やはり「部落差別的諸言動禁止」
鳥取県のWEBに掲載されていた『差別事件を考えるシンポジウムⅡ』が開かれた。案内によれば、「このシンポジウムは、差別のない社会の実現に向けて、差別落書きや差別投書、差別発言などの差別事件の背景や課題を明らかにし、その原因や差別に苦しむ人を救済する取り組みなどについて、県民が考える催し」ということだった。
2月5日(日)午後1時から4時30分まで(受付:正午から)
鳥取県民文化会館 梨花ホール(鳥取市尚徳町)
日程
12:00 受付
13:00 開会行事
主催者代表挨拶 中田幸雄
部落解放同盟鳥取県連合会委員長
来賓代表挨拶 藤井喜臣 鳥取県副知事
13:20 講演
「差別や人権侵害に苦しむ人々を救済する社会システムを目指して」
―鳥取県人権侵害救済推進及び手続きに関する条例制定の意義と課題―
講師 友永 健三(ともながけんぞう)
(社)部落解放・人権研究所長
14:10 シンポジウム
「連続大量差別ハガキ(封書)事件の真相に迫る」
(被害を受けた当事者の報告と対談)
パネラー 浦本 誉至史(うらもとよしふみ)
部落解放同盟東京都連合会執行委員
友永 健三
(社)部落解放・人権研究所長)
山田 幸夫(やまだゆきお)
部落解放同盟鳥取県連合会書記長
下吉 真二(しもよししんじ)
部落解放同盟鳥取県連合会執行委員
主催及び問合せ先
部落解放同盟鳥取県連合会
内容について、いくつかの報道がなされているが、以下のルポを一部紹介する。(ご苦労さんでした)
187 :名無しさん@6周年:2006/02/05(日) 22:45:57 ID:m0OZiama0
初めまして、鳥取県東部在住の者です。
会場となった梨花ホールは、鳥取市内最大の催し場ですが、それでもかなり早い時間から県内各地 からの車が大挙して押しかけていたようです。
何で分かったかと言うと、「K市」とか「N町」と書かれた、町のマイクロバスも来ていたからです。
それを見ててっきり、県のイベントかと勘違いしたのですが、どうやら解放同盟が主催者のようでした。
13時に開演し、始めに解放同盟の委員長、そして藤井副知事の挨拶がありました。
今回条例の凍結を知事が提案した事で、最初は副知事に対する糾弾会になりはしないかと心配でしたが、 恐らく彼自身もそう感じたのかも知れません。「条例を何とか施行させる」とは言っていたものの、その口調 は実に淡々としたもので、言うだけ言ったらそそくさと退場してしまいました。
続いて「部落解放人権研究所」の、お偉いさんからの講演がありました。
内容は人権条例の説明と、制定の意義についてです。
条例の内容は、こちらのみんなはもうご存知だと思うので省略します。 その中で弁護士会及びマスコミからの批判に対する、反論みたいなのをやっていたので、紹介します。
1、弁護士会からの批判に対する反論
・厳格な対応を取れば、柔軟かつ迅速な救済が図られない
・お金がある人なら名誉毀損での訴訟等も可能だが、それではお金の無い人は、泣き寝入りをせざるを得ない
・もし行政からの人権侵害が対象外であることが問題であるのならば、そう言った人権侵害が発生した場合は
行政側の人間から人権委員会に理由などを開示すれば良いではないか
2、マスコミからの批判に対する反論
・マスメディアによる人権侵害は、現実に多発しているではないか
・もし条例の適用対象外にするとすれば、逆にマスコミによる人権侵害に対して(既存の組織とは別に)、 鳥取県下のマスコミ各社による救済組織を作るべきだ
ここで前半が終了し、一旦休憩に入りました。
後半は実際に起こった差別事件を題材とした、パネルディスカッションでした。
差別ハガキ事件(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%A4%A7%E9%87%8F%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%81%AF%E3%81%8C%E3%81%8D%E4%BA%8B%E4%BB%B6)の被害者の方から、事件の内容について説明がありました。
でもこの事件の背景は、同和差別と言うよりも、犯人に対するモラルの低さ、親の躾に問題が あったんじゃないかなって、正直思いました。
一つ気になったのは、犯人の有罪が確定した際に、インターネットの掲示板で、被害者に対する 嫌がらせの書き込みが相次いだとの事でした。
恐らく2chで祭りにでもなったという事なんでしょう。
でもこれは、個人的にはちょっとどうかと思いました。
犯人は単なる嫌がらせでやったと言う事を認めている訳だし、何より裁判で有罪が確定している。
それに対して文句を言う事は、やっぱりおかしいと思います。
そうでないと、八鹿高校事件を始めとする暴力事件に対する反省を、一切しない解放同盟のやり口を 追求する事は出来ないと思います。
こちらの非は非で認めないと、彼らに対する追求の正当性が疑われるからです。
それから県内各地での差別事件についての説明がありました。
その殆どが、トイレや学校での差別落書き事件でした。
「こういった差別事件を無くすためにも、条例が必要なんだ!」って、パネラーの一人が言っていましたが、 個人的にはそれは疑問を感じました。
だってそうでしょ? 犯人が匿名で分からない状態で、この条例が一体何の役に立つと言うのでしょう?
