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「差別」一般も定義は困難。平等権侵害か。

 「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」に関して有識者の皆さんから御意見をいただく懇話会(県の説明)の第2回会合が7日、県民文化会館で開かれました。

 メンバーのうち県弁護士会の5人全員が、「ゼロからの再構築が必要」として、6月施行の凍結を求めた。県は12日にも県議会に懇話会の内容を伝える。県側としては特に問題とされている人権侵害の定義や過料・公表の罰則など個別に改善、修正の方途を探る予定だった。(山陰中央新報)
 傍聴した県議会最大会派「清風」の石黒豊会長は「(定例会のある)2月までに方向付けする。修正か延期か、執行部と話し合ってみたい」と話していた。(中国新聞)
 司法的な解決から漏れる事案についてどう救済すべきかの議論も行われ、「条例を駆け込み寺的な相談窓口とすべき」「対象を絞り込んだ救済機関とすべき」といった意見が出た。(日本海新聞)

 以下に参加者の傍聴録を掲載させてもらいます。(大変ご苦労様でした)
 なお、部落差別など「差別」の救済に特化した「条例・機関」を求める意見もありますが、ここまで議論が深まりをみせているもとで、この救済仕組み自体に疑義が生じているのですから、やはり一から議論をし直すべきです。
 なお、県が呼びかけての協議会では、県のペースが優先され、議論の枠組みが示されたなかでのことですから、ある意味では、結論が先にあり気、の感は否めません。
 県議会で継続審議になっていた折の論点や今回2回の論点は、大変重要な事項を取り上げています。
 是非、議事録を県は公開してください。

http://off3.2ch.net/test/read.cgi/offmatrix/1136051440
(今後、書き込みが多くなると簡単には見れなくなります。注意してください)

170 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 02:20:11 ID:1cPS2kRG
今日の懇話会の参加メンバーは以下の通りです(順不同、敬称略)。
藤井喜臣(鳥取県副知事、司会進行)
国歳真臣(鳥取大学名誉教授)
岡田雅夫(岡山大学副学長)
永山正男(鳥取大学教授)
中村英樹(鳥取大学講師)
松本光寿(弁護士、鳥取県弁護士会会長)
安田寿朗(弁護士、同副会長)
寺垣琢生(弁護士)
河本充弘(弁護士)
大田原俊輔(弁護士)
富谷誠一(会社役員、鳥取地裁調停委員)
長井いずみ(税理士、同)

懇話会の内容としては、主に前回(12月28日)の懇話会で提起された、条例の問題点についての意見交換という形で、スタートしました。

171 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 02:22:38 ID:1cPS2kRG
進行役の藤井副知事は、参加者の意見を聞いた上で、今後どう進めていくのか(施行か、あるいはこっそりと施行かw)、話し合うつもりだったようですが、勿論そうは問屋が下ろしません。

最初に口火を切ったのは、松本会長でした。
人権侵害の禁止と銘打った3条の規定そのものが、表現の自由、思想・良心の自由と言った基本的人権を侵害する事になる事、そしてこの条例で救済すべき人権の判断が極めて不明確で、私人間の心の問題に行政が介入すべきではない事を指摘されました。
そして「運用を待たずして、条例そのものの存在が基本的人権を脅かす」と、片山知事の「条例の問題点は運用でカバー出来る」と言う意見を真っ向から批判www

 これに対しては、(今回意外な事に識者唯一の)推進派の国歳名誉教授が、今迄の制度では救済されなかった人達の人権を救う必要がある、もっと被差別団体の意見を聞くべきだ、と条例の必要性を訴えておられました。
ただ、確かに今のままでは人権の定義そのものがあいまいだと認めた上で、救済すべき対象を「例えば部落差別とか」明確にする等の修正をした上で施行すれば良いのではないか、と今回の条例の黒幕(?)らしからぬ、弱いトーンでおっしゃっていたのは、意外でしたね。

182 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 02:51:37 ID:1cPS2kRG
 大田原弁護士は「今のままの条例で良いとは、誰も思っていない」とした上で、救済対象を差別禁止など具体的な事案に特化するか、あくまで条例のスタンス自体をADR(仲裁、調停)としてのそれに留めるべきだと主張されていました。
また、「差別的言動とみなされた言動が(実際にそうであるかどうかの事実は無視されて)吊るし上げをくらう」と、まるで糾弾会を暗に批判したかのようなご意見も出された上で、「こんな状態では6月の施行なんて無理だ!」www

184 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:20:26 ID:/Mng56fs
中村講師も条例のあり方について、こうおっしゃっていました。
①人権委員から強制的な権限を奪った上で、駆け込み寺的なものにする
②救済の対象を限定するべき
そして現行制度下での人権相談の実態が、例えば離婚問題等の私人間トラブルが殆どだとおっしゃっていました。
そして、救済すべき事実の絞込みにも慎重な議論を要する、と提案されていました。
また救済手続についても、「それぞれの人権侵害によって解決法は違う筈なのに、画一的な手続では解決出来ない」と批判。

185 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:25:45 ID:/Mng56fs
富谷調停委員は以下のように問題点を指摘しておられました。
①対象とする人権の定義があいまい
②侵害行為の解釈が無軌道に拡大する
③通報が第三者でも可能など、恣意的な判断余地が残る
④委員会の独立性に乏しい
「こんな条件が合わさると、恐ろしくてうっかり物も言えなくなる。もう一度考え直して欲しい」
と、あくまで一県民としての率直な意見を出しておられました。
高度なお話が続く中で、ある意味一番素朴で、胸を打つ発言だったかも知れません。

