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条例はきっぱり廃止を

知事定例記者会見(2006-01-30)

平成18年1月30日(月)午前10時~ 

県政記者室(県庁3階)

http://www.pref.tottori.jp/kouhouka/kaiken/180130.html#02

2 鳥取県人権侵害救済推進及び手続きに関する条例について

○山陰中央新報 弥重節子 記者  人権条例ですが、前回の記者会見でそそくさと論点をまとめて修正案を出すことも考えられると言われましたが、実際にそそくさとまとめて修正案を出すということは理論上、もしくは条例の構造上可能だとお考えでしょうか。

●知事  理論的には可能でしょうね。とにかく今の現行の条例というのは、このままですと今の条例の条文に基づいて6月1日から施行しなければいけないとなっておりますので、「これは無理です」ということを我々なりに受け止めて、それを率直に議会に申し上げているわけです。  では、その後どういう善後策があるのかということですから、それは幾つか考えられるわけで、これまで[人権条例に関する]懇話会で出た論点とか、議会でも幾つか出て、私もそれなりに論点に対しては考え方を明示していますけれども、そういう今まで出てきた障害となるような論点が克服できるようなまとめかたをして改正案は取りあえず出すということは、理論的には可能ですよね。  それからもう一つは、前から申し上げておりますように、せっかくの機会ですから、この際もう一回、一から条例のあり方そのものをレビューするというやり方もあるわけですね。  ですから、選択肢は幾つかありますから、その中で一番妥当だと思われる選択肢を選んで議会に当方から提示をすると。そして議会でよく議論をしていただくということになると思います。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  一番妥当というのはどういうことになるのでしょうか。

●知事  率直に申し上げれば、いろいろな議論があって、しかも必ずしも今の議会でつくられた条例、そのもっと前で言えば、廃案になりましたけれども執行部提案による条例案もそうなんですけども、いずれも必ずしも県内の人権侵害状況、それはどういう類型の人権侵害事案が発生していて、司法による解決に至らないものでどういう類型がどのぐらいあるのかという、そういう事実認定をして、それに基づいて、それらを解決するにはどういう手法がいいのかという、そういうプロセスをたどっておりませんので、ですから、この際そういうレベルから、そういう一から点検をし直すということの方がいいのではないかと私は思っております。  議会でいろいろな議論があると思います。皆さんも御承知のとおり、3つの会派から先般、この条例の今後の取り扱い、善後策のあり方についてレスポンスがありましたけれども、それぞれ違っていたでしょう。特に、中には「問題がないからそのまま施行すべきだ」というスケジュール重視の会派もありましたよね。だから、いろいろな議論があり得ると思います。  まだ正式にどういう議案にまとめて提案するかというのは内部でも正式に協議をして決めているわけではありませんのでこれからのプロセスになりますけれども、私としては、多少時間がかかってもじっくり一からレビューした方がいいのではないかと思っています。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  どの選択肢を選ぶかは議会で議論をして決めていただきたいという回答をされるのでしょうか。

●知事  いやいや、議案として出すのは、私の方で妥当だと思った案を出すつもりです。ただ、議会ではいろいろ議論があるでしょうから、議会における結論まで当方が決めるわけにはいきませんので、そういう意味合いで申し上げているわけです。  何も出さないで議会で議論してもらって、その結果、何らかの議案を中途段階で出しましょうかというようなことは考えていないです。当初に議案として、善後策とする議案を出して、それを議論していただくと、こういうことになります。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  例えば6月の施行を見直すという改正案を提案するということも考えられるのでしょうか。

●知事  選択肢の一つですね。

○NHK 寺井数美 記者  6月の施行を見直すということは改正案ということでよろしいでしょうか。

●知事  当然ですね。今の現行の条例はもうでき上がった条例ですから、これに手を加えないと、6月1日施行ということがもう義務化されていますのでね。だからそこを何らかの形で解除するか、それとも施行日を解除しないのならば、内容を大きく改変しなければいけないという、こういう2つの選択肢、その中でどちらを選んだ方がいいだろうかという話なんですね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  施行日を延期するということになると、これは一からの見直しということになりますね。

