて、恣意的運用に為りかねない法案(大綱)を準備しています。
 「特別救済」の対象からマスコミを除外し、法務省の外局から内閣府に所管を移しても、国民の権利侵害がなくなるものではありません。特に、「国民の責務」を規定して、国家による国民の権利擁護義務でなしに、国民の義務により人権侵害行為を禁止するというもので、憲法の理念が逆さまになっています。
 有事法制の問題と同様、国権主義の露骨なあらわれであり、私人間の問題ではより慎重に個別具体的な法制度・救済論議が求められます。
4、国民の言論表現の自由を規制しかねない
 一九七五年六月二九日施行の埼玉県加須市長選挙に際し、選挙ポスターに「同和対策是か非か」と記載し掲示したところ、差別の温存を意図するとして住民の抗議行動があり、選管はポスターの撤去を求め、候補者はこの文言の上に紙をはって消して対応したが、県・市の職員の干渉が無かったら当選していたであろうと、選挙の無効を訴えた事件があります。
 東京高裁の判決(一九七六年二月、判例時報八〇六号)は、差別待遇をしてはならないことは現代社会の基本理念であるが、対策事業を行うかどうか、その方策如何の問題は全く別個の事項。「これらについて論ずることはまさに言論の自由に属する。」仮に差別を助長するような言論をなす者があったとしても、これを公権力によって抑圧することが適法かどうかも全く別の問題。「言論に対しては言論をもってすべきが現代社会の常法であろう。」この文言は読みようによってはどのようにもとれる。選管や県・市の公務員が、趣旨を判断し、「やめさせるように働きかける権限をもつ根拠を見いだすことができない。明らかに公権力によって選挙における言論の自由と選挙の公正を害するもので、不当な選挙干渉というべきである。」と選挙無効を言い渡しました。
 最高裁もこの高裁判決を支持して上告を棄却しました(一九七六年九月、判例時報八二六号)。
 このように、表現行為の判定は大変困難であり、表現の自由の価値は、憲法上優位的位置にあります。
 しかし、この法案は、「人種等の属性を理由とする」「差別的言動」「属性情報の掲示」「差別助長行為」に対し、過料の制裁を伴う調査権限をもって差止め勧告や訴訟の提起を行うことから、表現行為に対し言論の自由の立場からの解決を困難にし、国民の自由な言論活動を萎縮させるなど、多くの問題を含んでいます。
 部落問題の分野では、これまで「解同」が一方的に「差別」と断定して行政・教育関係者も巻き込んで暴力的な「確認・糾弾」が行われ、教育関係者をはじめ多くの自殺者を生み出してきました。こうした行為は、政府・法務省でさえ、「啓発には適さない」「行政関係は出席するな」と通達せざるを得ないものでした。
 これが、部落問題について自由な意見交換を妨げ、行政・教育の主体性放棄、えせ同和行為の跋扈となり、問題解決を遅らせてきた主要な要因です。
 この法案は、これら「差別」について、これまでの「解同」にかわって「行政機関」が一方的に裁定するというものであり、国民の人権を保障もせず、差別の潜在化を招きかねないものです。
5、法案にどう対応するのか
 この人権擁護法案は、国民の自由な言論活動を萎縮させ、国家が言論を管理統制する方向を強めるものであることから、廃案にすべきです。
 国会闘争では、次の点を要求します。
(1)「加害者」の人権が保障される担保がないこと等から、「特別救済」は行わなわず、「一般救済」手続きのみを取り扱う「人権委員会設置法」とする。
(2)国家行政組織法3条2項の人権委員会は、末端事務局に至るまで人選・運営などに透明性を確保し、人権擁護委員の民主的選任等をおこなう。
(3)国連勧告をふまえて、「警察及び出入国管理当局による不適正な処遇」や「児童の権利」に関して「調査及び救済を求める申立てができる独立した機関等」を、国連が一九九三年に採択した「パリ原則」にそって、法務省や行政機関の管轄に属さない「政府からの独立性」が確保された機構の設立をあらためて検討する。

