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京都市の同和対策の姿勢

京都市2005年11月定例市会

日本共産党・井坂博文議員の代表質問(質問と答弁の大要)

2005.11.21
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/cpgkyoto/shikai/2005/0511sikai/051121isaka-situmon.htm#0006

本市の同和行政・人権行政について 

 質問の最後に本市の同和行政・人権行政に関してお聞きします。 
国の人権擁護法案はさすがの小泉暴走内閣も先の特別国会において提出できず、先送りとなりました。本来人権救済機関とは、公権力などによる人権侵害に対し、政府から独立し、裁判所とは別に救済機関をつくって迅速・的確に対処することが目的であります。しかし、〇三年に提案された人権擁護法案は、報道による過剰取材やプライバシー侵害への対処を口実に、政治家の疑惑の追及など取材・報道の自由、国民の知る権利が奪われること。「人権」や「差別」についての明確な規定なしに「差別言動へ対処する」として、国民の表現の自由を侵害する危険がある、など国民の強い反対で廃案になりました。その後、政府・与党は法案の再提出を検討していましたが、一部手直しをしただけで危険な本質はまったく変わっておりません。日本共産党は法案そのものに断固反対であることをあらためて表明いたします。
 さて、鳥取県が全国に先駆けて「人権救済条例」を制定しましたが、専門家や弁護士会から「人権救済の名の下で人権侵害が行われる」「憲法違反の恐れすらある」と厳しい批判を受け、マスコミからも「拙速であり、他の自治体は、こんな動きに追従すべきでない」と指摘されています。従って、本市においては独自条例など制定しないように強く求めておきます。
 つぎに同和関連人権研修への市職員派遣に関してお聞きします。内外の強い批判をうけて、京都市集会、きたけん集会など市内研修について、総務局職員研修所が人数を各局に割り振り、局が参加費負担するという従来の仕組みを廃止し、今年度から「適正に対処する」という九月市会での副市長答弁がありました。ところが文字通りの自主的参加になると思いきや、先月開催された「きたけん集会」では、文化市民局の人権文化部が「仕事の業務の一環」としてとりまとめ、市職員二三八人が参加し、参加費用も公費負担されていたことが発覚しました。これのどこが「適正な対処」なのですか。窓口を変えただけで派遣の中身はまったく変わっていないではありませんか。このような同和関連人権研修における「参加費補助・動員型」の職員派遣はきっぱりとやめるべきであります。いかがですか。
 最後に、同和奨学金と自立促進援助金にかんしてお聞きします。奨学金はいよいよ来年度がその期限切れとなります。現在係争中の裁判においても京都地裁判決は、返還を求めない本市の奨学金制度そのものを、厳しく断罪しました。長引く不況のなかで進学をあきらめざるを得ない家庭が増えているなか、これ以上の逆差別、特別施策を続けることはあってはならないことであります。同和奨学金は期限切れを待つまでもなく来年度予算に計上しないこと、自立促進援助金については制度そのものを廃止し、卒業後の所得に応じて公正に返還を請求するよう強く求めます。その上で、昨年答弁された「貸付をうける奨学生のうち高校・大学を卒業する生徒については制度を説明して返還を求める」との方針について、どう実行されたのですか。経過報告を求めます。
 以上で、私の第一質問を終わります。

<柴田文化市民局長>
 市会の指摘で見直しをおこなったところである。集会は「人権尊重のまちづくり」をテーマとし、調査・研究の場として今年度から人権行政担当職員が参加したが、今後参加のありかたを引き続き検討していく。奨学金は同和問題解決へ残された課題の一つ。経過措置として18年の新規貸与者が卒業する21年まで継続する。自立促進援助金は16年3月に改定。援助金支給基準を満たさない者からは返還を受ける。

【第二質問】
 同和行政はきっぱりとやめよ。市民生活の実態を見ず要望に応えようとしない市長の姿勢がはっきりした。民主府政の会「府民アンケート」に2万5千通の返事が返ってきている。11月の「三位一体改革」への評価では、全国の知事アンケートで、長野・高知・鳥取の知事が「評価できない」と答えているのに、京都府知事は「自治体の裁量が広がった」と肯定的だ。生活保護費の国庫負担率引き下げの動きで地方が猛反発しているのに、市長は「自治体の裁量が広がる」と答える知事と何を協調するのか。これでは府市共犯であり財政破綻をすることは明らかだ。

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