●知事  そうです。だから凍結して一から見直すという、多少時間をかけてでも一から見直すという、そういう選択肢と、それからスケジュール重視という考えでいけば、内容を、時間がありませんけれども、そそくさとまとめて改正するというのも一つの案でしょうけどね。そそくさとまとめて、そんなに大方の納得が得られるようなものがちゃんとできるかどうかというのは、なかなか自信がないところでしょうね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  法曹界の協力が得られるかどうかですよね。

●知事  そうですね。ここまでいろいろな議論があって、何回も言いますけど、本当になるほどなと思ったのは、やはりローカル立法、別にこれは自らの立法作業をおとしめて言っているわけではなくて、ローカルのレベルでの立法ですから、適用対象となるこの区域、鳥取県というこの区域の中で今、具体的にはどういう問題が生じているのか、それをどういうふうに実定法でもって解決をしていくのかという、そこから出発しなければいけないんですね、本来は。  それがやはり外部のかたを入れた審議会[鳥取県人権尊重の社会づくり協議会]なんかで素案をつくったわけですけれども、廃案になった執行部提案の条例案ですけどもね。これが必ずしもそこの作業をしていなかっただろうと思うんです。その結果、中央レベルで議論されている人権擁護法案と似たり寄ったりのものが地域の立法である条例案にも大きく投影された。そこで、空理空論とまではもちろん言いませんけれども、いささか抽象性の強すぎる条例案になっていたのではないか。それはそれで廃案になりましたから、私たちの多少欠陥のある商品というのはもう廃棄処分になりましたので、それはそれでいいんですけども、それと似たり寄ったりものが今度また議員立法として出てきた。  その辺に「問題がありますよ」という指摘があったんですね。それは私は、本当に言われてみればなるほどなというものだと思うんですね。そういう点を指摘されて「なるほどな」と思ったら、やはりそこから点検を加えていくというのが本来のやり方ではないかと思うんです。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  今、知事の言われたことを要約しますと、凍結・大幅見直ししかできないと、とらえるのですが。

●知事  いや、だからこれは、最終的にはいずれにしても現行の条例をどういうふうに改正していくかということになりますから、施行日の問題についても改正になりますし、それから内容についても当然改正ですから、どう改正していくかということになりますから、最終的には議会の意思ということになるわけですね。我々は立法行為はできませんので、立法者に対して提案できますので、どういう提案をするかというので私の現段階の気持ちを述べているわけです。立法者の最終意思まで縛るわけにはいきませんので。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  ただ、本当にそそくさと修正案を出すとしたら、マスコミとか県外者を対象から外すという程度しかできないのではないかと私はとらえるのですが、罰則を外すとしたら全体の対象を見直さなければならないし、全体の構造が崩れてしまうということがあるので、そそくさとでしたら。その2点くらいしかできないのではないかと見ています。

●知事  まあ、そんなこともないでしょうけどね。例えば行政機関の取り扱いをどうするかとか。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  その場合も別のチェック機関を作るというのも大変な議論だろうと思うのですが。

●知事  そんなことも必要ないと思いますけれども。12月議会のとき、私ちょっと簡単に、まあそそくさとまとめるとすれば、こんなことが論点でこんな方向かなというのを、ある程度まとめて答弁の中で申し上げていますけど、やろうと思えば幾つかのそそくさ改正案というのはできるんですけれどね。  ただ何回も言っていますように、ではそのローカルの立法の出発点である、その立法を必要とする事実というものが那辺(なへん)にあるのかということを押さえてありませんので、やっぱりこの際見直しをするとすれば、善後策を講じるとすればやっぱりその辺から出発した方がいいだろうと私は思ってます。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  立法を必要とする事実をなぜ最初に押さえなかったのでしょうか。

