前例主義の弊害が見直しを拒んでる
小菅六雄 市議: 一般質問
滋賀県野洲市議会議員
http://www.yasusigi.net/report.htm
2006.3議会一般質問文
昨年の市議選(2005年10月)で2議席となり、「議案提案権」を得ましたので、日本共産党議員団として、「代表質問」を行えることになりました。代表質問と答弁の要旨をお知らせします。
■同和行政の終結について
質問
同和行政の終結についての質問を行います。
これまでも再三、取り上げてきましたが、新年度予算を審議する定例会であること。そのなかで、18年度予算案を見る限り、市民の終結への願いに反し、これまで通りの施策を推進されようとしていることは問題であり、行政のあるべき姿と民主主義の重要問題として、改めて、長年取り組んだ同和行政の到達と成果を、行政がどう認識され、今後、どうあるべきか、の観点から質問を行います。
昭和44年にスタートしました、同和対策事業特別措置法以来、地域改善対策特別措置法、地域改善財政特例法、地域改善財政特例法など、時限立法による同和対策事業が推進され、平成13年には、30数年の成果と到達の上に立ち特別法が廃止され、同和対策は終結されました。この間の取り組みにより、住環境、就労、教育などの格差是正が図られるなど、大きな成果を上げてきたのであります。このことは、野洲市においても同様であります。
旧二町の同和対策基本計画でも、「地区環境改善事業=ハード事業は、相当の成果を治めた」と規定されています。これに伴い旧中主町では、早くに小集落改良事業の完工式もおこない、個人施策も段階的に廃止し、同和対策審議会も廃止をしてきたところであります。ところが旧野洲町では、「差別ある限り同和問題は存在する。同和対策は必要」との立場で、新市にも、この考えが踏襲され、同和関係指針や計画を策定、あるいは現在、検討中であります。
その結果、新年度予算案をみましても、同和関係予算は「聖域」とされ、事業予算は過大に計上されています。そこで、改めて問題提起をしますが、本当にこのような施策の推進が野洲市にとって必要なのか。市民が求めているのか、という事です。決して市民は望んではおりません。
市が進める問題点の一つは、「市民には、いまなお差別意識がある」として、その結果、「就労、所得、結婚、教育などに大きな格差がある」。そのために、「同和教育・人権教育が必要」というものです。これにより、これまで、あらゆる「教育・啓発」がなされてきました。しかし、この基本は、「そもそも市民に差別意識がある」という認識からのスタートであり、いわゆる「差別発言・事象」を、ことさら、事件・犯罪と位置付け、この是正のため、「教育」、それどころか確認・糾弾で「人権」を訴えるというところが問題なのであります。
一方的に市民を啓発の対象とする「人権教育と啓発」は、憲法に定められた市民の内心の自由を侵害するものであります。そもそも、市民の意識改革は、市民の自主的な学習と地区内外の住民の自由な交流によってすすむものであり、行政の役割はそのための条件を整備することであります。
私は、人間は、有史以来、理性と良心をもち合わせ、これが人間社会のなかで成長し、社会の発展を形成していくものと確信しています。よって、時々の過ちを正せるのが人間社会であります。これを同和問題で言うならば、本市でも30余年の市民の取り組みのなかで、今日、成果と到達を得て終結の時期となっています。
それをも否定することは、即ち、人間が持ちえる理性と良心、ひいては成長を否定するばかりでなく、このまま同和行政を続けることは、行政自身が未来永劫、市民と市民との間に垣根を作り、人権と民主主義の発展を、より、阻害し遅らせるものの、なにものでもありません。
以上、基本的な点につきまして述べましたが
1点目には、「そもそも市民には差別意識がある」として内心の自由まで否定する部落解放同盟と行政主導の人権教育、即ち、同和教育は廃止し、決別されることを求めますが、見解をお聞きします。
2点目には、特定の運動団体及び関係団体の主義・主張に基づく事業と運動を市行政が推進することは、行政の公平性・民主主義を著しく阻害するものであり、あってはならないことですが、これらに関連する予算上の補助・負担金の廃止されることを求めます。また、個人施策の廃止と一般対策への移行を早期に進めるべきと考えますが、見解をお聞きします。
答弁