そしてもうひとつ、学校で起きた差別事件があったので紹介します。
とある小学校での出来事。
「給食の準備中、6年生の男子A、Bがふざけている時にAが「お前の好きな人は○×(個人名)だら (だろう?)」 と、何度もしつこく言ってきたので、Bが「差別だ」と言うと、Aが「部落の人」とBに対して 言った。Bは「先生に言ったるけんな(言うからな)」と言って、担任のところに行った。Aは「ごめん、 ごめん。ふざけて言っただけ」と謝ったが、Bには聞こえなかった」
・・・・これを読んで、どう思われますか?
それからパネラーの一人である山田県議(住民連合)から、最近起きている差別事件に対する、 糾弾の内容について説明がありました。
その中で一つ、山田県議が「これは素晴らしいエピソードです」と紹介した事例があったので、報告します。
「鳥取市内のスナックで起きた差別発言に対し、私達はその発言をした人に何度も確認会などを行い、
自己総括をお願いしてきました。
最初はその人もかなり抵抗していましたが、私達の粘り強い啓蒙活動で、やがて自分の差別意識を 自覚し、自己変革を始めてくれました。
そして最後はどうなったと思いますか?
彼はちゃんと人権意識に目覚め、各地で「自分はかつて、こういう差別意識を持っていた」と、講演を してくれるまでに意識改革を行ってくれたのです!(会場は満面の拍手)」
・・・・・あの~、それはもしかして、第二次大戦後に中国で行われた「洗脳」と言う奴では?
ちなみに観客の方はみんな、本当に熱心に聞いておられました。
発言の都度頷いたり、熱心にメモを取っておられる方も多数でした。
でも、その「糾弾による洗脳」についても、さも当然の如くのリアクションをしているのを見て、やはり ちょっと違うのかなって思いました。
内容は以上です。
757 :エージェント・774:2006/02/06(月) 02:14:41 ID:yNY4Txdg
>>749さんとは別口で今日(もう昨日か)の梨花ホールの集会に行っていた者です。
だいたい内容は>>749さんのレポートの通りだったけど、いくつか印象に残ったことを追記しておく。
・会場は1500人ぐらいいたけど、最後に司会が参加者に「県会議員や県庁に猛烈に凸するように」(まぁ凸とか言ってなかったがw)
と何度も何度も念を押していた。結構みんなマジメに聞いてたから、ちょっと推進派の凸の勢いが増すと思う。反対派も負けちゃいられないぞ!
・もっと「反対派の意見など妄言だゴルァ!!」って感じのノリなのかと思って行ってみたが、意外と冷静で 「改めるべき部分は改めてとにかく施行させよう」というノリだった。逆に不気味。
・彼らの言う「修正すべき点」とは、「公権力にも有効なものにする」「マスコミの抵抗の少ないものにする」「人権委員会の独立性を確かなものにする」でした。
こういう表面的修正で押し切ろうという方針のようです。そもそも条例の必要性を担保する県内の人権侵害の実態調査の欠如については触れず 他県での人権侵害事案の話や、正体不明の差別落書きの話などに終始して、それをもって「県内には人権侵害で溢れている」かのような印象操作を行っていました。
・行政書士による戸籍謄本不正入手事件について延々としゃべっていたが、これは別の法律で解決すべき事案であり、 この事件でもってこの条例の立法事実とするのは噴飯もの。
・ここまでして「とにかく施行したい」という思いの裏にある狙いはやはり国政における「人権侵害救済法」の成立であることが露呈した。
「鳥取での条例制定の取り組みは国政での人権侵害救済法制定へ向けての第一歩」と明言していた。
・公衆便所の差別落書きの話から急にインターネットでの差別的書き込みの話に飛んで、両者を全く同一のものとして扱っていた。
それはあまりにも強引すぎると思った。何度も何度も「インターネット」や「2ちゃんねる」という言葉が出てきており、 よほど彼らにとってネットや2ちゃんは目の敵であり、苦手なものなのだろうと想像できた。
・驚くべきことに(いや驚く必要もないか)、「人権条例が施行されたらインターネットにおける差別的書き込みに関して 人権委員会からプロバイダに圧力をかけて削除させるべきだ」などと、大宰府市議会と全く同じ意見を言っていた。やっぱりそうなるわけだ。
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