●知事  いや、それはあるんですけれど定量的といいますか、数量的とかそれから類型としても正確に押さえていなかったということです。世の中の事実として、例えば差別事象でありますとか、それから悪質な誹謗中傷とかはやっぱりそれはあるわけで。そういうものが、国の方のその仕組みの中に、人権擁護委員なんかに寄せられているわけですね。  ただ玉石混交といって失礼になるかもしれませんけれども、それ一つ一つを、立法者が例えば今回でいえば議会だとか、その前段階でいえばその執行部の案をつくる段階で、審議会などでその事実確認をしたかというと、それはしていませんのでね。なんとなくあることはあるんだけれども正確に類型化してない。それから数量化してないという、そういう欠陥があることは否めないと思うんですね。  だから、その形式的には今の立法でもですね、その立法過程に根本的な欠陥があったのかといわれれば、それはそんなことはないんですけれども、やっぱりよりよい地域立法とするためにはそういうところから押さえていった方がいいだろう。で、まあ今回はそういう見直しのチャンス、千載一遇のチャンスが与えられましたので、そういうチャンスを生かさない手はないんではないかと私は思っていますけどね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  知事の考えとしては、もう全面見直しをしていきたいということをはっきり言ってもいいですね。

●知事  だからとりあえずは、今の現行条例がほっとくとそのまま生きてきますから、だからそこを何らかの解除なり改編を加えなきゃいけないというような、その段階ですからね。一番ふさわしいと思われる案を、議会に提示をしたい、そして議会の皆さんで議論をしたいと思っています。

○NHK 寺井数美 記者  そうしますと、知事のこれまでの考え方を要約しますと、そそくさな改正案は望ましくなくて。

●知事  望ましくないと思います。まあ率直に言いますとね。

○NHK 寺井数美 記者  そうするとローカル立法から始まるということになりますと、今議会に提案される議案としては施行を当分の間凍結する議案が一番望ましいと思っておられるということになると思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

●知事  まあ多分そういう道行きになると思いますね。これ率直に言いましてね、まだ担当部局ともこの問題で最終的にどういう議案にするかということを詰めてませんのでね、意見のすり合わせもしていませんので、今の段階ではちょっと確たることは申し上げられませんけれども、私としては今申し上げたようなことを、要約されたような考え方でいることは確かであります。

○NHK 稲垣潤 記者   2月議会の中で延期するというだけではなくて、過去の事例の洗い出しなどを検討したりする筋道までも示すような案でしょうか。

●知事  とりあえずは今の条例、今私が申し上げたような道行きにしようと思いますと、現行の条例をフリーズさせなきゃいけないんですよね。6月1日から施行にならないようにしなきゃいけない。その手続きを、その立法改編作業としてやらなきゃいけないんですよね。そこでかなり議論あると思うんですよね。  そこでそれが認められるということになりますと、では今度は見直しをしましょうと、しかもそれは事実確認の方から話をしましょうということになりますと、ある程度時間と人手が要りますよね。だから、そのための予算措置とかそんなものが必要になりますから、ですから、まあ併せて議論をされるということになるんだと思いますね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  知事案を作られるときに審議会に法曹界を入れなかったということについて、どうお考えですか。なぜ入れなかったのでしょうか。

●知事  法曹の人は入っていたんですよ。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  入っていないです。条例文を検討する中には入っておられません。

●知事  メンバーに入っていたんじゃないですか。まあ法曹界の代表というんじゃなくて、弁護士さんが確か入っておられたと思いますよ。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  入っていません。条例文の検討会には。