|

違法・有害と情報管理が強化へ

ネット有害情報に通報窓口=ホットライン、6月設置

-民間主体で公費負担・警察庁

 警察庁の有識者会議「総合セキュリティ対策会議」(委員長・前田雅英首都大学東京都市教養学部長)は30日、インターネット上の違法・有害情報に関する通報を受け付け、警察やプロバイダーなどに通知する「ホットライン」の設置を求める報告書をまとめた。
 同庁は報告書に基づき、ホットラインを設置、6月の運用開始を目指す。運営は民間主体とし、弁護士や技術者ら5人程度で構成。運営費は原則、公費負担とする。 
(時事通信) - 3月30日


http://www.npa.go.jp/cyber/index.html
総合セキュリティ対策会議(平成17年度)の概要
http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h17/gaiyou.htm
 
 経緯
 情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保するためには、産業界等との連携が不可欠であることから、平成13年度に「情報セキュリティ対策会議」を設置し、有識者等により、情報セキュリティに関する産業界等と政府機関との連携の在り方、特に警察との連携の在り方について検討を行ってきている。
 13年度は連携の在り方の全体像を議論し、14年度は「ハイテク犯罪等に係る被害状況の調査」を基に情報セキュリティ対策の実態把握に努め、15年度は「官民における情報セキュリティ関連情報の共有の在り方」について、16年度は「インターネットの一般利用者の保護及び知的財産権侵害に関する官民連携の在り方」について検討した。

 
本年度の予定
(1)
テーマ
 本年度は、「インターネット上の違法(有害)情報への対応における官民の連携の在り方」について検討する。

(2)
趣旨
 インターネット上には違法(有害)な情報が数多く流通しており、インターネットの利用に起因して数多くの犯罪や犯罪被害が生じている。
 平成16年中のサイバー犯罪の検挙件数は、前年比13%増加の2,081件であり、平成12年に比べると約2倍以上の増加となっている。また、サイバー犯罪等に関する相談受理件数は前年比約1.7倍の70,614件であり、5年間で約6倍以上に急増している。
 このような状況に対し、違法情報については警察による取締りを強化することとしているが、有害情報については、原則として警察の捜査権が及ばないため、ISPによる自主的な対応が求められているところである。また、違法・有害情報への効果的な対応という観点から、英国のIWF(Internet Watch Foundation)の例のように、違法(有害)情報等に関して利用者からの苦情や相談を受け付ける「ホットライン」活動が重要な役割を果たしていくものと考えられる。

(3)
具体的検討事項
・ 「ホットライン」活動の推進

(4)
進め方
 4回程度(第1回:7月、第2回:10月(11月)、第3回:12月、第4回:3月(目安))会議を開催する。
 検討の進捗状況に応じ、2回程度(2月、3月)小委員会を開催する。

(5)
成果物
 会議における議論等を基に、報告書としてとりまとめるとともに、これを踏まえた広報啓発を実施する。また、会議結果は、随時当庁のホームページに掲載する。

第3章 インターネット上の「ホットライン」の必要性及びその運営の在り方に関する提言

http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h17/image/pdf17a.pdf

 現在、インターネット上には児童ポルノ、薬物等禁制品の密売に関する情報等の違法情報や直ちに違法とは評価されないものの自殺サイトや爆弾の製造方法、殺人等の違法行為の請負等に関する情報などの有害情報が氾濫している状況にある。とりわけ、平成17年においては、山口県光市の高校生による爆弾製造・爆破事件(6月)や大阪府において発生したいわゆる自殺サイトを利用した連続殺人事件(8月)等インターネット上で流通する情報が犯罪行為に利用されるなど、インターネット上の違法・有害情報が大きな社会問題となったところである。
 本会議においては、インターネット上に氾濫する違法・有害情報への対応における官民連携の一つの方策として、すでに諸外国において運用され、一定の成果を上げているインターネット上の「ホットライン」活動を取り上げ、その必要性及び運営の在り方について検討を行った。

 インターネット上の違法・有害情報対策を効果的かつ効率的に推進していくためには、表現の自由等の基本的人権と公共の福祉とのバランスを考慮してインターネット利用者がインターネット利用時に発見した違法・有害情報を通報するための仕組みを整備することが重要である。具体的には、通報を受けて、一定の基準に基づいて違法・有害情報に該当するものを選別した上で、違法情報については警察への通報及びプロバイダや電子掲示板の管理者等への削除依頼等を実施するとともに、有害情報についてはプロバイダや電子掲示板の管理者等に契約約款等に基づく削除等の措置を依頼するインターネット上の「ホットライン」を導入することが必要である。