186 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:31:52 ID:/Mng56fs
藤井副知事はこの流れに相当焦っておられたようです。
今日の懇話会は、事前に幾つかの問題点をあげて、あくまでそれについて(のみ)各論で話をしたかったようでしたから。
途中から、マスコミの例外規定に話を強引に振り始めました。
ところがこれに対しては、まず松本弁護士からマスコミの例外規定は本末転倒でしょと、あっさりと切り捨てられました。
中村講師からもメディアからの人権侵害は(この条例ではなく)別件として考えるべきだと素っ気無い反応。
更に大田原弁護士からも、
「個人で人権侵害をすれば取締の対象になる訳ですよね?
それなのに、より影響力の大きいマスコミからの人権侵害を例外にするのは、制定の経緯から考えたらおかしいのでは?」
と、突っ込みの嵐。考えてみれば可哀想な役回りです。

188 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:36:53 ID:wF0xztGe
そしてみなさん、お待たせしました!
前回の会議で一番元気だった安田副会長は、今日も絶好調でした。
条例の諸問題を批判した上で、
「ADRでこの条例が目指す救済対象はほぼ解決出来る、それ以上は個別事象として別途条例をつくるべき」
であり、弁護士会の意向として条例の改廃を訴えられました。
そして前回に引き続き、漢っぷり全開のネ申発言。
「このままではとても条例として維持出来ない。廃止を含めて検討して欲しい。
この懇話会は6月施行を前提にしているけど、まず施行を1年か2年凍結し、その間に新たな条例案を出した上で徹底的に議論しよう。
少なくともこうやって、内容を全面的に見直ししないと、もうどうしようもない。
施行は延期だ!」。
………………もう何と言うカタルシス♪ 我々の頬も緩みっぱなしです。
「ご意見として賜っておきますから」と慌ててスルーしようとする藤井副知事に、更に追い討ちをかけます。
「条例を作るのに一年間かけて議論したと言われるけど、これだけの問題を放置していたなんて、これで本当に議論は尽くしたの?」。
もうこれには副知事も、条例を制定したのは議会だから、と逃げの一手でした。

190 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:40:26 ID:wF0xztGe
長井調停委員は、やや中立的なスタンス。
「修正」を求めながらも、公に対する人権侵害の救済の方がより必要だとし、司法で救えない人権侵害とは具体的はどんなもの?
と質問。
これに対しては大田原弁護士から、
「費用の問題が大半で、内容的には救済は可能で、むしろ申立内容そのものに問題がある場合すらある」と回答がありました。
そして更に松本会長からも、「人権相談の殆どは人間関係のトラブルであり、公に取り上げるべきではないもの」と回答。
更に松本会長は、県が条例を制定する際に挙げた法務局の統計も「恐らく中身は似たような物の筈だ」と、県の面子丸潰しのネ申発言。
もうね、失禁どころか脱糞モノですw

193 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:44:01 ID:wF0xztGe
防戦一方の国歳名誉教授は、「処罰」ばかりをクローズアップせずに、もっと人権救済についても注目して欲しいと訴えておられました。
まぁこれは私も批判はしません。
でもその結果出来たのがコレ?って感じでしたけどね。
そして費用面等で司法の救済を受けられない人達の救済をする為にも、この条例は必要だと訴えておられました。

これに対しては寺垣弁護士から、「司法支援センター(今年の10月から本格運用予定)」での対応が可能であると述べられました。
また河本弁護士もあくまで条例はADRの範囲に留めるべきだとおっしゃっていました。
また侵害を受けた側のみの言い分のみを聞くシステムについて疑問を挙げておられました(私人間の対立であれば、当然ですよね)。

196 :鳥取の名無し@投下! ◆rAGRgy1A.k :2006/01/08(日) 03:53:09 ID:BZHRa/qa
藤井副知事は最後に、「あくまで我々は意見を聞くと言うスタンスで、今日の内容は議会にそのまま伝える」と述べておられました。
でもこの懇話会の結果を受けては、まさかこのまま施行に突っ走る事は、普通に考えても出来ないでしょうね。

これだけ批判の嵐では、県庁の中の人達も大変でしたよ(人事)。
途中で録音をしていた人(>>134さんですね)のところに、人権局の茶髪のお兄ちゃんを何度も邪魔によこすのがせいぜい精一杯。
自爆を期待していた磯田局長も、今日はずっとだんまりでした。
でもお陰で、凄く重要な事を話している場面だったのに、そのお兄ちゃんの妨害で、メモを一部取り損ねてしまいました。
(>>134さんは、私のすぐ近くにおられました。お兄ちゃんのクレームがうるさかったんですよ、これが)
もしかしたら他にも、ネ申発言があったかも知れないのに残念です。

ちなみに懇話会の後、条例制定時に反対の票を投じられた、浜田議員とお話をする機会がありました。
本当に小柄なのに、パワー溢れる素敵な女性でしたよ。
内容は個人としてお話を頂いたものなので、ここでは割愛させて頂きます。
でもお話を聞いて思ったのは、「やはり片山知事は、既に深手を負わないような幕引きを考え始めている」って事でした。

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