●知事  そうですか。それは特に、そのときに法曹界を排除しようとかという積極的な意図は全くなかったと思いますよ。むしろ人権侵害を受けていると推定されるようなフィールドに属する人を、多分たくさん選んだんだと思うんですね。だから、そのときに例えば憲法との問題だとかそういうことをチェックしようという、そういうおそらく意思はなかったんだと思います。  だから類型化すれば、被害者ないし被害者に近いポジションにいる方を中心に、多分選んだんだと思いますね。まあ今から考えれば、そういうときに弁護士会から出たような意見を出す人とか、それから表現の自由との関係に懸念を持つ立場の人とかそういうかたを入れておけば、廃案になった知事案というか執行部案について、もう少し違った内容になっていたかもしれないですよね。  ただ、まあこれも過去のことですし、過去をずっと振り返って一つの分岐点というか、立ちどまって考えるという意味での分岐点でいえば一昨年の12月に、[条例案を]議会に出す前にパブリックコメントをしましたよね。あれがもうちょっと早ければ、あのパブリックコメントが議会に出す前にあれば、また違った様相を呈したんだと思うんです。パブリックコメントが議会に出した後だったもんですから、そこでちょっと事態がややこしくなったというのは一つの分岐点だと思う。[人権条例案に関するパブリックコメントは平成16年8月に実施]  もう一つは、議会に出した後、弁護士会の皆さんからかなりファンダメンタルなクレームがありましたよね。それを、願わくば議会のほうでもうちょっと、公聴会なり参考人意見聴取なりされておけば、また違った様相を呈したかもしれませんけどね。まあこれはもう過去の話ですから。  これから、今はこれからどうするかということですから、これからのことを考えれば、さっきから私が申し上げたような事実確認という、まあ一からのレビューをしていく、そういう作業をすることが一番妥当ではないかなと思ってます。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  人権局のホームページに有識者懇話会の議事録が掲載されているのですが、委員の名前が載っていなくてただ「委員」になっています。そうすると、憲法学者の発言とか弁護士に微妙な温度差があり、どの方がどういう理論をお持ちなのかということが追っていけません。ですので、ぜひ名前を書いていただきたいと思います。

●知事  それはどうなの。どういう経緯なんですか。

●瀧山親則 総務部長  審議会ではなく、任意の委員会ですので名前までは公表していません。

●知事  だけど公開でやったんでしょう。

●瀧山親則 総務部長  公開でやりました。

●知事  公開でやったんなら別に。

●瀧山親則 総務部長  [公文書]開示請求があれば名前を付けて出しているのですが、ホームページまでは。

●知事   それならもうホームページも名前を出したらいいんじゃないですか。だれかそれとも名前を隠してくれという話があったんですか。

●瀧山親則 総務部長  特にそこまではありません。

●知事  公開でやったんなら名前も出していいと思いますけどね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  それぞれ議論が筋だって追っていけないので。

●知事  それはまさにこの知事会見の議事録、議事録というか会見録を最初名前、固有名詞なしでやっていたんですよね。そうすると、どの記者さんがずっとフォローしていっているのかということがよくわからないから名前をつけてくださいというのがあって、今は名前つけていますよね。同じ議論ですね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  あの議事録は、関心のある人が読まれたら非常に納得のいく議論展開されていると思います。

●知事  これはちょっと再検討してみてください。私はちょっと今思いつきで申しわけないけれども、公開の場でやった懇話会の議事録を名前を匿名にする意味はほとんどないと思いますけれども。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  名簿の一覧も載っているのですが。

●知事  では、どういう理由か後でまた担当局長に聞いてみたいと思います。

○毎日新聞 田辺佑介 記者  事実認定ですが、玉石混交の中でどうやって何がどうだという事実認定をしていくのでしょうか。

●知事  難しいと思いますよ。当事者の皆さんがそういう事実認定作業をしようとしたときに、必ずしも積極的でないということがあるでしょうしね。その辺の問題から点検をしていかないといけないだろうと思います。

○毎日新聞 田辺佑介 記者  定量的にということですが、量が少なかったり多かったりすることで何か対応が変わることがあるのでしょうか。例えば、少ないから条例がいらないということになったり。

●知事  それはあるかもしれませんね。わかりません、それは。1つだから無視していいということになるのか、そうでないのか、それともその1つは別の方策で解決ができるんじゃないかとか。例えば、司法の方で司法支援といいますか、金銭的という意味じゃなくて、司法へのアクセスを容易にするような支援で解決するんじゃないかとか。いろいろなケースバイケースだろうと思います。

○日本海テレビ 前田俊博 記者  事実認定というのが今後大きなポイントになると思いますが、今回いろいろ言われている中で対象になっている人権侵害の定義が余りにも広範囲であいまいだということがあるのですが、その中である程度限定していって事実認定をする際に今日常的な言動というのが入っていますが、それも入れて事実認定をなさるのか。限定していくということについてはどう考えておられますか。