 「ホットライン」実施主体には、様々な情報について通報が寄せられることが予想されるところであるが、人権侵害、知的財産権侵害等に係る通報等他の機関・団体において処理することが適当なものについては、専門的な対応を行っている関係機関・団体に対して情報提供することとする。例えば、名誉毀損、プライバシー侵害情報については法務省人権擁護局に、知的財産権侵害情報については各権利者団体等に情報提供することが望ましい。

「ホットライン」実施主体においては、受け付けた違法情報について違法情報該
当性の判断を行った後、違法情報に該当するものについては、一定の手続に従って、警察への通報を行い、併せて一定期間経過後にプロバイダや電子掲示板の管理者等に対する削除依頼を行う。ただし、違法情報の中でも殺害予告、爆破予告等の情報については、プロバイダや電子掲示板の管理者等に削除依頼を行うことによって解決される問題ではなく、むしろ警察の対応が積極的に求められる性質のものであることから、原則的にプロバイダや電子掲示板の管理者等への削除依頼は行わないこととする。

ア 有害情報への対応
「ホットライン」実施主体においては、受け付けた情報が有害情報、具体的には、
○ 違法行為を直接的かつ明示的に請負、仲介、誘引等する情報
○ 違法情報該当性が明らかであると判断することは困難であるが、その疑い
が相当程度認められる情報
○ 人を自殺に誘引・勧誘する情報
等に該当するか否かの判断を行った後、「ホットライン」実施主体からプロバイダや電子掲示板の管理者等に対して契約約款等に基づく削除等の措置を依頼することとする。


|

あと2年同和対策が続くのか・鳥取

鳥取県環境改善補助事業
http://www.pref.tottori.jp/jinken/kankyou-kaizen.html

 同和対策を必要とする地区の環境改善を促進することにより、当該地区の住民の保健衛生の向上、経済の確立及び福祉の増進を図ることを目的としています。

(交付目的)
 第2条 本補助金は、同和対策を必要とする地区の環境改善を促進することにより、当該地区の住民の保健衛生の向上、経済の確立、及び福祉の増進を図ることを目的として交付する。
(補助金の交付)
 第3条 県は、前条の目的の達成に資するため、国の補助金又は県の他の補助金の交付を受けない別表の第1欄に掲げる事業(以下「補助事業」という。)を行う市町村に対し、予算の範囲内で本補助金を交付する。
2 本補助金の額は、補助事業に要する別表の第2欄に掲げる経費(以下「補助対象経費」という。)の額に、2分の1を乗じて得た額以下とする。




総務庁(旧)地域改善対策室

地対財特法の失効と同和関係特別対策の終了
http://www.soumu.go.jp/chiki/chiki_f.htm

  昭和44年の同和対策事業特別措置法の施行以来、33年間にわたって3つの特別措置法に基づき実施してきた同和地区・同和関係者を対象とする特別対策は、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)が失効する平成14年3月31日をもって終了します。
  平成14年度以降、施策ニーズに対しては、他の地域と同様に必要性に応じた施策を実施していくことになります。


平成14年度地域改善対策関係予算額(案)概要
及び平成14年度以降の概要

2 一般対策に工夫を加えて対応している事業(平成8年7月26日閣議決定による事業)

事業名 省庁名 平成14年度以降
(1)物的事業
    1) 小規模住宅地区等改良事業   国土交通省
    2) 地区道路・橋梁整備事業、共同作業場整備
       事業、し尿以外の生活排水及び雨水の排水
       路整備事業、墓地移転事業    厚生労働省
  3) 隣保館整備事業                        厚生労働省

    1)~3)については、対象地域(同和地区)を要件としないこととする。また、補助率を通常の補助率とする。

○ 採択要件及び補助率の見直しを行い実施 (事業概要) 生活環境の改善を図るための共同施設の整備
(補助先) 市町村
(補助率) 1/2

|

« 2006年3月 | トップページ | 2006年5月 »