「同和教育」についてのご質問でありますが、同和教育は、人権尊重の精神に徹し、今なお現存する部落差別を一掃するとともに、同和問題から提起される諸課題の解決をめざして行う教育であります。このことから、同和教育は教育の根幹を支えるものであります。
したがいまして、実践に当たっては、全ての学校・園や地域社会、家庭において推進されなければならないと考えます。このことが野洲市で進めていく同和教育の基本理念であります。このことから、本市では、行政と市民が協働して差別のないまちづくりに向け、今後とも同和教育、人権教育に積極的に取り組んでまいります。
「特定運動団体等に対する補助等」に関するご質問でありますが、ご指摘の特定の運動団体に対する補助につきましては、本市としては行っておりません。しかし、本市の同和問題に対する取り組み姿勢と同じ同和問題の早期解決に向け積極的に取り組みをしているそれぞれの団体等に対しましては、その事業内容と事業効果が認められるものについては、今後も継続して補助・負担をしてまいります。
個人施策の廃止等につきましては、同和地区住民の自立支援として必要な施策は今後も引き続き対応してまいりますが、答申にも、一般施策の実施状況や同和地区の現状を踏まえ、同和関係予算の捉え方を含め、同和行政全般にわたり検討するとともに、一般施策の有効かつ適切な活用を図ることのできるよう検討することが必要であるとの意見もいただいておりますので、その都度検討してまいりたいと考えております。
http://www.city.yasu.shiga.jp/lib/soumubu/kikakuzaiseika/2006022807.pdf
●同和対策費 3957 万2 千円 (人権施策推進課)
◇職員給与費 3776 万3 千円
▽職員4 名
◇同和対策総合調整費 180 万9 千円
▽同和対策運営審議会(15 人)運営費(22)
▽同和対策事業促進協議会運営補助金 100 万円
●人権施策推進費 1553 万6 千円 (人権施策推進課)
◇職員給与費 1394 万2 千円
▽職員2 名
◇市民のつどい開催事業 51 万1 千円
◇人権啓発推進事業費 75 万1 千円
◇人権擁護啓発推進費 33 万2 千円
●人権情報センター費 1794 万9 千円 (政策推進課)
◇職員給与費 1650 万2 千円
▽職員2 名
◇人権情報センター事業費 144 万7 千円
▽人権情報誌「こころ」発行
▽人権活動のリーダー養成講座
▽家庭支援推進保育士設置事業補助金 300 万円
◇企業内同和問題研修費 159 万3 千円
▽企業人権啓発推進協議会補助金 48 万円
▽企業向け啓発資料の作成
◇同和地区産業就労対策費 645 万1 千円
▽共同作業所運営補助金 550 万円
◇就労支援・勤労者福祉対策費 733 万
◇社会同和教育推進費 82 万5 千円
▽部落解放青年層育成事業委託 10 万円
▽部落解放をめざす女性のつどい事業委託 25 万円
▽社会同和教育推進モデル地区事業補助金 10 万円
▽部落解放をめざす青年集会活動委託料 15 万円
●人権教育費 4046 万1 千円 (人権教育課)
◇職員給与費 3394 万5 千円
▽職員4 名
◇同和問題啓発推進事業費 227 万5 千円
▽啓発冊子「すてきなまちに」作成 77 万5 千円
◇同和教育推進事業費 381 万5 千円
▽野洲市人権啓発推進協議会補助金 140 万円
▽学区人権啓発推進協議会補助金 204 万円
▽野洲市人権教育研究大会負担金 37 万5 千円
◇人権問題啓発推進事業費 42 万6 千円
http://www.city.yasu.shiga.jp/tmpl/GyouseiNewDetails2.html
2006年度野洲市企業人権啓発推進協議会総会ならびに第一回経営者研修会 06/04/28
申し込み
4月20日までに野洲市企業人権啓発推進協議会事務局まで
野洲市・野洲市企業人権啓発推進協議会では、企業・事業所経営者が人権に関する研修の必要性を再認識し、企業自らが「人権の尊重」の経営指針や行動規範等を盛り込んだ計画的、組織的な研修体系を確立され、具体的な研修を実践し、「人権が尊重される明るい職場づくり」や「共生・共感できるやりがいのある職場づくり」につなげていただくことを、一人でも多くの企業・事業所経営者にご理解いただけるよう、経営者研修会を開催いたしますのでぜひご参加ください。
なお、同日、野洲市企業人権啓発推進協議会総会も併せて開催いたします。
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