●知事  それはもう次のプロセスですね。今は、今の現行条例をとりあえず執行停止にするかどうかという、まだその議論もしていないわけです、議会で。だからそこで、さっき私が言ったような、私が望ましいと思うような道筋になったときに、今のような議論が始まるわけです。さっきのような議論もそうなんですね。まだ今は現行条例が生きていますからね。今のままだと6月1日から現行条例で施行するということになるわけですから、これを今どうやって解除するかということが当面の論点ですので、今おっしゃったようなこととか、さっきの論争は、その後の論争です。  という前提で申し上げますと、例えば今おっしゃったようなやりかたもあるわけですよね。今の現行条例というのは、もうとにかく1つでもありそうなものは全部拾おうという、そういう、非常に幅広いやりかたになっているわけです。そうすると、どんどん外延が広がって、とどまるところを知らないで、とうとうちょっとした悪口や悪口雑言でも対象になってしまうのではないかというような懸念を皆さんに抱かせているという、そういう問題点があるわけです。  そうすると、事実認定をして、例えば、かなりひどい類型のものだけを最初ターゲットにして、対象領域として、それにふさわしい条例上の仕掛けをつくっていくというのも一つの選択肢になるわけですね。それは選択の問題です。恐らく審議会で最初の執行部案をつくるときに、いろいろな議論があったと思うんです。こんなこともあるじゃないか、ではそれも入れないとおかしいじゃないかという、そういうバランス論があって、どんどん外延が広がって、とにかく概念が収拾つかなくなってしまったということがあるだろうと思うんです。  そのときに、1つだからといって無視するのかどうかというような、そういうまた根源的な議論がありますよね。さっきのご質問はそういう観点からのご質問だと思います。だから立法政策として、現実主義的に割り切るのか、それとも理念上の整合性というものを重視するのかというのは、そういう立法政策上の考えかたの違いなんていうのもあると思いますね。いずれにしても、であればこそ、現実に鳥取県というこのフィールドでどういう人権侵害状況になっているのかというのは、あらかた押さえておく必要があるだろうということです。

○NHK 寺井数美 記者  執行停止にするときに、例えば修正の項目を何点か付加するというような選択肢はお考えですか。

●知事  立法上ですか。

○NHK 寺井数美 記者  はい。

●知事  それも理論上はあり得るでしょうけど、あんまり意味がないと思います。恐らく議論は出てくると思いますよ。例えば、現行条例を執行停止にして、とりあえずフリーズしておくということになったときに、では、検討するといったって、どういう論点を検討するんですかというのは、当然議論出てきますよね。それは条例上そういうことを明記するのかしないのかという、それの選択だろうと思います。  あんまり私はこれから検討するといったときに、これとこれとこれだけしか検討しませんというように狭めてしまうのは、あんまり実益はないと思います。むしろ議会で議論をしながら、そういう中から検討対象となる論点というものを煮詰めていくという方がいいのではないかと思います。

○NHK 稲垣潤 記者  先ほど、事実確認をするのに相当時間が必要だということをおっしゃっていましたが、具体的に新しい組織を立ち上げるとか、そういうことは検討されていますか。

●知事  いや、具体的にまだ検討していませんけど、検討というか決めていませんけど、いずれにしても、その事実確認を始めようというだけじゃなくて、条例を1つずつ点検を加えていかなければいけませんのでね。何らかのやっぱり外部の人を中心にした点検のための委員会のようなものは必要になるだろうと思います。役所の中だけの作業では済みませんから。

○NHK 稲垣潤 記者  そのための予算案も次の議会に盛り込むことも視野に入れておられますか。

●知事  それは今の現行条例をフリーズするときには、当然セットとしてそういう点検作業のための仕掛けとか、そのための予算措置というのは必要になると思います。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  それも2月議会にセットで提案される可能性はありますか。

●知事  選択肢でしょうね。可能性はありますから。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  知事はここで全面見直しをしたい、とはっきりとは述べられませんか。

●知事  そう言っているようなもんでしょう、でも。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  そうですが。

