文科省との話し合い
2005年11月15日
文部科学省
2005年度要求書等について
(1)申し入れ事項
1,国民主権や戦争放棄、基本的人権を明記する日本国憲法と行政による教育条件整備や教育の中立性をうたう教育基本法の改悪をやめて、国民の平和に生きる権利を擁護し、「小さな政府」ではなく、暮らしと福祉、教育の充実がはかられるようにされたい。
2,えせ同和行為根絶のために、「部落解放」を名乗る団体などによる「確認・糾弾」行為を一掃し、えせ同和排除の広報強化や相談窓口の整備などを具体的にされたい。
3,義務教育の国庫負担制度を維持されたい。
4,深刻な事態にある生徒・学生など青年の就職難に関わり、統一応募書式の徹底、新規学卒者の求職確保、ニート対策などに十分な予算を確保されたい。
5,学校現場に対し、「日の丸」「君が代」の強制をやめること。
(2)要求・話し合い事項
1,児童生徒支援加配教員について、その趣旨にそった適正な配置と、大幅な人員増をはかるとともに、各都道府県別に配置人数・実績・今年度人数と予算を明らかにされたい。また、地方単独での児童支援加配教員配置数も各都道府県別に明らかにされたい。さらに、「加配教員」数等の算出根拠が不透明であることから県ごとの法令明記を 求める。
2,「人権教育」と称して、社会問題に対する理解や解決に向けた態度育成が学校教育の方針とされているところ、運動団体との連携をマニュアル化しているところがみられる。教育の中立性の確保など審議会第1次答申の留意点をふまえ是正指導を徹底されたい。
3,公費支出による人権(同和)教育研究協議会等の事務局への教員派遣は、教育の中立性を損ね、教師の服務規程に反する。福岡県同教裁判の判決が明瞭に示しているところである。改善指導を徹底されたい。
交渉の記録
焦点になっている義務教育費の国庫負担制度維持の要求に、省は「全国どこでも同じ条件で教育が受けられる憲法上の要請を担保するのが義務教育費の国庫負担制度」とし、先の中央教育審議会で大多数の委員から制度維持の意見が出された、中教審の結論(制度維持)を尊重すると回答。質問に答えて、東京、神奈川、千葉、埼玉、静岡、愛知、大阪の7都府県が一般財源化を主張していることも示しました。
深刻な事態にある青年の就職問題で、統一応募書式の徹底、新規学卒者の就職確保やニート対策などを求めたのに対して、統一応募用紙の「保護者氏名」欄を削除し、3月31日付で文科省・厚労省連名で統一応募用紙の趣旨の徹底を依頼する文書を出し、5月13日付で経済団体等に新卒者の就職確保の要請をした。また平成16年で64万人といわれるニートの問題を憂慮し、「若者自立挑戦プラン」に基づく職業観・勤労観を育てるキャリア教育の推進に努めている、と回答をしました。
児童生徒支援加配教員問題では、同推教員と同じ状態にある福岡県などの実態や配置が全国的にアンバランスで配置基準が不透明であることを指摘して、是正を要求し教員増も求めました。省としては教育上の困難をかかえる学校に対して趣旨を説明し、義務教育費の国庫負担問題と連動して予算確保ができるかどうか11月中に結論が出る予定と回答しました。
教育の中立性と教員の服務規定に違反する人権(同和)教育研究協議会事務局への教員派遣問題では、省は、今年6月の調査で岡山県、兵庫県、滋賀県が16年度で廃止、三重県と大分県で公益法人派遣法にもとづき県議会の承認を得て派遣しているとし、公金が使われていることから中立性の確保や住民の誤解を受けることのないよう今後も指導していくとしました。
人権教育については、憲法・教育基本法にもとづき、自主性の尊重、異なる意見への寛容、社会運動との区別が必要としました。自治体の「人権教育基本方針」などに見られる「人権文化」という用語について、法律の中では使われていないし省は使っていないと回答しました。
なお、教育基本法「改正」問題で省は、教育水準の向上など教育基本法が果たしてきた役割を評価する、としたほか弓矢人権裁判の県教委側の陳述書で三重県の同和教育課長が「解同」の「確認・糾弾」を「研修」としている問題について見解を求めたのに対して「係争中の裁判」「個別の事例」として見解を述べることを避けるなど、課題を残しました。
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