●知事  いずれにしても、全面的な見直し、レビューをしなければ、現行条例は動かないということを何度も申し上げているわけですよね。そのやりかたとして、全面見直しというものを、今そそくさと案をつくるのか、それともフリーズして、時間をかけて一からレビューをしていくのかという、その手法とタイミングの違い、そこに選択肢がありますよということなんです。  私はできれば時間かかっても一からレビューする方がいいと思っていますということを申し上げているわけです。あと議会でいろいろな議論があるでしょうから、スケジュール重視の考えかたのかたもおられますので、いろいろな議論の中で議論を収斂(しゅうれん)していく、この作業を次の2月議会でやらなければいけないということです。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  知事は執行部案の提案者として全面見直しをしたいと。

●知事  そういう提案をすればね。まだ提案していないですから。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  明確にしていただきたいのですが。

●知事  いずれにしても、現行の条例をどうするかというのは、議会で最終的には結論を出すわけで。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  ですが、知事は知事として。

●知事  だけど、最終的には議会が結論をどう出すかということなんですよね。だからその議会に向けて、これから私の方は議案を出して、それから考えかたを述べて、メッセージを提示していきたいと。今はその段階であります。

○NHK 寺井数美 記者  例えば議会側の中にはスケジュール重視の方もいらっしゃると思うのですが、そういう方々にはどのように理解を求めていこうと思われていますか。

●知事  今ずっとるる申し上げたようなことをまずは言いますよね。そうすると、いろいろ異論反論も出てくるでしょうから、それに対してまた、できるだけ説得力のある議論を展開していくと。これが議会の妙味ですよ。いずれに説得力があるかと。それを皆さん含めて、県民の皆さんがどう判断するかと、こういうことですよね。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  ですから、知事としては全面見直しの立場で提案していくということですね。

●知事  まだ、だからそこは正式に決めていませんよということを申し上げているわけです。手続きがありますから。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  手続きはありますが、知事のお考えとしてはそういう方向であるということですね。

●知事  そうです。そういう考えかたは持っていますけど、まだ、私、独裁者じゃありませんので、手続きを踏んで決めていくということです。泣いても笑っても次、すぐ議会がもう目の前に迫っているわけですから。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  明日、あさってですが。

●知事  せっかちですね。

○読売新聞 畑夏月 記者  現行条例をフリーズさせてというのは、今の予算から削ったり新たに予算を付けたりしてということでしょうか。

●知事  今の現行条例をフリーズしたいということで、そのための改正案なり条例案なりを出すということになりますと、今まで盛り込まれている予算があるんですか。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  あります、運営費が。

●知事  運営費がですか。

●瀧山親則 総務部長  ない。

○山陰中央新報 弥重節子 記者  あります、委員会の運営費が保留になっていますが。

●知事  それは要求でしょう。それは外部作業ですからね。だからそれは内部で作業できるわけです。もし何か既にもう決まったような予算とか、それから条例にまつわる仕掛けなんかがあるとすれば、それはそれなりに変えなければいけないですね。  それからフリーズして、当然フリーズしっ放しというわけにいきませんから、点検作業をするということに当然なるでしょうから、そうすると、そのための、そんなに多くはないでしょうけど、幾ばくかの検討のための予算が必要になる。それは予算として併せて提案をするということになります。

○読売新聞 畑夏月 記者  それはどのくらいフリーズするかというのも描かれているのでしょうか。

●知事  まだ決めていません。それは期間の問題ですか。

○読売新聞 畑夏月 記者  期間です。

●知事  それは、あんまり私は何カ月とかいってあらかじめ決めない方がいいと思いますよ、フリーズする場合には。あんまりまたスケジュールに追われて、それこそ結局最終的にはそそくさとなってしまったということになっては意味がありませんのでね。やはり、そんなにあらかじめデッドラインは決めるということは得策ではないのではないのかなと思います。

○読売新聞 畑夏月 記者  知事のお考えではフリーズする期間は未定だけれども、新たに条例案として、議案として出すのに現行条例をフリーズする代わりに事実認定を一からするためなどの予算をセットとしてやってそれを議会に提案するということでしょうか。

●知事  現行条例をフリーズするという提案をすると、その後のアフターケアに必要な予算というものは必然的に必要となるでしょう。それが伴っていないと整合性を欠くでしょうということを客観的に述べているわけです。  

※広報課編集     [ ]については、広報課で補足説明しています。

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